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今も語れない言葉があることを、忘れないでほしい。

2021/5/5 映画記録no.33「東日本大震災から10年 
特番 ーあなたのそばで明日が笑うー」

この特番は、3月6日に放送されていたものです。
録画していたのに見る時間がなくて、
今日は何も予定がなかったので、やっと見ることができました。

東日本大震災から10年。
「区切り」の10年、とか言われていますが、
その「区切り」という言葉で丸く包んでしまうほど、
人の気持ちって、そんな簡単に収まるものではありません。

そのことに対して、
優しく寄り添ってくれるような、そんな作品でした。

印象的な言葉とともに、この作品をまとめていきます。


作品について。

主演・綾瀬はるか×池松壮亮、
主題歌・RADWIMPS×音楽・菅野よう子で贈る!
宮城県石巻市を舞台に行方不明の夫を待ち続ける女性が震災を知らない
建築士と出会い、心を通わせていく。ふたりの想い、願い、
それを見守る人々の優しい心に包まれて、前を向き、歩み始める愛の物語。

“後ろを向くことで、前に進んで行っちゃだめなのかな”
震災で行方不明の夫を待ち続けている“夢の時間”。
震災後に出会った男性と積み重ね始めた“現実の時間”。
あれから10年。ふたつの時間を生きる被災地の女性が居場所を求めて
移住して来た建築士と出会い、両者を想うことで、
もう一度、笑顔を取り戻すまでの心温まる物語をお届けします。

あらすじ。

宮城県石巻市の復興住宅で一人息子と暮らす真城蒼(綾瀬はるか)は一見、明るく立ち直ったかのように日々の生活を送っている。
しかし、あの日、津波で行方不明になった夫・高臣(高良健吾)を
待ち続けている。
当時、高臣と義母の浅子(阿川佐和子)が大切に営んでいた本屋兼自宅も
流されてしまい、その土地は災害危険区域に指定されたため、
元の場所へは戻ることができずにいる。
あれからまもなく10年。蒼はコツコツと買い直した本と貯めてきた
開業資金を手に街中の空き家をリノベーションして、
高臣の愛する本屋を再開させることを決める。
その時、義理の妹・遥(土村芳)の紹介で、
人付き合いが苦手な移住者の建築士・葉山瑛希(池松壮亮)と出会う。
当初は正反対の性格と異なる境遇からわかり合えない二人だったが、
行方不明の夫・高臣の本屋を一緒に作るうちに互いにひかれあっていく。
二人はうまくいくかに見えたが、
高臣の存在が大きく、蒼も瑛希も踏み込むことができない…。

コメント。

【綾瀬はるかさんコメント】
東北の皆様をはじめ、一生懸命復興に歩み続けている皆様に、
温かな、穏やかな、そして明日の活力となるようなひとときを、
物語をお届けしたいと思っています。
【池松壮亮さんコメント】
9年前、20歳の時にあの日を迎えました。
それからまもなく10年が経つことに、時の流れの早さを感じています。
今回、俳優として向き合う機会と御縁を頂きました。
当事者と非当事者の絶対に超えられない壁を、
それでも超えられないものか、
超えられなくともどう寄り添い共に生きてゆけるのか、
考え続ける最中でこの作品に巡り合えたような気がします。
心を込めて、あの場所と向き合うと共に、
理解しようとする意志と力を信じて、雲の上ではなく、
人と人の心と心の間にもしかしたら宿るかもしれない神様
を、
綾瀬さんと共に、このチームと共に探してきたいと思います。
そして願わくば、物語の力を信じて、
この世に数多ある無念の魂に寄り添い、共に笑い、共に怒り、
共に涙を流すことが出来るドラマになればなと思います。
【脚本家・三浦直之さんコメント】
ずっと考え続けているけれど、いままで言葉にできなかったことを、
たくさんの人たちの力を借りて
ようやくほんの少し言葉にできた
気がします。
わかる・わからないの二項対立を乗り越えるために
物語はある
のだと信じています。
これからも考え続けていくために書きました。
どうか東北の人をはじめ、たくさんの人に届きますように。
【制作にあたって 北野拓プロデューサーコメント】
“こちらの人は感情を深く潜行させている。
今も語れない言葉があることを忘れないでほしい”

取材の初期段階で心に突き刺さった言葉でした。
それから長い取材期間を経て、
今も前か後ろかどちらに進んでいるのかわからない人の背中を
さするような優しいドラマを届けたい
と思いました。
この想いに賛同してくれた脚本家の三浦さんが繊細なセリフを紡ぎ、
石巻の方々の協力も得て、ひとつの物語が生まれました。
綾瀬はるかさんや池松壮亮さんをはじめとした想いのある俳優陣を迎え、
石巻・東北・世界でかなしみを抱えながらも必死に生きている人の胸に
響くようなドラマを丁寧に作っていきたいと思います。


印象的な言葉。

後ろを向くことで、前に進んだらダメかな。

区切りなんてつけなくて良いんじゃないですかね。
どっちが前で、どっちが後ろなんて、誰にも分からないですよ。
近くにいることが、そばにいることじゃない。
遠くにいても、寄り添うことってできると思う。
離れていても、私のそばにいてくれますか?


優しくて、温かい、人の繋がりを感じる、ドラマでした。

近いか、遠いか。
分かるか、分からないか。
前か、後ろか。

人の気持ちって繊細で複雑だから、
2択で考えて答えを出すには、どうしても難しいことばかりで。

どっちが前で、どっちが後ろかなんて、
自分にとったら凄く大きくて重大なことだとしても、
外から見たら何でもなくて、寧ろそんなの見えてなくて、
だから、きっとどうでもよくて。

でも、「それでも大丈夫」と言ってくれているような、ドラマでした。


今まで言葉にできなかったことを、少しだけ言葉にできたと、
そうコメントを残してくださった脚本家の三浦さん。

私は当時のことを何も知らない、
あえて言葉にできなかったことがあったとしても、
そもそも、その「言葉」を知らない。

だから、このドラマでその「言葉」のカケラを、
少しだけ見られた気がして、とても嬉しくなりました。


おりょう☺︎




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