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読まずにマジメな読書会『AIに負けない子どもを育てる』

「読まずにマジメな読書会」を行いました! スライド投影がうまくいかず大変ご迷惑をおかけしました。こんなことがあるなんて‥‥。7名での開催でした。話しやすい人数だったかと思います。

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私はインプットとアウトプットが同時にできる会が好き。
仲の良い友だちばかり‥‥という環境ではなく、知らない人、年齢・立場の違う人の話を聞く。その中で、自分の考えをまとめてわかりやすく伝える(そしてその発言についてフィードバックを得る)。
 ‥‥って、私を含め特に女性にとってはなかなか身につきにくい力だったりします。そういう経験を積む場があることがとても大切。

テーマ本は『AIに負けない子どもを育てる』 新井紀子(2019)

出版社としては、子育て中の親の劣情を煽りたい意味もあって「たち」を付けなかったのかもしれませんが、パブリックマインドにあふれた本です。子育て中の人に限らず、社会の問題意識として共有できる話としてサマリしました。

著者は国立情報学研究所で「東ロボくん」という人工知能AIプロジェクトを率いたリーダー。

にもかかわらず、彼女(国のAIプロジェクトのリーダーときいて男性をイメージしませんでしたか?笑)が提唱するのは一種「アナログ」な教育。

それを読んで思い出したのは、現代の知の巨人ことAPU立命館アジア太平洋大学の学長出口治明さんがいつも言う

「時代がすごいスピードで変化する時代なので、人はついつい、今すぐ役に立つことを学ばなければと思ってしまう。が、時代の変化が速いからこそ、【すぐに役立つ学問は、すぐに役立たなくなる】 。最新技術だって、数年たてば陳腐化してしまうでしょう?」

ということでした。

私は親や親族に大学進学者が一人もいない状態で、塾なども利用せず進学しました。なので、学校、特に公教育には、批判意識もあるけど「学校は要らない」とは思えない。
特にコロナの一斉休校以来、「自分で良いサービスを選んで勉強させます、そのほうが質も高いし」という家庭も増えていて、結局保護者次第で格差がひらく趨勢が強まっていることに不安を覚えます。

学校に行きたくない子は行かなくていいのです、それははっきりしている。でも反対に、学校しか頼れない子もいるのです。それはほとんどの場合家庭を頼れないということです。子どもは自分の力で行政やNPOにつながれません。

中くらいの階層の人たちが学校に期待しなくなり関心を失えば、学校はますます硬直化します。
本書には、それが個人レベルの問題でなく、経済に社会にどのような影響を及ぼすかも書いてあります。

また、学校に行かない子と親にとっても指針になる本だということも強調したい! 必ずしも紙幅を割かれていないので、さらさらーっと流し読みしたら読み取るのは難しいかもしれないため、私のように読み込んだ人がシェアするのが効率的だと思います。

シェア会は楽しい! せっかくスライドも作ったので、この本をテーマにした読書会もまたやりたいな。呼んでくださ~い!


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