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第3回THE NEW COOL NOTER賞エッセイ部門~8/25講評

第3回THE NEW COOL NOTER賞エッセイ部門へご参加いただいている皆様。

8月エッセイ部門の授賞発表まで、残り一週間となりました。
第3回THE NEW COOL NOTER賞では、毎月部門を変えてコンテストを行い、12月に各部門の最優秀作の発表と最終授賞を行います。

授賞者には、7月部門と同様、みこちゃんお手製の素敵なトロフィーが贈られます!

本日は、2つ講評を掲載させていただきます。
どうぞ、楽しんでいってください。

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<講評(洋介さん)>

お世話になった

敬愛する先生からの連絡、
連絡は急を要する頼まれごとだ。
頼まれごとの仕事は引き受けた。

naomiさんが急遽担当する
クラスには
日本語の全く分からない
3歳の男の子がいる。

ベトナムから来た男の子
家族滞在で在留するB君だ。

身振り手振りで
懸命にコミュニケーションをとるが
細かな思いはどうしても伝わらない。

文化の違いからの違和感も
小さいながらも大きいようだ。

全く言葉の通じない世界で頑張る
3歳の男の子に
naomiさんは笑って
祖国に帰ることを心から願う。

一生懸命に考えた
絵本の読み聞かせ
B君とその妹を
絵本の主人公に見立ててみよう。

絵本の読み聞かせが始まると
B君は絵を静かにみている。
不安な表情、真剣な表情、
ホッとする表情、
みんなと一緒に
絵本の世界を
楽しめたことが嬉しいようだ。

彼の心に絵本は
自分のことのように刻まれた。

言葉は分からなくても
絵と声の表情で伝えられた喜び
naomiさんの心で芽生えた
新しい優しい気づき。

あるとき二人で
トンボを捕まえようとがんばった。
やっと捕まえたうちの
一匹をnaomiさんは逃してしまう。

きっとB君は怒る
悔しがるだろうと思ってしまった。

しかし全く違う感情を
naomiさんに見せた。

大丈夫

笑顔でまた言う

大丈夫

naomiさんの胸に
温かい気持ちが湧き起こる。

他人の失敗を許せた心
自分の心が大きくなった喜び
先生の笑顔を生んだ自分の言葉

大丈夫

naomiさんの人生で
忘れられない言葉となった。


人は言葉や文化の壁を
超えて分かり合える。
人は心を分かち合うと
いうことができるんだ。

人と人の繋がりが
喜びを連れてきて
人と人との思いやりが
仕合わせを運んでくる。

大丈夫

3歳の男の子から
教えてもらった大切な言葉
人を許す言葉
安らぎや勇気を貰える言葉。

大丈夫

naomiさんは
これからも忘れず生きてゆく。

naomiさん
素敵な
エッセイを有難うございます。

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<講評(一奥)>

ジェネレーションギャップ、という言葉がありますが、世代の異なりとは、見てきたもの感じてきたものの異なりを反映しています。
しかしそれは隔絶したものではなく――歴史が連綿と、今の社会の雰囲気というものは、常に前の時代から続いているもので、過去に起きたできごとから連続したものであることを意識せずにはいられません。

この意味では、ギャップと呼ばれる、ある種の感覚のズレというものは、ズレのようでいて実はその断面がつながっていて、そういうことに気づく瞬間がある。
小さい頃や、未熟な頃には、何を言っているのかわからなかったことなどが、自分自身の成長や変化とともに、ある瞬間に一気に色づいたように蘇ることがある。

遠い時代の物語のようであると思えたことが、自分自身に関係するものごととして、一気に身近になったかのような瞬間が訪れる。
一緒に暮らして、そして日々様々な話を祖母から聞いていた中で、それが二重に時空を越えている――祖母は、若き日の自分を今の感性で語り、そしてそれを聞いていたかつての「私」が、今の私の目を通して、それに出会う。

フードロスだとか、戦後の食糧難だとか、単語だけとらえればまるで記号のように流れてしまう話題かもしれません。
しかし、そこに一本の線を、kojuroさんの中で通す確かな軸として祖母の思い出がある。

その瞬間、闇市という言葉もまた、ほこりを被った歴史的用語ではなく――そこしじめじめとした、しかしそこに活力もまた同居した、ある種の潔い生き汚さを表すものとなる。

エッセイとは、人の感性とは、出来事の中からその意味や感じ方をとらえることとは、こうした感覚無しに語ることはできない。
そんなことを感じました。

kojuroさん、このたびもTHE NEW COOL NOTERコンテストにご参加いただき、ありがとうございました。

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*講評は分担制としているため、必ずしも応募順に講評結果が発表されるわけではございません。よろしくお願いいたします。

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応募作品はこちらのマガジンに収録されます。
 他の参加者様の作品もお読みいただき、ぜひ、当コンテストを通して新しく知り合い、また仲良くなった、との声をお聞かせください! 皆様の縁がつながるコンテストでありたく思います。

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