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自炊をはじめる人たちを応援する力強いレシピ本、私のおすすめ

新年度がスタートして10日が過ぎました。新しい環境に慣れてきたら、そろそろ食事に目を向けてみませんか。
ちょうどスープ作家の有賀薫さんが「春です!自炊をはじめる人たちを応援してくれる心強いレシピ本」という記事を上げていらしたので、ちゃっかり乗っからせていただいて、私は「自炊を始めた人たちを応援する力強いレシピ本」を紹介していきますね。

何はともあれごはんを食べよう

糖質オフダイエットはだいぶ下火になったとはいえ、痩せたければ「糖質オフ」がみんなの心にしっかり刻まれてしまったように思います。
でもね。ごはん大事です。
疲れている時はなおさら、効率よくエネルギーになってさっさと消費されるのですから、まずはごはん食べましょう。

ごはんを食べるためのレシピということで、1冊目は有賀さんの『なんにも考えたくない日はスープかけごはんで、いいんじゃない?』(ライツ社)。

ごはんだけは、日曜日にでもたっぷり炊いて、1食分をラップに包んで冷凍しておけばいいのだものね。なんならパックご飯でもいい。野菜と卵、野菜とベーコンやハム、鶏ひき肉など、火にかけたらすぐ食べられるような食材と塩、しょうゆ、ナンプラーなどの塩分と、香りの油などの組み合わせで楽しめるんだよ、コンビニ食材でもいけるよ、と有賀さんは説きます。
スープかけごはんはスープジャーに入れればお弁当にも、テレワーク中の昼ごはんにもなります。安心です。

自炊にちょっと余裕が出てきたならば、同じ食材・調味料を使って、フライパンで炒めてチャーハンにしてみて。一気に上がるメニューになるから。
しらいのりこさんと夫のシライジュンイチさんの夫婦ユニット・ごはん同盟による『パラパラじゃなくていい!最高のチャーハン50』(家の光協会)がいいと思うの。

チャーハンになるといきなりがっつりイメージですが、1人分だったら油は小さじ2〜大さじ1程度。ごはんはパラパラじゃなくていい!というしらいのりこさんを信じて作ってみて。満足感が違うから。
チャーハンにスープがついたら立派な献立完成。
ちなみにこの本には、「糖質オフチャーハン」の章もあるんです。どうしても、という時にも頼れるんだからすごいでしょ。

電子レンジをもうひとつの火元として

ごはんばかりで飽きちゃう…って思ったあなたはもう、自炊生活が板についてきましたね。
では、タスカジ・ろこさんの『詰めて、冷凍して、チンするだけ!3STEP冷凍コンテナごはん』(徳間書店)にトライしてみましょうか。

2021年1月に本書が出てあっという間に人気料理家になったろこさん、冷凍コンテナごはんシリーズは、2022年2月の最新刊『調理時間0分 朝チンするだけ 時短料理研究家ろこさんの冷凍コンテナ弁当』(マガジンハウス)で4冊目。累計13万部といいますから、それだけろこさんのコンテナ技を支持する人がいるということ。実際、本当によく考えられたレシピだなと思います。
「満足度たっぷりレシピ」ではパスタやうどんの他に手羽元の煮込みやふっくらハンバーグなど主菜が、「パスタ」の章ではさらに10レシピ。他に「肉おかず」や「ワンプレートごはん」など、一人暮らしにもぴったりなレシピが76もあります。一人暮らしの狭いキッチンでは、電子レンジは貴重な加熱調理器具。レンジで主菜を作っている間にサラダやスープを用意できるのは嬉しいですよね。

一人分の小鍋レシピがあれば

一人暮らしの強い味方といえば、鍋もあります。まずは『SHIORIのむげん小鍋』(講談社)を推しますね。

春になったとはいえ、夜はびっくりするぐらい冷え込んで体調を崩すことにも。疲れている時は、まずはお腹にあったかいものを入れて、からだの芯からほぐしましょう。一人用の小鍋に材料をポンポン入れればOK。包丁を使わないものや、はさみで切っちゃえばいいレシピも多いので、ほんと気軽に10分で、とSHIORIさんも勧めています。
小鍋を作って、コンビニスイーツをデザートにしたら、すごいごちそうよね。
「大胆アイデア鍋」では、「ぺらぺらワンタン鍋」とか「はんぺんと鶏のすまし鍋」「巻かないロールキャベツ鍋」など、確かに包まなくても巻かなくてもおいしさは変わらない!
「旅する鍋で世界旅行」の鍋を作れば世界中を旅した気分になるのはオツなもの。「癒やしのほっといたわり鍋」というまさに!な章もありますから、手元にあったら安心できそう。
嬉しいことに今ならkindleunlimited入りしてますよ。

ベテラン料理家からの力強い応援も

もし、フライパンと鍋の両方を持っているならば、市瀬悦子さんの『目で見てわかる!「材料入れて煮るだけ」レシピ』(主婦と生活社)がおすすめ。

もともと市瀬さんのレシピは作りやすくておいしいことに定評がありますが、本書は本当に見たまんま準備すればいいので、調理に慣れていない人でも安心です。肉と野菜がたっぷり摂れるようになってますし。
食材分量が2人分なのが一人暮らしには少し多いかもですが、ごはんに合うおかずばかりなので、お弁当用にのっけごはんにしちゃえばOK。
「さっと蒸し煮」「しっかり煮込み」「麺とご飯」「具だくさんスープ」という4つの章に副菜やおつまみ、おやつもありますから、かなりのレシピがカバーされることになりますね。

魚を手軽にもっとと刺身を使ったレシピ

ただね、肉と野菜のレシピは多いのだけれど、たまには魚も食べたい…という時もありますね。
そういう時は、栗原友さんの『刺し身パックでさかなつまみ』(プレジデント社)がおすすめ。

もともと刺身として売られているんですから、生で食べてもいいところを一手間プラスや、加熱して新しい味に仕上げちゃうという提案には、「なるほど」がいっぱい。週末の宅飲みのおつまみにも、普段の夜ごはんにも、

思いっきり適当につくってください。 (本書より)

という栗原さんのメッセージまんまの気分で。
ただ、時々野菜のせん切りやみじん切りが出てくるので、包丁が苦手な人にはちょっと大変と感じてしまうかもしれません。でもそんな時はスライサーやチョッパーを使っちゃえばいいですね。

チョッパーはダイソーにも3分の1の価格で買えるものがありますが、ストレスなく使えるのはこちらかな。

野菜の大量レシピならこれ

一人暮らしで困るといえば、野菜の消費ですよね。
旬の野菜や栄養価も高い上に価格も手頃なので、ぜひ積極的に摂り入れたいところですが、何しろ消費が…ってなります。
そんな時こそこちらの本。阪下千恵さんの『野菜たっぷり大量消費レシピ304』(新星出版社)。

この値段で304レシピって、と驚きませんか。いやもう、この1冊があれば、しばらく野菜の料理には困りませんよ。キャベツや白菜、大根といった大物野菜を使いまくる、消費できちゃう。玉ねぎやにんじんといったおなじみ野菜はもちろん、まるごと買うには躊躇するレタス(ついカット野菜に手が伸びちゃいがち)や、もやしのような節約の代表選手についても15レシピが掲載されています。
野菜ごとの保存用法はもちろん、調理時間や冷蔵日数の目安が添えられているのも初心者には嬉しい配慮です。作れそうなレシピからどんどん試していったら、自然に料理上手になれそうですよ。

お母さん世代の救世主レシピ

最後に紹介したいのは、故小林カツ代さんの料理本。

『「うまい!」は時代を超える』というキャッチコピーの通り、カツ代さんのレシピに助けられたのは、今の20代のお母さん世代。
急激に共働き世代が増えた90年代後半は、今よりずっと家事の担い手は女性中心で、仕事も家事も育児にも、と健闘していたのです。
そんな女性たちを助けるべく「手早く、おいしく、経済的」をモットーに、カツ代ロジックを駆使しておいしいレシピを作り出していました。だからきっときっとカツ代さんのレシピで作ってみたら、「実家の味だ!」と気づく人も多いのではないかな。
カツ代さんの代名詞のようになった「10分にくじゃが」をはじめとして、から揚げやぶり大根、ハンバーグ、青椒肉絲、焼き豚、チキンマカロニグラタン、が―っと筑前煮、えびマヨチリ、カツ代のポテサラなど、おかずベスト10だけでも、作れるようになったらきっと嬉しい。
どのレシピにも、なぜそうするのか、どうなるのかといった解説「カツ代ロジック」が添えられているので、すっと頭に入るんです。これが料理上手への最高の手引になるのは間違いない。
お母さん世代が頼りにしたカツ代レシピ、あなたも学んでみませんか。

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…以上、8冊をセレクトしてみました。
無理のないところからぜひ。

ちなみに料理本マニアな私からもう1点付け加えるならば、ここに挙げた本はみんな編集者の目で見てもおもしろいものばかり。つい買っちゃった本なんですよね。レシピ以外でどこにそんなに注目したのかは、いずれそのうち語りましょうかね。










ありがとうございます。新しい本の購入に使わせていただきます。夢の本屋さんに向けてGO! GO!