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健康な体の源 1

先日、今年20歳になる長男が1か月の日本滞在を終え無事にオーストラリアに帰ってきました。
私や主人の両親、親戚、友達との交流を通して、数えきれないほどの学びを得たことは、長男の表情や言葉から見て取ることができます。

元々料理人志望で料理が得意な長男は、私の母の“ばあばの味”にいたく感動し、帰宅後早速その味を再現してくれました。漬物、魚の煮つけ、どれもホッとする母の味そのものでした。お陰で、これからも日本に帰らずとも母の味を楽しむことができそうです。
今回、長男は実家の母の食事だけでなく、日本の発酵食品にも目を付けた様子。
そして、ある日なにかを始めました。
聞くと、我が家でも味噌や甘酒、塩こうじを作る為に、米麹を作っているというのです。
そんな手の込んだ作業をしようと思わない私は、「全部一から作りたい。」「科学の計算を元に成功させたい」というパッションに従う理系の長男をただただ見守ることにしました。

適度な硬さに炊いた米と麹菌を混ぜた後、自分の部屋に持ち込み、低温調理器具で温度管理を徹底。24時間体制で経過観察をしている長男の姿を見て「この子は本気だ。」と思いました。
その甲斐あって、遂に米麹が完成。真っ白いふわふわの麹菌につつまれた米麹。なんて可愛らしいんでしょう。

ふわふわの麹菌


長男がその米麹を私の鼻先に持ってきて「匂い、かいでみ?」というので、かいでみした。
その瞬間、一昨年の暮れに亡くなった祖母が今、私の目の前にいるような、そして実家の離れ(保存食置き場)に瞬間移動でもしたかのような錯覚を感じたのです。
そこで気付きました。「おばあちゃんの匂い、家の離れの匂い。あれは麹菌の匂いだったんだ。」と。
それもそのはず。ある時まで毎年春になると私の実家では、家の離れを使って、一年分の味噌を家族総出で作っていたのです。
何時間もかけてたくさんの大豆をゆで、その大豆をつぶした後、家族みんなの素手で丸めます。その後、風通しの良い空間で数週間寝かせてから、それを再び素手で崩し、麹と塩などを混ぜて発酵させるのです。

それぞれの家庭によって工程に違いはあると思いますが、実家の味噌に注目した場合重要なのは、
素手で丸める。数週間風通しの良い空間で寝かせる。
なのではないかと思っています。

実家の美味しい“手前みそ“に欠かせない、目には見えない原材料がこの2つの過程で加えられるからです。
それこそが今もなお私の健康維持に不可欠な存在、源ではないか。と思うのです。
その源は、一体何なのか。
つづきは次回お話ししたいと思います。

毎週月曜日更新。次回は6月17日です。★


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