自分の立ち位置について

おそらく、多くの人が大学の講義などの見たことがあるであろう動画がある。それでも一応見てもらった方がいい。

リーダーシップについてや、ムーブメントの起き方、起こし方についての講義であることが多い。私は後者だった。多分、社会学の講義だったと思う。

内容は動画の中で字幕があるのでそれを見てもらったらいいが、以下のような記事にもまとめられているので貼っておく。

1.<ひとりの男性が裸でデタラメに踊り出し、周りは笑って見ている>
2.<ひとりのフォロワー(追随者)が同調して、一緒に踊り始める>
3.<そのフォロワーが、最初の裸の男性と同じように踊り周りに見せる>
4.<さらに2人目のフォロワーが加わることで、次々とほかの人も踊り出す。>
5.<このとき、最初に踊り出した裸の男は一緒に踊る人を対等に扱う。そして、フォロワーが次々と友達に声をかけていくことで、みなが一緒に踊り出す>
6.<たったひとりで踊っていた裸の男性を中心に、大勢の人間が加わり取り巻いていく。加わらない方がむしろバカにされる状態になりそうな勢いになる>

プロセスを引用すると上記になる。

だいたい講義では、こういう風に解説される。

1.最初にリーダーが勇気を持って立ち上がるが、周りからは嘲笑される。でも、彼の行動に続くのはすごく簡単そうだ。(裸で踊る男性をまわりは嘲笑する)
2.最初に後を追うフォロワーが動き出す。彼はみんなに”どう従えばいいか”を示す重要な役割を担っていく。(一緒に踊り出す男がいる)
3.最初のフォロワーは、実はリーダーシップの一形態として、みんなを導き、ひとりで裸で踊り始めた時点での”バカ”を”リーダー”へと変えていく。(フォロワーがいることで、くだらない行動をしているように見えた男がリーダーとなる)
4.複数のフォロワーが現れる。今やひとりや2人きりのバカでもなく、3人という集団になったことで注目が集まる。(複数の人が動くことで、運動が公のものとなっていく。)
5.他のフォロワーが一緒に踊り出す。リーダーは、複数のフォロワーを対等に扱う。最初のフォロワーたちは、友人たちに声をかけていく。(フォロワーがリーダーの一端を担い、ムーブメントを広げている)
6.だんだん人が加わることで勢いがつき、臨界点に達する。(みなが運動に加わる)

そして、自分の立場を示させるのである。最初に立ち上がる人になるか?2番目?3番目?それからやっていくる大勢?大きなムーブメントになってから?それともムーブメントになっても座り続けて見る人?

やはりスタートアップやフリーランスが持てはやされる昨今では、最初の一人、あるいは二人目、三人目、いや遅くとも5番目から10番目くらいになりたい!と思うのであろうか?

逆に、やはりムーブメントになっても加わらず座り続ける人には、冷たい反応をしたり、老害や社会変革を望まない旧世代の人として批判を受けるのかもしれない。

さて、皆さんはどのように思っただろうか?

私はこれを久しぶりに見たが、当時もそうだったが、今も自分の立ち位置は、

これを撮影した人だろうな

だ。これはヤラセではなく、ある音楽イベントの実際の映像で、素人が撮影してるため手振れがひどい。

だが、この映像が残っていることで、この映像の内容が様々に検討され、解釈され、それが講義や研修の材料になったりする。言い忘れたが、これを大学の講義ではなく、会社のリーダーシップ研修で見た人も多いだろう。

いろいろなことがイケイケどんどんの時、その状況を冷静に見ていると、ノリが悪いとか批判的だとか思われる傾向があるが、冷静に状況を見て判断する人は必要である。それは今のTwitterの中でよく見かける。ただフラットに、ただ冷静に意見を言っている人を、クソリプだとか、批判的だとか、悪意があるとか、アンチだとかいう傾向が強い。

私は趣味がクソリプなので問題はないのだが。

何故、あえてTwitterの話題を出したかというと、今回出した踊りの例はあまりにも有名で、その有名さを逆手にとって人をだます、あるいは自分たちだけに都合の良いようにフォロワーたちをコントロールしている人をよく見かけるためだ。そういう人達はだいたい同じような人とつるんでいて、自分たちの養分をお互いに共有しあっている。

結局、何が言いたいのかというと、自分の立ち位置は自分で確認しなければならないということだ。大勢のムーブメントの中にいると自分の位置は相対的になってしまう。相対的位置しかわかならければ、自分の位置は他人にゆだねられている状況だ。つまり、自分の絶対的位置を見失っている。まあ、それがムーブメントといえばムーブメントだが。(これが単なるムーブメントならいいが、カルト的何かだったら?)

その時に、冷静な観察者がいれば、そこを基準に自分の相対的位置と絶対的な位置を確認すればいいだけである。それを意識するだけで、一方的な養分にされることは減ってくるはずだ。

ムーブメントという言い方をしたが、これは会社だとか、組織だとか、時代背景だとか、色々なものに置き換えられる。例えば、ブラック企業のオーナーとかは、その人を支える幹部たちでできているのだ。その人に乗っちゃった、乗って成功しちゃったという実績があるから、それらはなくならないのである。そういうノリは飲食系チェーンに多かったりするんだけれど。。。

ただ唯一の問題は、この撮影者のことは誰も撮影していないので、この人の立ち位置が全く分からないということなのだ。

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