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生まれた年はどんな年?


郵趣の友人が私の誕生日に特別な本を送ってくれました。
2010年に発行された週刊昭和の「昭和44年(1969年)」です。私が生まれた年にどんなことが起こり、どんなご時世だったのかがよく分かる内容でとても興味深く読ませていただきました。
これを読むと私は東大闘争が終わった数日後に生まれたことになります。人類初の月面着陸もこの年。「男はつらいよ」の第一作が封切られたのもこの年でした。
隅々まで読んで思うのは、あれから54年経っているのに、もしかしてあんまり世の中変わっていない? 
相変わらず世界のどこかで戦争をしており、環境を破壊し、不穏な空気が漂っています。変わっていないというより今が似ているように感じるという方が正しいでしょうか。違うのは、今は生きる必死さやがむしゃらな一生懸命さ、純粋なひたむきさのようなものが表立っては感じられないことでしょうか。昭和44年はそういうものがあちらこちらで爆発していたような年だったに違いないと読んでいて思いました。今は内に秘められており、もっとスマートですよね。

「男はつらいよ」の特集ページも面白かったです。第一作のポスターは寅さんの手書き文字が見られます。
以前、英文学者の外山滋比古さんがおっしゃった言葉「手紙は心の貴族が書く」を紹介し、心の貴族代表として寅さんをあげていた新聞記事について言及したことがあるのですが、この朴訥とした味わい深い文字がまさしく寅さんの人柄そのものですよね。
「男はつらいよ」は全部観ていませんが、観たい気持ちになりました。年齢を重ねた今観るともっと深くその世界観を味わえる気がします。

この雑誌、ただ送られてきたわけではありませんでした。所々に友人が施した仕掛けが付いているのです。寅さん特集のページには「寅さんはここから舟に?」と書かれた封筒が貼り付けられていました。中を開けると…

なるほど〜

友人は「男はつらいよ」のロケ地にもなった式根島に行った時のことがあるそうで、その時の思い出を「見晴らす波はいつも丘の上」と仕掛けにタイトルをつけてこんな風に表現してくれていました。

左上の消印にご注目。
「見晴らす波」ならぬ「三原須波」。よく見つけましたよねぇ。これには参りました。

他にもいくつか仕掛けを作ってくださっていて、ただ雑誌を読むだけではない面白さを味わいました。仕掛けの内容を考える時間、郵頼する手間暇、これを作るのに一体どれだけの労力をかけてくださったのでしょう? 人に喜んでもらいたいという気持ちに溢れています。本当にすごいです。頭が下がります。

さて、どうやって返していきましょうか。それを考えるのもまた楽しい。
こよなき感謝の意を込めて。
ありがとうございました。



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