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映画評 『すずめの戸締まり』 扉の向こうをもう少し魅力的に…

評価:☆☆(5つ星採点)

地震を起こす妖怪退治を決心して日本中を旅する女子高生の話

災害トラウマの克服をする、解決を試みる主人公って『君の名は。』で既にやったとか思うのだが、なんでまた?
同じテーマを何度も映画化するのは映画監督の常なので構わないけれど、
日本で5番目にヒットした映画の題材を次々作で再び取り上げるというのは早すぎるのではないか
それとも今後も自然災害をテーマに映画作りをし続ける気概なんだろうか

背景美術も世間から褒められすぎた弊害なのか、頑張りすぎてコッテリし過ぎになってしまったように思う
多少さっぱりしてたりするから良いのではないだろうか、絵なんだから

今回は東京をメイン舞台にせずロードムービーにしたことで、話の締まりが悪くなった気もする
(ただそれで間口が広がって、日本でも中国でも大ヒットしているのだが)
主人公が一目惚れでなんとなく巻き込まれて何故か勝手に決心して旅するようになったようにしか見えないのは、失敗かと思う

あと、『天気の子』でも少し感じたのだが、「扉の向こうの世界」があまり魅力的な絵面や設定でないのが深海作品の弱点かも
そのあたりは、この作品の問題というより今や何でも描けるようになってしまった映像作品の限界なのかもしれない


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