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【アゼルバイジャン暮らしの日記】おしゃべりが楽しい。

2024年1月8日

風邪は思ったよりもひどくならなかった。

昼は、お友だちに会いに行った。今はイタリアに住んでいるけれど、婚約のお披露目で一時帰国しているアゼルバイジャン人のお友だち、ニギャールさん。彼女は、群馬大学にも留学していたので、日本語も堪能だ。嬉しそうに、パーティーの写真や婚約者の写真を見せてくれる姿が可愛い。もともと華やかで可愛らしい人だけれども、こういう幸せに満ちた姿は本当にきれい。ぱっと花が咲いているみたい。一緒にでかけたのんちゃんと(のんちゃんとニギャールさんは長年の友人だ)微笑ましく眺める。よかったね、おめでとう、ニギャールさん。

ちっちゃな水餃子がたくさん入っているスープ、ドゥシュベレ。お酢を少し垂らして食べる。

イタリアに帰ったらしばらく食べられなくなるアゼルバイジャン料理の食べ納め、とタルコバ(バクーの渋谷みたいなところ)に繰り出して、ニギャールさんのすすめのお店へ。あれこれ料理を頼んで、いろんな話をする。ニギャールさんは日本語、英語、トルコ語、ロシア語(そしてもちろんアゼルバイジャン語)が話せて、私は日露英、のんちゃんは日土英なので、われわれの会話は、言語があれこれ切り替わるのがおもしろい。それがどこかバクー育ちの女性たち「バキンカ」の会話に似ていて、ちょっと誇らしい。しかし本物のバキンカは、もっとすごみがあって、かっこいい。女が自立して働くのは当然、でも子供も3人くらい産んで、ばりばりに整形して唇はフィラーして、メイクも髪もきらきらで、100m先から香るほどの香水をふりかけて、カイエンをぐいぐい乗り回してやってくる。にっこり微笑んで、ハーイ、タマキ、カークジェラ?英語とロシア語とアゼルバイジャン語のミックスで話す(私には流麗にロシア語で話し、若いウェイターを叱り飛ばすときには、どすの利いたアゼルバイジャン語でまくしたてる)。そんなバキンカたち。

私たちの話題は生活に密着したトピック(料理とか家庭生活とか)が多いけれど、それに派生して歴史や現代政治や教育制度や芸術について話す。その、地に足がついた知性が楽しい。また次はどこで会えるかな、明るく手を振って別れる。素敵な友だち。

それから、帰宅してコンパウンドの中にあるジム(徒歩2分)に重い腰を上げて入会した。運動不足すぎる。年末からずっと股関節の調子が悪くて(きっと太り過ぎなのだ)、長く歩いたり立ち仕事がつらい。スポーツはまあまあするけれど(テニスとかゴルフとかスキーとか)、トレーニングが本当に嫌いな私。でも。近所のお友だち(ヴァネッサとプリーティ)が気分がすっきりするよ、一緒にやろうよとの励ましに背中を押されて。初日は簡単に、バイクを漕ぐのと上半身のマシンを少し、そして前後にストレッチを長めに。うん、たしかに気分がいいかも。

毛糸玉で想像したのと、けっこう違う模様が出た。オパール毛糸のフンデルトヴァッサー・シリーズ。

夕方、日本のお友だち(ルミしゃんとニツカちゃん)とオンラインで編みもの会。私とニツカちゃんは、棒針で靴下を編み、ルミしゃんは模様編みのブランケットをかぎ針で。編みものって、集中の具合が程よくて、おしゃべりしながらでも編めるのがいい。作業しながらのおしゃべりは、並んで同じ景色を眺めているような感覚がある。きっちりと向き合うのでもなくて、互いが存在する空気を共に味わうような。編みものの話をしたり、暮らしの話をしたり、穏やかで優しい時間。ふたりが話す母語の響きは、私には甘くて優しい。あっという間に2時間ほど一緒に編んで、おやすみなさいと言って別れた。日本はもう夜中。

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