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振り返った時、くだらないコントに見えたなら、それは悪くない人生だと思う。

2021/7/4 ドラマ記録no.48「コントが始まる。8・9・10話」

まもなく7月期の新しいドラマが始まるので、
今日はまとめて、3話分の記録を書いていこうと思います。

「コントが始まる」というドラマ。
この前最終回を迎えましたが、
このドラマは、色んなものを考えさせられた素敵な物語でした。

色んな立場でこの物語は描かれていましたが、
どの立場にも、自分が共感する箇所は沢山散りばめられていて、
長年願い続けていたことを諦めなければいけない瞬間とか、
誰かを思うとか、思いやるとか、
何かを始めるきっかけは、どんな動機でもいいのか、とか。

出演している人たちが同世代だからこそ、
刺さるものが沢山ありました。沢山泣きましたね。

今日は、このドラマについて書いていきます。
このドラマについては最後になるかと。思いが強くなるかもです。笑


8話。「ファミレス」

あらすじ

誰かを支えるということ。それは、自分自身が支えられることでもあって……。わたしたちの頑張りは絶対に誰かにとっての大事な人生の兆しになっている―――。そんな身近な人の大切な関わりに涙する第8話。

人との関わり、それに重点を当てたストーリでしたが、
私が1番グサッと刺さった言葉は、ハルトのお兄さんの言葉。
再就職が決まり、その報告も兼ねて、喫茶店で2人で話しているシーンです。

「人から与えられたきっかけをいかに大切にするかで、
人生は劇的に変わるんだよな。」

このお兄さんは、マルチ商法に引っ掛かり、
有名企業に就職していたのにも関わらず、精神的に病んでしまって、
長い期間、引きこもり生活を続けていました。
しかし、そんな時に連絡をくれた友達がいたそうです。
再就職が決まった会社さんは、このお友達のお父さんが経営している会社。
前職の華やかな会社ではないけど、今すごく楽しい、と。

そんな話をしている中で、発せられた上記の言葉。

身近な人が垂らしてくれた1本の紐を手繰り寄せて、
その紐を手に取ること、それだけで人生は劇的に変わることを体現しているお兄さんの姿は、説得力がありました。

あとこれは9話になりますが、
お兄さんの言葉が2つほどあるので、ここで紹介します。

「周りを満足させる生き方ができたときに初めて、
本当の意味で自分を満足させてあげられる気がする。」
「人生休むのも、あながち悪いことばかりじゃないよ。」


9話。「結婚の挨拶」

あらすじ

人生の勝ち負けとは―――?いよいよマクベスの解散ライブまで残りわずか。夢に敗れた若者たちの最後の瞬間は思いもしない色彩を帯びる……。ここに、初めて垣間見える彼らの本音がある。長い長い1日の中で語られる彼らのその声を聞いた時、我々は体験したことのない「何か」を見ることになる。

第9話。解散ライブの決起会と言われ、真壁先生に電話で呼ばれて、
先生のお家でバーベキューをするんです。
息子の太一とハルトとシュンタが話すシーン、
そして、ハルトとシュンタが2人で火を囲んで話すシーンがあるんですけど、
そこがもう素晴らしすぎて。またもや、ここで泣きました。

息子の太一とハルトとシュンタが話すシーン

太一:夢って追いかけない方がいいの?
ハルト:どうして?
太一:失敗した後、大変そうだなと思って。
ハルト:俺たち、失敗なんてしてないよ。
太一:じゃあ、なんで解散するの?
ハルト:時間切れだよ。サッカーもさ、試合時間ってあるだろ?
太一:でも、ずっと続けてる人だっているよね。
ハルト:まー、そういう人たちは試合にずっと勝ち続けている人たち。
俺たちからしたら、バケモンみたいなもんだよ。
シュンタ:負けたってことが失敗したってことじゃないと思う。
太一:そうなの?
シュンタ:そんなこと言ったらさ、どんなスポーツでも芸術でも、トップにいる人以外は、全員失敗ってことになっちゃうじゃん。
太一:んー、なんか難しいな。負けても失敗じゃないって。

ハルトとシュンタが2人で火を囲んで話すシーン

ハルト:俺たちは負けたのか。負けてないのは、言い訳だよな。
若い子から見たら、どう見ても負けなんだろうな。
シュンタ:俺は勝ってるって思ってるけどね。今日だって、先生に呼んでもらって、美味しいお肉を食べさせてもらって、それは先生が解散ライブの景気付けに俺たちのことを考えて呼んでくれたわけじゃん。そういう人間関係をいくつ築けたかが、人間の勝敗を決めるって思っているから。

何が勝ちで、何が負けなのか、勝敗はどのように決まるのか、
人って、どうしても白黒つけたがる性だと思いますが、
それは違うんじゃないか、って問われた気がしました。


10話。「引っ越し」

あらすじ

彼らの人生と寄り添ってきた人々のこれから。これまで、様々な数奇な運命が絡み合ってきたこの群像劇の最後の最後は、このドラマ「ならでは」の終幕を迎えることに。20代後半。失敗を経験しながらも、もがき、悩み、そして笑いながら生きてきた彼らの生き様。春斗が出す自問自答の答えとは。

いよいよ最終回。
この回も、クライマックスに相応しい、感動するストーリーでした。
解散ライブを終え、3人それぞれ進みだして、
美穂子も新しい会社に再就職が決まり、
つむぎは、1番輝いていた頃と同じように、マネージャーとして働き始めた。

美穂子がファミレスで働く最終日の日、
タイミングよく、その日にファミレスに来たハルトと、
朝方にベンチに座って話すシーンがありました。
美穂子が、マクベスに感謝の思いを直接伝えたいと。
そのマクベス愛が、その熱が相変わらず凄いです。さすが美穂子先輩。笑

その時のハルトの言葉をご紹介します。

ハルト:100人の人に見てもらえたら、そりゃ嬉しいですけど、1人の人が100回見てくれることも同じくらい嬉しいことで。ありがたいことで。1人の人がちゃんと見てくれてると分かっただけで、俺たちみたいな人間は頑張れるんですよ。やってきた努力が無駄じゃないって思えるんですよ。だから、感謝しています。マクベスに気づいてくれてありがとうございます。

凄くわかります。
多くの人に見てもらえることも嬉しい。
でも、たった1人の人がずっと飽きることなく、見続けてくれること、
それも嬉しいことだなって、何よりも嬉しいなって思います。

100人の人に1回見てもらえて、
その中のほとんどの人が一度きり、もう2度と見ないのだとしたら、
私は、ずっとずっと見てもらえた方が嬉しい。

その過程を見守ってくれる人が1人でもいるって分かるだけで、
確かに、努力は報われるし、強くなれる気がします。


最後の締め

最後は、ハルトの言葉で閉められました。
この言葉も最高に良かったので、ここで紹介します。

人生はコントだ、なんて安っぽいことを言うつもりはない。でも、後から振り返った人生がくだらないコントのように見えたとしたら、それは、そんなに悪くない人生だったと思えるんじゃないか。

締めの言葉、最後の最後でグッときました。
ドラマタイトルが「コントが始まる。」なので、
そのコントを肯定すると思いきや、そうじゃなかった。
でも、そういう”くだらないコント”に見えたとしたら、それは悪くない、と。

うわー、そういう意味のタイトルだったのか…って腑に落ちました。


まとめ。

10話を見て、1番印象に残っているのは、3話の梨穂子の涙です。

何かを頑張ろうってする気持ちを抑える日が来るなんて思ってなかったし、頑張らなくてもいい方を選択したこともなかった。こんなはずじゃなかった。」

私も頑張ることが怖い時期があったし、そのこと自体がトラウマにまでにはなっていませんが、その気持ちが少しだけ分かる分、この言葉には泣きました。


人生とは何か、勝ち負けとは何か、諦めるって何か、
頑張る頑張らないって何か、夢って何か、
20代なら、きっと多くの人に刺さるんじゃないかなって思います。

夢を追いながらも、世間体を考えて、足掻いてもがいて、頭を悩ませる若者の姿が、自分と重なることが多すぎて。
このドラマには、ちょっと生きづらい世界で奮闘する若者が、しっかりと、ちゃんと、ゆっくりと、生きていくためのヒントが散りばめられている気がします。

3人が引っ越した後、また新たに若手芸人が入居してきましたが、
「出世部屋なんですか?」と聞かれて、担当者の人が言った言葉も素敵でした。

「売れてはいないけど、愛されていましたよ」と。

今、この歳に、24歳で、
「コントが始まる。」を見ることができて良かったです。

もし見る機会があれば、ぜひ。


おりょう☺︎

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