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ちょうどいいブスの炎上に見る表現の妥当性

今や東京を走っている電車には液晶ディスプレイがついており、そこには様々な情報が流れている。昨日のニュース、沿線のおススメ飲食店、ちょっとした雑学や天気予報などなど。

スマホを見ている人が多いが、それでもかなりの人がぼーと眺めている。満員電車でスマホを見るスペースがない際には、特に。

その中でも一際目立つのが化粧品メーカーのコーセーの動画だ。もう何年も電車の液晶はコーセーが占めていると思う。もちろん他の化粧品メーカーも見るけれど。

化粧品の広告は、綺麗な女優さんがこうすればもっとこうなれるよ、これを使うと私のようになれるよ!と言っているものが多い。製品特徴だけをいうものもある。いわゆる、情緒訴求と機能訴求だ。どちらがいい悪いではなく、それぞれ目的に応じて各社が使い分けている。

一時期、化粧品の広告が機能訴求ばかりになった時があった。そんな中、コーセーが一気に情緒訴求に切り替えた。綺麗な女優さんを大量に投下して、製品特徴ばかりの広告の中で、素敵な世界観をバーンとやって、ものすごい目立ち方をしたのを覚えている。

話がそれた。

情緒訴求の中で変化があった。今、雪肌精のというブランドのキャンペーン広告で、EXILEの岩田くんを起用している。岩田くんがカメラ目線で言う、

あなたが美しくなれば、海も美しくなる

もちろん、キャンペーンの広告で製品広告ではないので男性タレントを使いやすかったというのもあるとは思う。しかし、そこには強い意志があっての起用だと思われる。

女性向けの化粧品の広告に男性タレントが起用されることは決して珍しくない。海外では、女性向け化粧品ブランドに男性タレントを使うのが割と多い。日本はむしろ少ない。

コーセーで言えばテスティモが男性アイドルグループを起用している。でも、岩田くんの起用は、そこではない。意識しているのは、メナードだ。ビューネ君だ。

決して仮面ライダードライブが好きなちびっこを意識してるわけでない(はず)。

薬用ビューネが若い女性に売れているという話がある。薬用ビューネは化粧水1本160ml 6000円だ。ハトムギ化粧水のナチュリエはAmazonで1本 500ml 575円。ml単価は32.6倍となる。でも、ビューネくんは売れるのだ、購入できる店舗も限られているのに。

おい!ちょっと待て!!タイトルの話はどうしたんだ!タイトル詐欺か!という声も聞こえて来そうだ。

来年1月10日からスタートするドラマ「ちょうどいいブスのススメ」(日本テレビ系)。主演を夏菜(29)が務めると発表されてにぎわっているが、いっぽうでタイトルや趣旨に早速非難が殺到している

これは「お笑いコンビ「相席スタート」の山崎ケイ(36)によるエッセイ」を原作にしているドラマで、このタイトル自体もお笑い芸人である著者がつけたものである。

タイトルだけでも炎上しているところに、主演が夏菜であることがさらに燃料となっている。

どこがブスやねん!と。夏菜さんはこれまでも「バッシング」の女王らしいのに、放映前からバッシングを受けることになるとは、、、

人の容姿をネタにすることは筋がよくない。とりわけ、女性に関して、その容姿、生き方を男性目線で公に語ることは禁忌目録に載せたほうがいいくらいの状況になっている。行き過ぎている感もあるけど、やはり今の時代には合っていない。

その中であえてこのエッセイを原作にドラマ化しようとした製作者サイドには、それなりの意図があるかもしれないが、ネットの中、とりわけTwitterの中ではその意図は通じない。タイトルだけ、出演者だけで大炎上なのだ。もしかしたら、最後はコンプレックスを乗り越えて、強く生きる素晴らしいドラマになるかもしれないが。

テレビCMなどは最近効かないと言われる。(それに関しては別の意見をもっているが、それは今回おいておく。)特に若者は、企業が売りたいものを、悪いことは一切言わないで、いいことだけしか言わないから信じられないということらしい。

インフルエンサー(YoutuberやInstagramerなど)の方が自分に身近な感じで信じられると言われている。冒頭の話題にもした化粧品カテゴリーはそういう面が大きいらしい。

長々と書いてきたが、今後、女性向け商材に関して、男性タレントが起用され、女性たちを受け止める、肯定する、包み込むようなものが増えてくるのではないかと思う。男性タレントも、筋骨隆々の力強い男性よりは、仮面ライダーや戦隊モノ出身の柔らかい感じの男性たちが。

ものすごい美人では自分との距離が感じられてしまう、同性でも自分を自虐した瞬間に否定されてしまう、上から目線、男性目線では炎上してしまうなどの条件を考慮すると、ビューネくんや岩田くんなどの起用はとても妥当なものと感じられる。

もちろん、人の感覚は多種多様だし、ダイバーシティな今日ではいろいろな表現があってよい。1つの方向に流れたとき、別の方法(逆張り)で成功するところもあると思う。前述のコーセーのように。

ただトレンドとは大きな流れのことなので、それに真っ向から逆らうのは難しい。おそらく、女性向け商材の男性タレント起用の流れは進むだろうし、女性の容姿、生き方を男性or上から目線で語るのはNGの流れももっと強くなるだろう。

しかし、いつかその流れは変わる。流れが行き過ぎたなら揺り戻しがくる。すべては波だ。寄せたら、返す。でも、その波がいつ変化するかはわらからない。表現の妥当性とはその流れのどの部分にいるかで変わってくると思う。(だからと言って「ちょうどいいブス」という表現はいいとは思っていない。)ただ、潮目の変化に一番最初に乗った人が、その時代の寵児となる。

その流れを読みながら(妥当性を考えながら)、仕事をしないとなーと、ちょうどいいブスの炎上を眺めながらぼんやりと朝から考えていた。

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鱸です。片足を老害に突っ込んでいるサラリーマンです。思ったことを書いていこうと思います。 現在3社目で:広告系リサーチ→コンサル→事業会社となんとか生き残ってきました。 ドラマなどの感想は、こちらのブログに書いています。 https://blog.copiz.tokyo/
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