超高速・お手軽な事業戦略立案フレームワーク
巨人の肩に乗る
「巨人の肩に乗る」という言葉があります。「先人の偉業にもとづいて仕事をすること」を意味します。
ゼロベースで、事業戦略を立案することは、難易度が高いです。事業会社において、突然DX推進部等の部門ができて、ビジネスモデル変革プロジェクト等のプロジェクトマネージャーにアサインされ、「DX推進のため、デジタル技術を活用した画期的な事業戦略・新ビジネスモデルをすぐに策定すべし」等とミッションを上長に振られて、途方に暮れる人も最近は多いでしょう。
悩むのではなく、仮説を立てて、仮説検証を繰り返すことで、より効果的な戦略を立てればいいという人もいます。しかし、仮説自体を立案できるようになるにも、通常は時間を要しますし、仮説立案力を鍛えるためには、何から始めたらいいか、迷うこともあります。
そんなときに役立つのが、巨人の肩に乗る、すなわち効果があるために利用実績が多く、ビジネスの世界で共通言語として認識されているフレームワークを活用することです。
事業戦略立案のフレームワークとして、超高速・お手軽に戦略検討の視点を得られるものに、マッキンゼー出身の戦略コンサルタント斎藤 嘉則氏が考案・著作「問題解決プロフェッショナル」にて紹介している3C+3Sフレームワークがあります。
3C分析
企業の外部環境分析を行うための3C分析フレームワークは、古くから使われているフレームワークであり、共通言語として広く受け入れられています。3C分析は、自社の外部環境を下記3つの視点で分析するものです。
Customer:顧客・市場
Competitor:競合
Company:自社
ただし、3C分析だけでは、自社が取るべき事業戦略がすぐに出てくるわけではありません。これに、+3Sの視点を加えると、下記となります。
3Sフレームワーク概要
1.Customer:顧客・市場
→選択(センタク):どの顧客を選択するのか?
2.Competitor:競合
→差別化(サベツカ):どうやって競合他社と差別化するのか?
Company:自社
→集中(シュウチュウ):自社が抱える多数の課題のうち、どの課題の解決に集中するのか?
※センタク、サベツカ、シュウチュウは、ローマ字でS始まりのため、3Sとなります。
3Sフレームワークを活用した戦略立案観点
1.Customer:顧客・市場
→選択(センタク):どの顧客を選択するのか?
すべての潜在顧客をターゲットとすると、提供するサービスは特徴がなくなり、どの顧客層にとっても魅力が伝わりにくくなり、No1として選択されずらくなります。ターゲットとする見込顧客を絞り込むように選択することで、自社サービスの特徴が明確になります。
2.Competitor:競合
→差別化(サベツカ):どうやって競合他社と差別化するのか?
競合他社に対して優位に立てるよう差別化されていないと、顧客から選んでもらえません。
Company:自社
→集中(シュウチュウ):自社が抱える多数の課題のうち、どの課題の解決に集中するのか?
目についた課題を、優先度を付けずに全部対応しようとすると、課題解決のための負荷が高くなり、対応リソース不足で本当に重要な課題の解決に注力できません。現象と表面化している課題の、大元の課題は実は少数だったりすることが多く、他の課題の派生元である重要な大元の課題の解決に集中すれば、関連する派生課題も連動して解決できるケースが多いです。
サマリ
短期間で、事業戦略検討の視点を得たい場合、上記3C+3Sフレームワークにて、選択する顧客・競合との差別化要素・集中するべき自社課題をイシューとして設定することが有効だと考えます。
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