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『麒麟がくる』きてないけど、きた! 初回

センター日本史Bのおうち受験、今年は74点だったイノウエですこんばんは。『麒麟がくる』初回おめでとうございます(万感)。大河ドラマの初回って本当に独特な趣があるもので、「さあ、また一年間という長丁場にコミットするぞ」と奮い立つような、なかなか良い初回でした。

◆初回の印象◆

・全体のセリフ量が意外に少ない
・にもかかわらずキャラ立ちと世界観の説明がスムーズ
・国から出て堺、京とまわって75分で帰国! スピーディ! 

総じて、軽いタッチの中に手際の良さが光る、ベテランらしい脚本。『光秀、西へ』という簡素な週タイトルもいい。

珊瑚の珠の数をざっくり掴ませて「武将力」をテストするモックン斎藤道三の初登場シーンがドンピシャ好みで…! 
ほんとにざっくり答えて外す義龍(伊藤英明)と、数珠のひと巻の数を根拠にうまく答える十兵衛(ハセヒロ)。

「あてた褒美だ」と珊瑚を5,6粒投げてよこす道三。けげんな表情で拾わない十兵衛。
すると道三、損得勘定の話をしながら1粒ずつ自分で拾って元の三方に戻した! 初登場の短時間で人物造形を巧みに見せる。
 
迫力たっぷりの道三だが、土岐源氏の誇り高い秀才・十兵衛にとって商人のような思考回路は度し難いことを「子ども時代、たった2年で諳んじた」四書五経を引いて表現する。

「好きにはなれないが、好き嫌いで主君に仕えるわけではない」

と割り切ってるくらいには大人びた十兵衛くん。しかしそのとき既に呂律が怪しいほど酔いがまわってたり、枕元にプレゼントされてた(松永久秀=吉田鋼太郎=サンタ?笑)鉄砲を見ると文字通り飛び上がって喜ぶくらいには若くて快活! は~、痺れる筆運び。

・光秀 「大切なのはただひとつ、誇り」
・道三 「嫁に出した娘に頼るほど落ちぶれてはおらん」

あたりのセリフは、今後に向けての見逃せない種まきだし、
 炎に包まれた家屋から出てくるラストは、“ 本能寺 ” を念頭においたものですよね。

「戦乱の世が終わるときにあらわれる霊獣・麒麟」
「炎から救い出す大きな手」
「主殺しの明智光秀」 

これらをどのように結びつけた本能寺になるのか、1年間楽しみに見たいと思います!!

◆エミの戦国メモ、ざっくり◆

・この時期の戦国武士たちは、天下統一を夢見たりしてないのはもちろん、領土拡大欲ゆえに戦ってるわけじゃありません。
基本はドラマ冒頭のように「食うための略奪」。略奪された側が大きな勢力(斎藤とか織田とか)に泣きつくと、泣きつかれた側はメンツを保つために出兵する…という感じで大きな戦いとなっていきます

・室町~戦国半ばごろは寒冷期だったことがわかってきてます。慢性的な飢饉、飢餓状態が略奪→乱世の一因だったのではないかといわれています。

・「略奪」は人身売買や私設関所も含みます。おそろしい世の中ですが一方で女性のひとり旅もアリなのがおもしろいところ。どれも作中でチラチラ描かれてましたね。

・身分的には、上から 守護→守護代→国衆 です。美濃でいうと、土岐氏→斎藤道三→明智などね。尾張でいうと、斯波氏→織田信秀(信長の父)→丹羽、佐久間など。

・いわゆる戦国大名には、守護大名(武田や今川)、守護代大名(斎藤や織田、長曾我部)、国衆からの大名(毛利)などいろんな出自がありますが、結局は実力主義な世の中なのであまり気にしなくていいです

◆センター日本史B◆

今年はちょっとかんたんだったような…? って74点で言うなよって感じだけどw 近現代史のウェートがちょっと少ない気がした。

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あと、問題文がむちゃくちゃ大事なことを言ってますw 
受験生はそれどころじゃないので、大人が目を留めるようにと作ったのでしょう。

「それにしても、なぜ歴史を学ぶ必要があるのかな? 経済的な利益や技術革新には結びつかないから無駄だって言ってる人がいたよ」

「それはとても貧しい発想だね。過去をかえりみることは大切だし、だからこそ過去の記録をまとめた歴史書が昔からたくさん残されているんじゃないかな」

「過去の記録にもとづいた歴史書の中には、特定の目的のために記述されているものがあるから、すべてをうのみにしてはいけないよ」
そのとーり!!!

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