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純粋な、自己啓発本でした。

2020/8/18 読書記録no.3『出会い系サイトで70人と実際に会って、その人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』花田菜々子

本との、出会いとは。

この本は、会社の先輩が持っていた本で、
すごく気になるタイトルに惹かれて、思わず借りてしまいました。笑

この本を本屋さんで見かけても、
絶対、多分、自分は手に取らないジャンルだったので、
余計読んでみたいと思ったのかもしれません。


内容

夫に別れを告げ家を飛び出し、宿無し生活。どん底人生
まっしぐらの書店員・花田菜々子。仕事もうまくいかず、
疲れた毎日を送る中、願うは「もっと知らない世界を知りたい。広い世界に出て、新しい自分になって、元気になりたい。」
そんな彼女がふと思い立って登録したのが、出会い系サイト「X」。プロフィール欄に個性を出すため、
悩みに悩んで書いた一言が、「今のあなたにぴったりな本を
一冊選んでおすすめさせていただきます」ーーー。

実際に出会った人たちは、エロ目的の男、爽やかに虚言癖の男、笑顔が可愛い映画作家…。時には自作ポエムを拝見し、
可愛い女子に励まされ、優しい女性のコーチングに
号泣しながら、今までの日常では絶対に会わなかった人たちに、毎日毎日「その人にぴったりの」本を紹介。
え、もしかして、仕事よりこっちが楽しい?!
サイトの中ではどんどん大人気になる菜々子。
だが、そこに訪れた転機とは…。これは修行か?冒険か?
「本」を通して笑って泣いた、衝撃の実録私小説!


本を、読み終わって。

最初は、このようなタイトルをつけるくらいだから、
作者の方は相当な変人なのかな、と思っていましたが、
タイトルのインパクトとは裏腹に、
普通の人がシンプルに刺激を受ける、そんな本でした。

直接会って、お話しして、その人に合いそうな本を勧める。
中には、本には興味なくてすぐイヤらしい方へ行こうとする人もいれば、実際にその本を読んでくれる人もいれば、
人によって反応は様々だったけど、
その反応がリアルなものばかりだったので、
イメージしやすく、思わずフッと笑ってしまう箇所もありました。


心に、残ったこと。

数多くある気になった文章の中で、時に心に刺さったモノを紹介します。

P104 悩みのない大人より、悩みながら自分の人生に向き合い、友達と一緒に笑ったり泣いたり、人生を思いっきり
生きられることの方が素敵なのだと思えるようになった。
P111 確固たる信念を持って、人と違う価値観を生きる人を見てると、なぜ元気になれるのだろう。
P119 ここにいる人は、みんな「どこかへ行く途中」の人だ。
みんなが不安定さを礼儀正しく交換し、少しだけ無防備になって寄り添っているみたいな集まり。
P123 すいすいオシャレに生きている人なんて、本当はどこにもいない。それでも彼らは自分でハンドルを握っている分、
私にはカッコよく見えていた。
P161 「会いたい」と言えるだけのちゃんとした理由があれば、そんな特別なことではなく、だいたいの人とは会えるのかもしれない。ならば、誰とでも会えるとしたら、誰とでも仲良くなれるかもしれないとしたら、私が世界で一番会いたい人って誰だろう。
P217 また今日から何かが始まるのだ。これからもどんどん流されて、どこかへ行き続けるのだろうか。ならば、
どこまでも流れていって見てやろう。行ける、一番遠くまで。


自分が、目指す行き先とは。

これは、小説・エッセイっぽい本ですが、
純粋な自己啓発本だと思いました。

主人公は一生懸命、人生を生きていて、
そんな中で数多く出会った人に影響されながらも、
自分の人生をまた生きていこうと日々強くなっていく姿、
その人間らしさにグッとくるものがありました。

読み進めていくと、自分と重なるところも結構あって。
今の悩みに頭を抱えるのではなく、
それは”必要なもの”なんだと素直に思うことができました。

いつもと違うジャンルの本を読むって、案外楽しいです。
タイトルや、表紙の絵だけで判断せず、
誰かがオススメしてくれたものなどを進んで読んで見たら、
新しい発見があるのかもしれませんね。

本の見方が、少しだけ変わった気がします。

そしていつか、作者の花田菜々子さんが店長を務める本屋さんにも行ってみたいと思います。


おりょう☺︎


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