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インタビュー:「秘密会議®」のヒミツ、ちょっと教えます! ~ 松本 拓也さん

知り合ったばかりの松本さんに「何をしているヒトなんですか?」とたずねると、「心理スキルを活用した人生相談とか‥‥集客のお手伝いとか‥‥勉強会とか‥‥夢の実現のサポートとか‥‥」というお答え。
中でも最近、力を入れているのは【秘密会議®】なる交流会だそうで?

聞き手: イノウエ エミ
撮影 : 橘 ちひろ
(2020年10月上旬取材)

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◆ なんだか気になる「秘密会議®」

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―――いわゆる異業種交流会やビジネス仲間作りの会とのことですが、「秘密会議®」っておもしろいネーミングですね。ちょっと怪しげだけど、なんだか気になる。

よく言われます(笑)。うれしいですね。参加してくれる方は、一緒に会を作り上げてくれる秘密の共犯者のような存在だと思っていますので。実際は、怪しいことは何もないですよ(笑)。
おかげさまで、「はじめての交流会参加がココでした」と、声をいただくことが多くなってきました!

―――ほかにどんな特徴がありますか?

比較的少人数で開催していることと、司会者がいて、カジュアルな雰囲気を保ちつつも進行が決まっていることですね。
コミュニケーションが得意でない方も、もちろん得意な方も、安心して参加できるように心がけています。

―――リピーターさんも少なくないとのことですが。

リピーターさん半分、初めての方が半分くらいの割合で開催することが多いです。といっても少人数で開催しているので、リピーターさん同士は「はじめまして」。堅くなりすぎず馴れ合いにもならない、良い感じの雰囲気になりますね。

―――勇気を出して初めて行く人にとっては、大人数より参加しやすく、話しやすそうですね。

ビジネスに活かせる人脈を作りたい‥‥という気持ちはわかりますが、その場で案件を獲得しようとしたり、ガツガツ売り込んだりする人がいたら引いちゃいますよね。もっと長期的に、「人ありき」のつながりを構築するお手伝いができるように進行を工夫しています。

―――それで、リピートしたくなる人が多いんですね。

とはいえ、一度きりの参加でもいいと思うんですよね。もちろん、主催する立場としては永遠に参加してほしいという気持ちは隠しませんけど(笑)。

参加者の話を聞くことで刺激を受けたり、自分の経験を話すことで人を勇気づけることができたと感じたり。アンケートを見ると、「ブレイクスルーのキッカケ」をつかんで帰られているなと思います。オマケで人脈がついてくるという感じですかね(笑)。


◆ 紆余曲折の人生を送ってきました

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―――交流会の運営にしろ相談業務にしろ、学校を出てすぐに就くようなお仕事ではないと思いますが、どんな経緯で始められたのですか?

えーと、どこから話しましょうか‥‥。とりあえず僕、高校に入ったものの、ゴールデンウィークにやめまして。

―――あら。

ピザ作ったり焼き肉屋さんで働いたり、18歳になるとすぐ車の免許を取って、酒屋とかトラックの運転手とか‥‥とにかくいろんなバイトしましたね。
父親の塗装業の手伝いもしたし、家一軒分の電気の配線もできます。

―――おお~ すごい。

20歳で建設業の会社に就職しました。家を建てる時に足場を組むでしょ、その仕事です。いわゆるガテン系ですね。

しばらくすると、その会社の中にコインパーキングの設備を取り扱う事業部が新しくできて。
その事業部の担当になって、大阪にノウハウを学びに行ったんですが、半年くらいして帰ってくると、会社は本業の仕事が多くなっていて新規事業どころじゃないと。
でも僕はどうしてもやりたかったので、その事業部を売ってもらいました。

―――独立創業ということですね。

‥‥というほどカッコいいかどうか。売ってもらったといっても、それまでかかった費用を僕が引き受けるわけですから、要は借金を抱えて始まったんです。それが21歳くらいかな。

―――裸一貫どころか、マイナスからのスタート。

はい(笑)。今思えば、若造が独立できたのは、当時の社長が自分の事業として始めたものを僕に託し、後押ししてくれたから。また、支払いに関する条件(期限や額など)を「お前に任せる」といって信用してくれたおかげです。

その後もいろんなご縁があり、おかげさまで業績が順調に伸びて、年間の売上が一億何千万か、二億に近いところまでいきました。で、まぁ調子に乗ってましたよね(笑)。鼻がこんな(天狗)なってましたもん。

ところが、30くらいのときかな、2009年、急激に仕事が減って‥‥。

―――リーマンショックのころでしょうか。

ですね。不動産が全然動かなくなっちゃって。しばらく待てば回復するんだろうけど、若いから欲があるわけですよ。新サービスを始めてみたり、株を買ってみたり、いろんなことに手を出しては失敗。「お前が悪い」と責任を周りの人に擦り付け、自分は被害者面をし、近づいてくる人がすべて敵に見えてしまう悪いサイクルに嵌まり込んでいました。

◆ たったひとつの問い「Is it true?」

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いろいろ考えた結果、会社を売却する選択をしました。
仕事が減ったといっても、会社にはまだ体力があったので、つまり‥‥

―――売却でまとまったキャッシュを手にした状態ですね。はたから見ると「勝ち組」的な。

そう。自分ではうまくいかなくなってやめたんだけど、大々的にそう言えていたわけじゃないので、まわりからは「いいね~」「欲しいもの何でも買えるね」なんて言われる。そのギャップが重しになっていって、日本を脱出。16か国を2年くらい放浪しましたかね‥‥。

そのころからいろんな勉強を始めました。うまくいかない根底には自分自身の問題があるんだなと。少しずつ向き合い始めて、これまで家が建つくらい投資してきました(笑)。

中でも、ロサンゼルスで受けた集中講座は強烈でしたね。アメリカの大学の心理学の単位にもなるような講座です。たったひとつ、「Is it true?(それは本当ですか?)」という質問を深掘りしていくんです。

―――お、相談業務に近づいてきました。

実際は、まだいろいろあります(笑)。帰国してからFXのプログラムを作ったり。そうこうしながらも、いろんな失敗があり、学びがあり、自己改善の取り組みも続けながら、気づいたら並行して相談業務を請け負っていました。建設業をやっていたころからのつながりで、社長さんを紹介されたりして‥‥。

―――ご自身の経営の経験に、心理学などの学びも合わさって、説得力のある相談業務ができそうですね。

◆ 自分の「才能」、わかりますか?

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―――「秘密会議®」に話を戻して。そこでは、松本さんは何か語ったりするんですか?

いや、あんまり話さないです。

―――司会も、別の方がやっているとか。

そうですね。強みの活かし合いです。
僕は裏方のほうが得意なので裏方をやる。
司会者はコミュニケーションが得意な人がやる。
結果として、会がスムーズに進むから、参加する人が安心して楽しめる。
WIN-WIN-WINになるように考えて作っています。

―――なるほど~! ただ、表面的には、松本さん、全然目立たないですね。

そうですね。「もっとしゃべってくださいよ」って言われたりしますね。

―――何でそんなにしゃべらないんですか?(笑)

話すの、そんなに得意じゃないので(笑)。

―――相談業務と聞いて雄弁な方をイメージしていたので、意外です。

自分の場合、「こんなにたくさん話したのは久しぶりです」「僕ばかりしゃべってしまいました」というようなことはよく言われますね。

―――聞くのが上手なんだ~。

確かに、聞くほうが多いというのはあると思います。

―――私は、誰もが本当は “しゃべりたがり” だと思っているんですが、人の話を聞くのは苦痛じゃないですか?

嫌いな奴の話ならイヤですけど(笑)。これはこの人の魅力だなぁとか、こういう不満があるのかなぁとか、聞きながら無意識にいろいろ考えていますね。
不満や嫌いな人の話を突き詰めていくと、自分の面影が見えてきてビックリすることもありますよ。

―――「松本さんは自分では気づけない自分の長所を教えてくれた」という参加者の声がありましたね。

「オデコにかけてたメガネのこと忘れてた! 良かったー」って感じで、自分らしさを再発見する人が多いです(笑)。
その人が当たり前にやっていることが「才能」なんですよね。

僕も嵌まりましたけど、日本には「弱みを克服する」という不思議な文化がある。あれが一番アカンですね(笑)。
それよりも、自分の才能を強みとして磨き、他者から求められる価値に仕上げていく。これが人生を謳歌する秘訣です。そのお手伝いは楽しいですね~。

◆ まじめです。ほんとです!

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―――経歴や「相談業務」と聞いて、破天荒な方かな~とか、超然とした方かな~とか想像していたのですが、お話を聞いていると、何だかまじめな感じが‥‥。

めちゃくちゃまじめですよ(笑)。ノリと勢いでやり抜くところもありますが、基本的に愚直な人間です。

―――勉強するのは好きですか?

新しい知識が入るのは大好きですね。

―――今も勉強を続けている?

もちろん。今が一番勉強してるかも。死ぬまで勉強すると思います。

―――本を読んだり、勉強する時間を意識的に作っているんですか?

はい。最近は朝ですね。読んだりノートを取ったりしているときにアイデアが出ることも多いです。

―――松本さんには、師匠はいるんですか?

今は子どもたちがいちばんの師匠!
人間の感情のはたらき、性格がどのように作られるのか、子どもを見ているとよくわかります。
5歳の息子が「ぼくはママをよろこばせたいんだ!」と主張したり。びっくりさせられます。

―――ちなみに、奥さんは、松本さんのどんなところを好きになったんでしょう?

妻は行動の人で、たとえば旅行のときなんかも、あまり計画を立てないでその場であれこれやるタイプなんですよ。僕はいろいろ考えたり作戦練ったりするのが好きなので、彼女にはそれがかっこ良く見えたみたい。
もっとも、最近は不満のほうが多いみたいですけど‥‥(笑)

◆ クライアントよりパートナーを

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今は、学んだことを人に教えるというよりは、自分で実践していこうという気持ちがありますね。

―――というと‥‥?

僕が何か一方的に提供するのではなくて、一緒に成果を創造していけるような関係をつくりたいんです。
クライアントよりはパートナー、というのかな。
ある面ではクライアントであっても、基本的にはパートナーでありたい。

―――どうしてそんなふうに思うようになったんでしょう?

稼ぐことを目標にすれば、それはそれでうまくやりようはあるんですよ。20代のころを思い出せば、それは否定できない。
でも、虚しいですよね。稼いだからって、自分に自信がもてるわけじゃない。それも僕自身の経験です。

あるとき「松本さん、どうしてそれをしたいんですか?」と聞かれて、ふと自分の気持ちに目がいって。

動機を見直すって大事ですね。僕の動機ってなんだろう、と考えてみて出てきたのは、「おかげさま」という感覚。そのとき、いろんなことがつながって、腑に落ちた感があったんです。

◆ 「おかげさまエンジン」で強みを活かしあう

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―――ご縁がある人への感謝、ということですか?

もっとちゃんと感謝したいというか。
忙しくて目の前のことにとらわれたり、先へ先へと進みたくなったりして、ついつい感謝がおろそかになってしまうことってないですか?

―――あります、あります。そういう人、多いんじゃないかな~。

ですよね。僕もそうです。そこで「おかげさま」なんですよ。
「おかげさま」は、「ありがとう」よりも言葉に重みがあって、エネルギーをこめられる気がします。ちゃんと伝えて、自分でもひとつひとつに思いを馳せて‥‥。

幸せって、普段は当たり前だと思っていることの中にありますよね。家族や友だち、仕事があることとか。でも、本当はそれらも全部「おかげさま」じゃないですか。

そのイメージを強くもてば、「今度は自分がお役に立とう」「自分には何ができるかな」という気持ちが生まれる。人が一生懸命になれて、いちばん力を発揮できるのは、「誰かのために」という思いがあるときじゃないでしょうか。
それに、感謝を言葉にすると、相手にもエネルギーを伝えられることを実感します。拡散力、すごいですよ。

―――確かに‥‥。

ひとつの不満に中毒して、そこで止まってしまう人が多い気がしていて。
そりゃ人間だからムカつくときはあるけど、振り返って「でも、おかげさまなこともあったよな」と思いを馳せれば、関係を結びなおせるんじゃないかと思う。
あなたの苦手なところを補うのは私、逆に僕が苦手なことはあなたが助けてくれる‥‥みたいな。

「おかげさま」をエンジンにしてお互いの強みを活かしあえるような関係が広がっていけばいいなと思います。

―――なるほど~。 「おかげさま」エンジンはすごくいい循環を生むんですね。

◆ やっぱり「おかげさま」

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―――「強みを活かしあえるパートナーづくり」のために、あらためて松本さんの強みをアピールしてもらえますか?

昔から多いのは、会社や商品の商品名・ロゴマークなどブランディングに関する相談ですね。SNSやweb広告を使った集客のお手伝いもします。どちらもコンセプトがとても大事です。

最近は、クライアントや部下とのかかわり方など人間関係について、また「自信がない」というような悩みを打ち明けられることも増えています。

んー、しかし改めて自分の強みとなると、構造を見抜く力ですかね。俯瞰する力、区別する力でもあります。だから、物事を整理したり、調整したりできるし、環境や役割をつくるのも得意です。

―――構造を見抜くって、日本人の弱い部分のような気がしますが、松本さんは昔から構造に興味があった?

だと思います。いろんなものを分解するのが好きでした。父親のラジコンの部品を鼻の穴に突っ込んで取れなくなって、病院に運ばれたこともあります(笑)。

―――筋金入りですね(笑)。

とにかく「なんで?」「どうして?」という子どもでした。今もそれは同じですね。探求を続けているのも強みかなと思います。

―――楽しいのはどんなときですか?

今、楽しいですよ。お話してて。

―――あらあら、うまいな~(笑)。

本当ですって(笑)。自分を表現しているときは楽しいし、今こうしてイノウエさんに話を聞いてもらっていると、「すごく理解してもらえた!」と感じて心地いい瞬間が多々あります。

逆に、僕が聞く側になって面談する場合も、相手にそんなふうに感じてもらえたときはうれしいですね。わかるんですよね、相手の方が目を見ひらいたり、鼻がちょっとピクッとしたり。

―――誰でも、聞いてもらえるってうれしいですもんね。

そうなんです。聞いてくれる人がいるから、話ができる。やっぱり「おかげさま」なんですよね。


(おわり)

◆編集後記

ほぼ同い年の私。自分が粛々と学校に通っていた時代、すでに人生の荒波に漕ぎ出していた松本さんを想像し、胸が熱くなっていました。紆余曲折を経てたどりついたのが「おかげさま」なんですね。私は周りにきちんと感謝してるかな? と振り返るきっかけになりました(おかげさまです!)。
本編に入りきらなかったのですが、「最後は保険よりも人が助けてくれるんじゃないかなと思う」というお話もとても心に残っています。
(イノウエエミ)

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