【旅日記・スロベニア】透明な水の景色は、こちらをも見透かしているようで怖い。
今日の旅先:スロベニア・ヴィントガル渓谷
今日の料理:羊のチーズと梨、オニオングラタンスープ、出来合いの豚と鶏のロースト
いつかの画面の中で見たような、うつくしい旅の景色は、その具現化された美の均質性によって、早晩われわれの記憶の隙間に埋もれてしまう。他方、長いあいだ心に残り、折に触れて胸の中でひかるのは、自分にとって「かけがえのない一瞬」を捉えた景色。心のなかでシャッターを切った、その残像。海に沈む日の名残の、最期のの一息の緑の光線、夏の午後の強いひかりを受けて反射する、軒下のプリズム、早朝のひとけない人家の裏手の、仄暗い墓所、ふと顧みる、花弁があとからあとから降る通学路。
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