人々を魅了する熊野の滝
熊野は、自然崇拝が起源。
熊野とは①で紹介したように、熊野がそこにある理由は大地の営み。
1400万年前に噴火した熊野カルデラなどに起因する滝が全域に存在し、クリスタルな水を流し、なんとも言えない荘厳でかつ落ち着くサウンドを奏でています。
滝の水しぶきを浴び、滝の水音を聴くと癒やされたうえに力がみなぎります。
熊野は森、岩、滝、川、島などに神が宿り、それを信仰してきたところ。
その代表が那智の滝です。まさしく神の滝。
トップフォトは、大雨の翌日の那智の滝。この日の那智の滝は神威最強。
スーパーなエネルギーをいただけます。
那智の滝
那智には、48の滝があります。那智の滝と呼んでいるのは、那智の一の滝です。ここは神域。熊野那智大社の許可をいただいて、一の滝の上流へ向かうと二の滝、三の滝があります。
那智の原生林の中を行くと感動もんの手つかずの熊野の自然がここにあります。
初めて訪れた時は和歌山にもこんな凄いところがあるのかと思いました。
なお、許可をいただくには、明確な理由と案内人が必要なので一般的には難しいですが、冬から春先には地元の那智勝浦観光機構が主催する「神秘ウォーク」(応募者多数)に当選すれば、那智の滝の上流に行くことができます。
熊野川水系の滝
熊野の中心の流れる大河熊野川は支流も多く、多くの滝が存在します。
ここ数年、滝をはじめとした「水」を活用したアウトドア施設やキャニオニング、パックラフトなどの企画が増えています。新たな熊野の魅力です。
こういう熊野の自然を活用した新しいものが増え、それまでの熊野と融合することでさらに熊野が魅力的になるのです。
熊野三山への参拝と熊野古道を歩くだけでは、これからはきびしいですね。
■お滝さん(駐車地点から徒歩20分程度)
熊野本宮にある「請川お滝さん」は、優雅でサラウンドな滝。滝音は絶壁にこだましています。滝壺付近には「不動尊」をお祀りしています。
■宝竜の滝(駐車地点から徒歩10分程度)
熊野本宮から熊野川を下流に向かい、日足を小口に向かって赤木川を上っていきます。途中に最近パックラフトを行っている静閑瀞という岩と清流の秘境がありさらに上流を目指すと宝龍の滝です。少し遠いですが、車で近くまで行けます。
ちょうど那智の滝の裏側になります。那智の滝も含め幾筋もの滝が流れるこの山は大きな一枚の岩かもしれまん。
赤木川や支流の和田川が長い年月をかけて作ってきたこの谷は、coolなkumano(4)無音の道で紹介した熊野古道大雲取越と小雲取越の中心部でもあり、今も残る圧倒的な自然とその自然を信仰する熊野信仰が今も感じられるところです。
水、山、森、岩、滝、温泉、古道、修験など熊野のキーワードがたくさんあるところです。民宿も自然の家もあります。
熊野の神秘性を感じたい外国人がここに多いこともうなづけます。
熊野の奥深さを感じられるところはどこ?って聞かれるとこの谷を推します。
■鼻白の滝(駐車地点から徒歩15分程度)
熊野川をさらに下流に行くと「かあちゃんの店」があります。地元のかあちゃん達が作るめはり寿司とコロッケとなべもちは必ず食べてください。ものすごく美味しいですよ。
かあちゃんの店から少し行ったところに田長(たなご)谷があり上流に登っていくと滝が見えてきます。
二段の滝で、滝壺のすぐ近くまで行くことができます。
■白見の滝(駐車地点から徒歩0分)
かあちゃんの店から3分程度の国道168号線沿いにあります。
今はトンネルの工事中ですので車を置くことはできませんが、道路沿いにある綺麗な形をした滝です。
この周辺は九里峡と言われ、深い峡谷となってます。柱状節理や奇岩が多く、その中をいくつも滝が流れているのが道路からも観ることができます。
雨の後に行けばよくわかるのですが・・
■飛雪の滝(駐車地点から徒歩1分程度)
白見からさらに5分程度の対岸に飛雪の滝が見えます。
やわらなか曲線を持ちながらダイナミックに飛ぶように流れ落ちる美しい滝。三重県にあります。和歌山県側から飛雪の滝に行くのは上流の三和大橋を渡るか新宮市の新熊野大橋を渡るかです。
ここはすごいですよ。そんな美しい滝のすぐ前にアウトドア施設があり、コテージ、テントサイト、BBQ、テントサウナなど、施設の充実度とロケーションは、熊野一というか全国にもなかなかないと思います。
特に、テントサウナと滝のローテーションは、最高の「ととのう」をお約束します。
■桑ノ木の滝(駐車地点から徒歩20分程度)
白見の滝から下流へすぐの高田川の支流にあります。
まず、高田川自然プールが目に入ります。綺麗な水がゆっくり流れるところにありますので、自然の中の遊泳が楽しめます。
少し上流へ行きます。駐車場がないので広い路側に止めることになります。約20分歩くと桑ノ木の滝。それはそれは優美な姿を見せてくれます。
日置川、すさみ川水系の滝
日置川水系の代表は、安川渓谷の雨乞いの滝と”水の森”百間山渓谷にある多くの滝です。他にも素晴らしい滝はあると思いますが、アクセスがいいのはこの二カ所ですかね。
■雨乞いの滝(駐車地点から徒歩45分程度、渓谷周回コース100分程度)
安川渓谷は、おとなり?の百間山渓谷と並び和歌山県内屈指の透明度を誇ります。その代表が雨乞いの滝。高さは低いですが、周り風景との調和が抜群です。周回コースをいけば緑豊かな森も楽しめますよ。
■百間山渓谷の数ある滝(駐車地点から”水の森”をトレッキング)
ここは、もう「すごい」しか言葉がありません。渓谷には多くの滝があり、巨岩と照葉樹の森のなかをド透明な水が流れています。紀州の箱庭ともいわれ、和歌山の他にはない屈指の景観があります。渓谷入口には、キャンプ場も整備されています。
■雫の滝(駐車地点から徒歩5分程度)
すさみ八景の一つで、二段の滝です。照葉樹の中を流れるので新緑、紅葉も楽しめる優しい滝です。
古座川水系の滝
真打ち登場。古座川は熊野カルデラの痕跡である古座川弧状岩脈にそって流れています。そうです。岩の中をながれているのです。なので滝だらけ。そのうえに美滝が多い、滝の宝石箱ですね。
川岸にそびえる岩、その中を流れ落ちる美しい滝とクリスタルな水、明るくて澄んだ空気感。早春にはその中を咲き誇るクマノザクラ。・・・古座川が大好きです。
■滝の拝(駐車地点から徒歩5分程度)
支流の小川(こがわ)にあります。奇岩の上を流れる景観は異様と言う方が多いですが、岩の殿堂の古座川らしいところです。ここでは、水の岸壁を登るクライマー「ボウズハゼ」が頑張っている姿もみることができます。
■ハリオの滝
古座川の源流近くに向かいます。沢登りをしながら途中から山道を登ります。案内版を設置しており注視していけば道に迷いませんが、濡れますので足下の対策を。最後に紹介する植魚の滝とセットで行くことができます。
coolなkumano(5)熊野は水の国?!で紹介した大塔山への登山口にもなっており、この山の裏側は、透明度抜群の赤木川があり、安川があり、まさに周辺は熊野の水の中心地です。ハリオの滝は滝壺がいいですね。
■植魚の滝
私が最も好きな滝です。(那智の滝は神さまなので甲乙はつけられません)両側が崖でぎりぎりまで姿を見せてくれない女王様。
この滝を観て「おぉぉぉぉぉぉぉ!」って言わない人はおりません!!
熊野には数え切れないほどの滝があります。有名どころで行きやすいごく一部の紹介になりましたが今回紹介した滝は、その姿を観て水しぶきを浴び水音を聞けば、感動すること間違いなしです。
熊野に来て、よみがえり、再生、パワーアップを!!
古座川と熊野川はいづれ特集するつもりです。
次号は、「熊野のリフレクション」かな。よろしくお願いします。
今までの記事は⇩
◆マガジン「熊野とは」・・熊野とは①~⑥
◆マガジン「coolなkumano」・・連載中
■撮影許可が必要なところは、許可を得て撮影しています。
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