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あさぎーにょの動画は広告なのか

5日前のあさぎーにょさんの動画「もう限界。無理。逃げだしたい。」がバズってますね。

1/1現在(日本時間)335万回再生。Twitterで流れてきて知りました。

サムネイルがあまり好みではなく・・・3回目くらいの接触でやっと見始めたものの、始まりがいかにもYouTuber的なもので、「別にYouTuberの熱海旅なんて興味ないしなあ」と思って一度離脱したのですが、その後もなんども接触するし、絶賛の嵐だったので、「なんでだろう」と思って再度見はじめたら、めっちゃおもしろかったです

タイムループネタは映画や漫画で散々擦られてきているネタなので斬新さはありませんでしたが、動画の導入が全くそう想定させないところに、驚きがありました。しかも途中見ながら、一個人がここまでクオリティ高いシナリオと動画を作れるのか・・・というのも驚愕した。

まあ、後半はカメラアングルが客観的なものが増えたり、熱海の人々の協力凄まじかったので、職業柄「これは何かのプロモーションか?」と勘ぐってしまい、最終的にエンドロールに【サントリーさん協力】の記載があったので、「だからクオリティ高いのか」と腹落ちしました。(ただ、あさぎーにょさんの他の動画も普通にクオリティ高かった。)

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(協力:サントリー食品インターナショナル株式会社)

サントリーさんは、2014年にも「忍者女子高生」でバズっていて、その再生数は今や922万回。「バイラル動画」の火付け役になりました。

(そういえば、これも熱海が舞台だ)

ただ、広告の業界でずっと言われてきているのが、

「バズったからなんなの?」

です。

たくさんシェアされました。たくさんコメントつきました。
インターネット上ではすごく話題になったけれど、
それで商品は売れるのか?

テレビCMは、とにかく広く認知されるし、大量に認知された中に興味関心がある人がいれば、売れるんです。だから、メーカーはコンビニやドラッグストアなどの棚どり(どれだけ自分の会社の商品を棚に置いてもらえるか)をするときに、「これだけCM流しますから!!」という営業トークをします。

店舗側も「それだけキャンペーン大掛かりにやるなら、きっと売れるだろう」ということで、棚を多く用意する。

じゃあ、「Web動画はバズったら売れるの?」「Web動画の効果ってなんなの?」というのがここ数年議論されています。(もう5年くらい経つけど、明確な結論は出ていない)

忍者女子高生の時も、最後にC.C.Lemon出てくる程度。これについてサントリーの人に話を伺ったときに、「この動画では売れなかったですね。」と言い切ってました(笑)ただ「海外からのアクセスが異常に増えました。海外へのブランド認知、という意味では寄与したかもしれないです」と。

今回の、あさぎーにょさんの動画、

割と出演者も多く、大掛かりにやっているので、それなりの費用はかかっていると思います。

スポンサーであるサントリーさんが全ての制作費用を負担しているのか、企画・制作をしているチョコレイトも負担しているのか、など実情はわかりません。

ただ、多少なりともスポンサードするからには、どこかでお金を取り戻さなければなりません。それが商品プロモーションとして取り戻そうとしているのか、ブランディングの一環である、と割り切っているのか。

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ただ、ちゃんと確認していないですが、サントリーの商品が出てくるのはおそらく最後のこのシーンに「デカビタC」が出てくるくらい。

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さっきも貼ったけど、企業名もここだけ。
となると、広告プロモーションとしては露出が少なすぎて、気づいてもらえない確率の方が高いのではないか?

販売促進目的じゃないのかあ。

そんなことを思っていたら、こんなプレスリリースに出会う。

コンテンツスタジオ CHOCOLATE Inc.は、本日12月27日に短編映画「嬉しくなっちゃって」 「ハロー!ブランニューワールド」を2本同日にYouTube上にて公開したことをお知らせいたします。

おお、これ「短編映画」という位置付けだったのか。
映画に企業がスポンサードする場合は、おそらく映画の興行収入から分け前があるんですかね?(ここら辺のビジネスモデルは理解していない)

今回は、YouTube上に無料公開なので、視聴におけるマネタイズはできていないからなあ・・・ムムム。

*****

ちなみに今回の仕掛け人である「チョコレイト」という会社は、「コンテンツスタジオ」とうたっています。理念は、

チョコレイトは、映像を軸として番組、アニメ、映画から、
漫画、ゲーム、雑貨、空間、VRなど、あらゆるエンターテイメントを
越境して作り出していく“コンテンツスタジオ”です。

「次どんなものを生み出すんだろう」と
心待ちにされる“世界一たのしみな会社”をつくる

今回の企画を担当している栗林さんは、

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上で紹介した「忍者女子高生」以外にも

「スマホが乗っ取られる!」気分を味わうことができるPV制作や、

会議室の椅子が自動で整列する動画企画を通じて、日産の技術を伝えたり、広告業界では話題の人物だったりします。

常にTwitterやYouTubeなど様々なプラットフォームでコンテンツ実験を繰り返して、プラットフォームごとにどういうコンテンツが人の心を動かすのか、時代の空気を読み続けている方です。

彼がつくり出すものは、とにかく広告と感じさせません。実際はお金を出すスポンサーがいて、伝えたいこと(この商品の認知を高めたい、とか、このメッセージを伝えたい、とか)があるので、つくるときの制約が多い。

「今の時代、広告はウケませんから」と言って、表面上は納得してくれても、「とはいえ、お金出すからには何か明確な結果を出さないと・・・」というメーカー側の立場もあるので(当然です)、最終的にコンテンツ風の広告になってしまう動画はたくさんあります。

栗林さんのアウトプットは、その絶妙なバランスを成立させている。
おそらくそれは、事前の目的の擦り合わせ、を綿密にやって、目指すゴールに対する認識が一致しているからなんだろうなあ、と。

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長くなりましたが、以上のことから

◉あさぎーにょさんの動画は、広告ではなくコンテンツである
◉サントリーはお金を出しているけど、販促目的ではない
◉もしかしたら、熱海が舞台なのは意味があるかも

↓↓↓↓↓

<今回の動画の目的(予想)>
①サントリーは、ブランドの姿勢を伝えたい
 →動画においてそこまで露出が多いわけじゃないけど、サントリーといえば「やってみなはれ」精神。YouTuberとして新しいチャレンジに挑戦するあさぎーにょさんを「応援する」というパトロンの立場をとることで(そして今後理念に合うアーティストを数多く応援していくことで)、ファンが気づく。つまり、あさぎーにょさんの動画を観ている層をターゲットとして、「サントリーって挑戦する若手いっぱい応援してて、なんかいいよね」を作り出したいのではないか。(Redbullもそういう路線ですね)

②熱海市の地域プロモーション
 →熱海の魅力をもっと広く、伝えていきたい。観光客に来て欲しい。

なんじゃないかという仮説。

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HPはこちら

もし、今回の動画について詳しい方いらっしゃいましたら、こっそり答え合わせお願いします・・・。

ちなみに、もう一個の方の短編映画がまだあまり伸びていないので、ぜひこちらも観てみるといいかも。(私もこれから観てみます)

ではみなさま、あけましておめでとうございます。

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