見出し画像

マンションの売り方が変わってきた!?竣工売りとは?

コロナ禍と言われてから1年が過ぎ、マンションの販売方法に最近、変化がみられるように思います。今回は、マンション販売の2つの方法についてお話してみたいと思います。

昨年初めての緊急事態宣言が発令された際、住宅展示場や販売センターにも休業要請が出され、マンションの販売センターも1カ月以上のクローズとなりました。マンションの販売時期は、たくさんのお客様の来場が見込めるゴールデンウィークを中心とした春売り、お盆休み明けから始まる秋売りなどが多いのですが、昨年は緊急事態宣言の影響で、春売りの物件が販売延期になることが多かったんです。

私が設計変更のお仕事を担当した物件も、5月の販売開始が7月へと延期になりました。そのため、設計変更ができる住戸が上階に限られる(下の階から作っていくので、下の階ほど締切期限が早いんです)という残念な影響が出ました。

今年に入っても販売延期の傾向は続いているようで、最近では建物ができてから販売を始める「竣工売り」物件(完成物件)が増えてきているようなんです。

これまで、マンションは建物の完成前に販売を始めることがほとんどでした。この未完成物件は「青田売り」物件とも言われます。タワーマンションだと竣工の2年以上前から販売を始めることもあり、数十戸の小規模物件でも1年以上前から販売が始まります。最近は販売延期で竣工まで1年を切ってしまうこともあるようで、それなら建物ができてから売る=竣工売りに切り替えるケースが増えているようです。

竣工売りと青田売りでは、どのような違いがあるのか、メリットとデメリットをあげてみたいと思います。

竣工売りのメリット

・実際の住戸内が見られる
広さや色・仕様などが確認できるだけでなく、明るさや眺望なども確認できます。実際に購入する部屋を見られる安心感は大きいですね。

・すぐに入居できる
未完成物件は契約から入居まで1~2年待たなければいけないことも多いですが、完成物件なら契約が済み次第、入居することができます。

・(時期によっては)家具付きや値引きができることも
残り住戸が少なくなったタイミングなら、モデルルームとして使用していた住戸を家具付きで購入することができたり、事務所として使用していた住戸をその分お安く契約することができる場合もあります。

竣工売りのデメリット

・色やオプションが選べない
既に完成しているので、フローリングや扉などのカラーも、間取りも、設備機器なども全て決まっています。また、コンセントを増やしたり、ダウンライトをつけたり、やりたい場合はリフォーム工事としてやることになります(できているものを解体する手間がかかるので、建築工事でつけるよりも費用が高くなることもあります)。

青田売りのメリット

・色や間取りが選べたり、オプションが付けられる
フローリングや扉の色などのカラーテイストが選べたり、3LDKか(リビング拡張して)2LDKか間取りプランを選べたり、設備機器のグレードアップなどのオプション、コンセントの移設・増設やダウンライトへの変更など、未完成だからこそ建築工事でできるオプションを付けることができます。販売初期に契約しないと間に合わないなど、申込の期限はあります。

青田売りのデメリット

・内覧会まで実際の住戸が見られない
モデルルームやCG、図面を見て契約することになるので、実際に出来上がったお部屋の中は入居直前の内覧会まで見ることができません。モデルルームと全然違う・・・と感じてしまうこともあるかもしれません。また、お部屋の明るさや窓から見える向かいの建物などの様子も、契約時には確認が難しいポイントです。

・入居まで時間がかかる
販売初期に契約すると、小規模物件でも契約から入居まで1年以上、タワーマンションだと入居まで2~3年なんてこともあります。入居までインテリアを選んだり、楽しんで過ごせればよいですが、内覧会で「こんなだったっけ?もう忘れちゃった」というお客様も多いです。


竣工売りも青田売りも、それぞれにメリットとデメリットがありますが、それをふまえてご自分の希望に合うおうち選びができると良いなと思います。ご参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?