山の炭焼き小屋【ショートショート】
太平洋戦争から帰った父は、山の上の見晴らしのいい場所へ家を建てた。
父は家の横に炭焼き小屋を作って、炭を焼いて生計を立てた。
私は学校にも行かず、町へ炭を売りに行ったり、父の手伝いをして過ごした。
母は元々丈夫な方ではなく、産後の肥立ちが悪く、私を産んですぐに亡くなった。
そんなふうに15まで山の上で過ごしたが、16の時、街へ集団就職した。
紡績工場だった。工場の隣には女工たちの暮らす寮があり、工場とそこの往復の日々を過ごしていた。
もらったお給料はあまり使わず、父へ仕送