結果その3 ~ オンライン授業などについて: 小学校の「新しい生活様式」保護者アンケート@福岡県
⭐オンライン授業について、福岡市の経緯ざっくり
6月後半、小学校を通じて福岡市教育委員会からの「授業のライブ配信を始めます」というプリントが配られました。そのプリントでは、「コロナの感染予防を理由として欠席する児童のみが対象」としか思えない書き方になっていたんですよね。
どんな理由で欠席していようと、どんな子であろうと、子どもには「教育を受ける権利」があり、大人(自治体)には「子どもに教育を受けさせる義務」があるはず。この通達で傷ついたり、「排除された」と感じた親子は多かったと思います。
その後、そのような声に応える形で、
「不登校など新型コロナ以外の理由による欠席者も同日から利用対象に加える」と教育委員会が発表したのが7月1日。
アンケートの募集期間中の方針転換だったので、この回答は参考までにごらんください。回答した後で、「あ、不登校の子もOKになったんだ」と知った方もいたと思うので。
また、「ネットや新聞では見たけど、実際にうちの学校でも可能なのかどうかは知らないから‥‥」と「わからない」と回答した方もいました。
⭐アンケートの結果と所感
学校が再開してほとんどの児童が通学するようになると、保護者のオンライン授業への関心は、ひとまずスーッと下降した気もします。
でも、新型コロナは潜伏期間も治癒するまでもインフルエンザよりずいぶん長いので、欠席したり、学校が休校になったりして学習が遅れることは、今後も、誰にでも可能性のあることですよね。
オンライン授業については、
●デバイス(インフラ)のハードル
●接続・設定などテクニカルなサポーターが必要
●パソコンの前でどうやって意欲を維持するか?
という、3つのハードルがあるそうです(by カタリバの今村久美さん)。トライ&エラーに時間がかかることだからこそ、歩みを止めず進めてほしいです。
自治体によって大きな差があるのも問題です。熊本市では、休校期間中の4月から既にオンライン授業が始まり(3年生以上)、学校再開後の授業配信も、当初から不登校の児童も対象になっていたとのこと。
自分の自治体はどうなのか、関心を持ちたいですね。
◆
そして、コロナと関係なく、「学校に行けない」「学習の遅れが心配」「ふつうの学校に行っていないことで、社会から疎外されているような気がする」という親子がいること。ずっと前からいたこと。
いつも感じていたいとあらためて思います。
今回のアンケートでも「子どもが行き渋りで困っている」「不登校中です」という回答も少なくありませんでした。その声を知ると、ひとごとだとは思えない。
この件については、南区の市議、成瀬えみさんも随時情報発信していますのでご参照ください。
●不登校は対象外?授業ライブ配信、自治体で割れる対応…背景は
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/620751/
●授業ライブ配信、不登校の子にも 福岡市が「不平等」批判受け転換
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/622208/
⭐平和学習がカットされた?
質問:「6/19は福岡大空襲、6/23は沖縄慰霊の日でした。その前後、お子さんの学校では平和学習はありましたか?」
ここへきて、いきなりコロナと関係ない質問。「へ?」と思った方もいるかもしれません。
息子(4年)の時間割を見ていると、福岡大空襲の日に合わせた平和学習がなかったんです。毎年やるのに。
長い休校で学習が遅れた影響がこんなところにも‥‥!
どこの学校も、こうなの? 知りたくて、質問に入れました。
結果、半数の回答が「平和学習はあった」と。
自治体による偏りも特に見られません。学校ごとの判断でしょうか。
そっか、うちの学校は少数派なのね‥‥と思っていましたら、
6年生のお母さんが 「授業はなかったけれど、職員室の前に掲示されている(福岡大空襲の)写真をクラス全員で見に行ったそうです」 と教えてくれました。6年生全体の取り組みなのか、このクラスだけだったのかは不明です。
先生たちも一生懸命やってくれているんだなぁと思います。
苦しい選択をせざるを得ない場面もたくさんあるんでしょうね。
◆
「密」を避けるため、全国的に戦没者追悼式が中止になっている今年。
75年前どころか、9年前の震災の追悼式すら中止になりました。
今の状況では仕方がないことではあります。
でも、だからこそ、メディアには報道してほしい。
年月の風化に負けないため
子どもたちに教えたり、考えてもらうことも本当に大事だと思います。
いろんなところで、その機会が作れるといいなと思っています。
●1945年(昭和20年)6月19日、福岡大空襲
(4年前に書いた記事です)
🔔アンケートの自由記述欄より、関連するご回答
・オンラインで授業が受けれることになるときいて、子供がきついときにはおやすみして家でオンライン授業うけようと思っていたのに、感染症予防で休む場合に限るとのことでがっかりしています。なぜ?なぜ?
・未だにオンライン授業がなされてないことに驚く。第二波前に早くオンライン授業にしてほしい。
・本人の恐怖心からの強い熱望によりオンライン学習中。しかし、毎日35分の1コマだけ。教諭はタブレットを持ってきているだけ。ならば体育以外等の主要教科はそのままタブレット繋げれば良いではないかと思う。
・福岡市教育委員会の、オンライン授業はコロナ理由のみという姿勢にはとても憤りを覚えた。
今まで不登校や病気などで登校することができなかった子どもたちへ、教育の機会をしっかりと与えてこなかった問題を棚に上げて、さらにこのやり方はあまりにも酷すぎる。教育の本質をしっかりと見直して欲しい。
中学校の内申書の出席日数案件なども考え直すべき。
・福岡市では、毎年6/23沖縄慰霊の日前後の給食で沖縄のメニューを食べる機会が得られる。私は関東の生まれ育ちなので、とても素晴らしい取り組みだと感動していました。
しかし、娘に聞く限り、そのメニューの意味や歴史的な話を学ぶことは特にないそうですね。一言でもいいので、放送か、先生からの説明があれば、食育も平和教育も両方ができるのに。せっかく意味のある特別なメニューなのに、わからずに食べているのはもったいないことですね。
(📝この方は、別件で学校とコンタクトした際、実際にこう伝えたそうです!)
・平和学習や道徳の授業はやめてほしい。東京は無いですよ。福岡は特殊すぎます。
(📝一方でこんなご意見も。道徳の授業は全国どこでもやっているはずなので(なんせ政権が力を入れている部分です)、「人権教育」いわゆる「同和教育」を指しているのでしょうか? いずれにしても、お話詳しく聞きたいと思いました)
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