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【インタビュー】接客・事務からの挑戦。未経験から在宅ワークをかなえた道のり

コロナ禍で一気に広がった在宅勤務。家での仕事を経験して、「家のほうが仕事が捗るな」「通勤時間をなくして他のことに時間を使いたい」と気づいた方も多いのではないでしょうか。

今回お話を聞いた こばやしみおさん もその一人。外出自粛が緩和されても、家で仕事ができる方法はないだろうか、とコロナ禍真っ只中の2020年3月に動き出し、数か月後にフルリモートワークを実現したみおさん。実現までの道のりと大切にしていることを聞きました。

こばやしみおさん

<経歴>
ジュエリーの専門学校を卒業後、百貨店での販売員や企業館ショールームのアテンド、派遣で一般事務を経験。

女性向けキャリアスクール「SHElikes」でWEBデザインコース修了後、WEBデザイン未経験からWEB制作会社に勤務。SHElikesでWEBデザインTA(ティーチングアシスタント)として活躍


コロナ禍を機に見直した自分らしい働き方

――SHElikesに入会し、WEBデザインを学びはじめたのはいつ頃ですか?

2020年3月頃から本腰を入れ始めました。新型コロナウイルスの感染拡大の第一波の頃だったと思います。

そのころ私は一般事務をしていました。それまではずっと接客業だったんですけど、デスクワークのほうがもしかして向いているのかな、と思って。営業アシスタントとか法務とか。

仕事自体は普通にできたんです。タスクを定時内に終わらせる、というのが比較的好きで。会社のものすごく重要な書類に捺印している自分に楽しみを見出していました。

――事務のお仕事を楽しまれているなか、SHElikesに入会したきっかけはどんなことだったんですか。

どうにか家から出ずに生活できないものかなと思っていたんです。もともと出不精ではあったんですけど、どんどん家から出たくなくなってきていて。新型コロナウイルスが蔓延して、世間で在宅勤務も一気に広がったので、いい機会かなと思ったんです。

すぐに家で働くためにはどうしたらいいかな、と思っていたところ、WEBデザインだったらチャンスあるかもと感じたんですよね。

――もともとデザインが好きだったんですか?

高校で金属加工について学び、その後ジュエリーの専門学校にも通いました。デザインは、人よりは好きだったかな。

高校生の段階で手先が不器用なことはよくわかっていたんです。発想はいいと言われるし、プレゼンも高評価をもらえるんだけど、頭の中のイメージ通りに作品をつくることができないでいました。作家向きじゃなかったなと。

でもWEBデザインなら、形も色も数値で入力できるし、やり方さえ学べば絶対に作りたい図形が作れる。不器用な私が手で作業するより、確実に再現できるところに可能性があると感じましたね。

「過去の自分」を救うような講師に

――現在みおさんはTA(ティーチングアシスタント)となって、もくもく会(※)で受講生から質問を受けています。TAになって心掛けていることはどんなことですか?

受講生の皆さんには、遠慮せずどんどん質問してほしいなって思うので、楽しい雰囲気のもくもく会になるよう心掛けているんですよね。「どんな質問でもウエルカムだよ」っていうスタンスを貫きたいと思っています。

※ もくもく会…女性専用のキャリアスクール「SHElikes」のWEBデザインコースでは、受講生がプロのWEBデザイナーの方に質問しほうだいの時間「もくもく会」という時間が設定されている。様々な経歴のWEBデザイナーがTA(ティーチングアシスタント)として受講生の質問に答えたり、作品についてフィードバックを行ったりする。

――みおさんのもくもく会は明るい雰囲気で、受講生のあいだでも評判です。

「過去の自分みたいな受講生に、質問しやすい環境を提供したい」という思いも結構ありますね。

受講生のとき、もくもく会に一度しか参加しなかったんです。その1回も、卒業制作がほぼできあがったところをちょっと見てもらっただけ。

実は私は、他人からどう見られるかとても気にするタイプ。この質問の仕方で合ってるのかなとか、こんなタイミングで質問していいのかなとか、こんな質問くらいなら調べろって思われないかなとか考えてしまって。自分で調べて作り上げていました。

現在TAとして担当しているのが「はじめてのもくもく会」といって、「はじめて参加します」とか「今回勇気出して参加しました」という方も多い回なんです。

そういう大切な回を担当させてもらっているからこそ、参加するだけでもメリットがあったと思ってもらいたい。それを自分のなかの目標にしています。

 

これまでの経験が、すべてつながっている

――みおさんのお心遣いは受講生にも伝わっていると思います。あの雰囲気づくりはどこで学ばれたんですか。

接客や販売の経験が活きているかもしれないですね。専門学校時代もジュエリーのお店で働いていたし、新卒でジュエリーの販売をして、企業ショールームのアテンドもしていました。相手の顔を見て話し続けることが必要な環境に結構長くいたんですよね。

ショールームでのご案内は60分とか90分くらいしゃべりっぱなしです。それから、ジュエリーの販売をしているときは、結婚指輪や婚約指輪を選ぶお客様とは2、3時間ずっとテンションをキープしながらお話しすることになるわけです。

そういう時間を繰り返しているうちに、ずっとテンションを保ってしゃべり続けられるようになったのかもしれないです。

――あのトーク力は、接客のご経験からくるものなのですね。

当時はあまりポジティブな気持ちでは働いてなかったんです。でも今振り返ると、仕事の時間のうち、接客やアテンドをしている間は楽しかったんですよね。その経験をいまのSHElikesのTAのお仕事で活かせていると思います。

 学んだこと全部を活かそうとしなくていい。

――「WEBデザインを学んだら必ずWEBデザインを仕事にしなきゃ!」とつい思ってしまいそうなのですが、みおさんはそこにとどまらないのですね。

わたしはジュエリーの専門学校に行っていたけれど、今はジュエリーに関わっていないし、WEBデザインを学んだけれど、半分は事務で、がっつりWEBデザイナーをしているわけでもない。でも、それもいいんじゃない?とも思ってます。

ジュエリーもWEBデザインも学んでみて「好きなものがまた増えたな」くらいの気持ちなんです。絶対WEBデザインで成功しなきゃ、という気持ちはあまりなくて。好きなものを学べてよかったな、いつか何かに活かせるといいな、くらいの気持ちでいます。

飽き性なのが自分でもわかっているので、常に興味をもつものに幅をもたせておこうという意識があるのかもしれないです。デザインしかなくてデザインに飽きてしまったら何も残らなくなってしまうので、常に新しいものを探していますね。

――学びながら「絶対にWEBデザイナーになって稼がなければ……!」と力が入りすぎている人もいると思いますが。

わかります。でも、そんなこともないですよね。WEBデザイナーそのものにならなくても、何かのタイミングでホームページ更新してくれって言われてささっと操作できたり、PowerPointで資料を作るときにデザインで学んだことが活きたりします。

どこかで役に立つだろうな、くらいの気持ちで学んでもいいんじゃないかなと私は思います。

何かしら役に立ちますよ。私も、全然関係のない仕事で学んだことがいまに活きているわけなので。

最大のテーマは、ずっとご機嫌に過ごすこと。

みおさんの愛猫

ーー実際に家から出ずにお仕事ができるようになってみていかがですか。

私は出社よりリモートワークの方があっていたようで、仕事の作業効率が上がったと感じています。通勤時間のストレスがないですし、家のことや飼い猫のお世話もしながら仕事ができて幸せです。

言葉にすると叶うと聞いていたので「家から出たくないよー」って口にしてたんです。そしたら叶った(笑)。

――みおさんの今後の展望についてお聞かせください。

今、これまでの希望が叶ってきているんです。家で働けているし、プライベートでも結婚したし、家を買ったし、猫も飼ったし。人生における大きな目標は、いったん叶ってフラットな状態になった。

だからここからは、30歳までに何をしたいか探す2年間にしようかなと思っています。

――30歳になる年にどうなっているか楽しみですね。

30歳になったら、今度は「40歳に向けてご機嫌でいるにはどうしようかな」って考えている気はしますね。ずっとご機嫌でいられるように頑張るぞ、というのがわたしの人生の大きなテーマかな。

そのために、今より好きなものを増やせているといいな、くらいの気持ちでいるんです。WEBデザインを始めたのも去年、まったく想定していなかったことでした。そうやって思いもよらないところから好きになれることが降ってくるかもしれないなって。

自分が楽しく年を重ねるために、ご機嫌に過ごしたい。目の前の興味のあるものは全部やってみようと思っています。 

ーー同じように「在宅でご機嫌にお仕事がしたい」と思っている方へメッセージをお願いします。

SHEに出会って、SHEで勉強して、さらにSHEでTAのお仕事をリモートでさせていただいている。動き始めて良かったのかなと思っていますね。

まずは副業からでもいいので、おうちで働けそうなスキルを身につけるのがいいと思います。私がTAをしているSHElikesでは、WEBデザインのほか、ライティングやWEBマーケティングなど、おうちで働くことを実現しやすい分野の講座が揃っています。

最初は「家から出たくない」という理由でSHEに来てもらうのもOK。とにかく少しでも気になったら1日も早く始めてみるのがいいと思いますね。


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みおさん、ご協力ありがとうございました!
この記事は、SHElikesライターコースの卒業制作として2021年12月に取材、執筆しました。


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