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SDGsを現実の事業戦略に落とし込むには?【第0話】

 みなさん、こんにちは。私は現在社会起業家として創業に向けて準備中です(年内に法人登記予定)。このnoteでは、社会起業の経緯や事業の紹介、ビジネス戦略などについて綴っていこうと思います。

 最初のnoteでは、おそらく多くの方がモヤモヤと感じていらっしゃる「SDGsを現実の事業戦略に落とし込む方法」について綴っていきたいと思います。

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 SDGsは、2006年に国連加盟193カ国すべてが合意・採択した「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)として17項目を定めたことはご周知の通りです。このSDGs、今日のビジネスにおいては、どこにいっても耳にしない、目にしない場所はないくらいに、急速に浸透しつつあります。

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 しかし、カラフルなアイコンで示されたSDGsの内容は理解できても、それを現実のビジネスに落とし込みをしていくとなると、難しいと感じる方が多いのではないでしょうか?

・なぜ、企業はSDGsに取り組む必要があるのか?単なるスローガンではないのか?
・なぜ、SDGsが急速にトレンドになったのか?このトレンドは長続きするのか?
・いま自分が担当している職域や事業にSDGsをどのように盛り込めばいいのか?
・いま手掛けている現実のビジネスとSDGsの接点がみえない。それでもやらないといけないのか?
・そもそもSDGsは儲かるのか?美味しいのか?損しないのか?
・SDGsを事業戦略に落とし込むためのフレームワークはないのか?

 一連の論考では、これらの疑問に解が得られるように綴っていきたいと思います。

 自己紹介です。私はこれまでサラリーマンとして16年間勤めて、その間に多くの新規事業開発を手掛けてきました。たくさんの素敵な出逢いと豊かな時間を過ごせましたが、2018年に退職し、大学院で学び直しをしました。前職で多くの知見と経験を積みましたが、それらを有機的に結合するための実力が不足していたからです。

 幸いにも大学院時代は、優秀な学友と知的好奇心を刺激していただける教授陣、さらに実習先やボランティアとの繋がりに恵まれ、素晴らしい知的営みの時間を過ごすことができました。その成果は論文「事業戦略策定ツールとしての共通善階層構造モデルの提案」(PDF)として仕上げることができました。

 この論文は、SDGsをはじめとする共通価値や共通善と呼ばれる社会的責務に対して、企業の第一線で働くみなさんが実際の事業戦略の立案にどのように反映させればよいか、ひとつの解を示したものになります。今回、noteをはじめるにあたり、この論文をベースにして書かせていただきました。ただし、空論ではありません。このテーマはいま私自身が準備中の社会起業のベースでもあります。実戦を伴ったものです。

 全体の構成はつぎの通りです。

 まず、今日のビジネス環境において、SDGsが企業に求められるようになった背景を説明します。そもそもSDGsは、従来も企業が取り組んでいたCSRなどの社会的責務をグローバルに制度化(義務化)したものであること、これには、企業が直面する対象が市場(マーケット)から社会(ソーシャル)へと変化したこと、などを見ていきます。

 そして、このような21世紀型の構造変化に対する経営学からの回答として、戦略論と組織論からそれぞれ代表する2つの理論をとりあげて、SDGs的な事業戦略を考えたときに生じるであろう齟齬と限界をあきらかにします。

 齟齬と限界と書いたように、現在の経営学では、まだスッキリした回答がない、というのがわたしの見解です。そこで、この問題に対して、新しいフレームワークである「共通善階層構造モデル」を提案します。

 このフレームワークは、逆三角形のシンプルなものですが、事業戦略策定プロセスに位置づけると、ユニークな戦略解が出ることを、実際のビジネスにあてはめてシミュレーションしてみます。シミュレーション対象は国内一次産業です。今日的なビジネス環境ではグローバルに事業を展開しているか否かにかかわらず、SDGsへの対応が必須だからです。

 このテーマは、第1話から第6話(予定)までになります。将来的に付録をつけてマガジン化するかもしれませんが、すべて無料でご覧いただけます。

 それでは、猫も杓子もなSDGsを、ポイッと気軽にビジネスに落とし込んで、同業他社をリードする旅にでかけましょう!

(第1話につづく)

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