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仮説立案力を高める3ステップ(料理に例えると、1.料理道具準備→2.レシピ/料理動画の大量インプット→3.料理の実践)

プロローグ

問題解決のためには、闇雲に情報収集などをせず、まずは解決策の仮説を持とう、その方が早く正解にたどり着ける、とよく言われます。では、仮説立案力自体を高めるためにはどうすればいいのでしょうか?

下記の3ステップで取り組むのがお勧めです。

ステップ1:問題を分析するフレームワークを覚える【料理に例えると、料理道具を用意する】

ステップ2:問題の定義、解決事例のケーススタディを頭に入れる【料理に例えると、料理のレシピ・料理動画を大量に見る】

ステップ3:問題解決の実践経験を積む【料理に例えると、実際に料理を沢山してみる】

ステップ1:問題を分析するフレームワークを覚える【料理に例えると、料理道具を用意する】

ゼロベースで問題の分析、問題解決策(ソリューション)を考えることは、経験豊富なビジネスマンであれば可能ですが、慣れないうちは難しいものです。最初のステップとしては、問題分析に役立つフレームワークを頭に入れておくのがいいでしょう。問題、論点、イシューの内容によって、適用するフレームワークを選択できるようになっておけばOKです。

対象とする問題、論点、イシューの領域と、今まで紹介したフレームワーク解説記事の対応関係を示します。

1-1.事業会社の事業戦略の方向性を、短期間で大まかに検討したい時:3C+3Sフレームワーク


1-2.複数の事業を持つコングロマリット企業グループが、各事業の優先順位・拡大/撤退の戦略を検討したい時:プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)


1-3.事業戦略を検討し、各戦略の優先順位を検討したい時:SWOT分析


1-4.マーケティング戦略を立案したい時:顧客セグメンテーション+ターゲティング+ポジショニング検討 → マーケティングの4P検討


1-5.新規プロジェクト企画を行い、プロジェクト実施を委託するベンダーを選定したい場合:RFP(提案依頼書)の策定上の注意点


1-6.他社との差別化・シェア拡大、新規市場への参入検討を行いたい時:ブルー・オーシャン戦略


他にも、業務改善したいポイントを見つけ出すビジネスシステム分析、企業が持つ経営資源の独自の強みや弱みを分析するVRIO分析、外部環境分析のためのPEST分析、等の主要なフレームワークは把握しておくと、問題解決のための仮説立案が容易になります。

ステップ2:問題の定義、解決事例のケーススタディを頭に入れる【料理に例えると、料理のレシピ・料理動画を大量に見る】

ある程度ステップ1のフレームワークを把握したら、次に問題の解決事例を大量に頭にインプットしていきます。コンサルティングファーム・事業会社にいる人であれば、過去プロジェクトの成果物データが社内ナレッジマネジメントシステムに登録されているでしょうから、下記をセットにして読んでおくのがいいでしょう。

2-1.過去実施プロジェクトの提案書・最終報告書
提案書には解決したい問題、論点、イシューが定義されており、解決の初期仮説やプロジェクトの推進方法が記載されています
最終報告書には、問題と解決策の方向性、解決策仮説の検証結果、解決策の定義、解決策の実行計画・推進体制などが記載されていることが多いです。

じっくり読むというより、数百のプロジェクト実施結果の成果物を、問題の定義・解決策のセットで、頭に概要を大量インプットしておき、今後類似する問題が出てきたら、過去事例として参照できるようにしておくイメージです。

その他にも書籍、論文で、定期的に問題・解決策のケーススタディを把握しておきます。
2-2.ハーバード・ビジネス・レビュー等のケーススタディ

2-3.ビジネス系であれば日経ビジネス・週刊ダイヤモンド・東洋経済、IT系なら日経コンピューター、その他専門分野(デジタルマーケティングなら日経xTECH等)のケーススタディ

ステップ3:問題解決の実践経験を積む【料理に例えると、実際に料理を沢山してみる】

理論と机上の経験だけでは、仮説立案力はなかなか向上しません。料理道具を揃え、料理レシピ動画を大量に見ただけでは、料理の達人にはなれないでしょう。

上記ステップ1で手に入れた問題分析・解決検討のフレームワーク、ステップ2で把握した課題と解決策をセットにしたケーススタディの知識を参照しながら、実際の問題を定義して、解決策を自分の頭で検討してみるのが、ステップ3の実践経験を積むです。

いくつかの方法があります。

3-1.毎週1つテーマを決めて、問題定義・解決策の仮説立案・仮説検証を実施する

例えば、下記のように1週間単位でテーマを決めて、問題定義のための情報収集・問題の定義、問題を解決する仮説の立案、仮説の確からしさを追加で情報収集して検証する、ということを繰り返していくと、1年間で約48もの問題解決の仮説立案・検証の経験が積めることになります。

・今週は、EVで自動車産業はどのように変わるか?
・来週は、量子コンピューターの活用方法
・その次は、デジタルマーケティングによる自社マーケティング方法の変革

テーマは、自分の好きな領域から始めるとやりやすいでしょう。旅行が好きなら、行きたい国の歴史・抱える社会・経済上の問題、解決策の仮説、といった具合に進めると続きやすいかと思います。

3-2.問題解決の対象選定にランダム要素を入れる
興味があるところから始めるのは続けやすいですが、偏る可能性があります。偏りを回避するためには、仮説立案の練習対象選定にランダム要素をいれるといいでしょう。例えば、一日のはじめに目にした広告の出稿企業を対象にして、当該企業の売上・利益を3年間で2倍にするための戦略の仮説を考える、という方法が例示として挙げられます。

ベラスケス流風景画 Stable Diffusionで生成:
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