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コミュニケーションとは、ゲームだ。

2020/12/15 読書記録no.15『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』吉田尚記

この本は、2年前、就活をしている時に買った本です。
何か学べるものがありそう、と思って買ったのですが、
当時は、バタバタと忙しくて読めず、そのまま本棚に置いたままでした。

今回、再び手にとってみて、
読んでみると、予想通り、学べるものがたくさんありましたね。

あの時読んでいた方が良かったかな、、、
なんて、ふと頭を過ぎりましたが、今更思っても、過去には戻れません。
本って、タイミングだと思うんです。
読みたいと思って買っても、3日後には違っていたり、
忙しくてなかなか読めなかったり、
だから、私にとって、この本を読むタイミングは、きっとだったんです。

今日は、この本についてまとめていきます。


本の詳細。

この本は、動画サイトでの生放送で話している内容が、
そのまま本になっています。
リスナーの方の言葉も書かれているし、
その掛け合いが、ラジオを聞いているような感じになります。

いろんな人の意見がたくさん詰まっていて、
多くの人の手によって作られている、そんな本ですね。

「あなたはコミュニケーションが得意ですか?」とたずねられて
「はい」と答えられる人は案外少ないのではないだろうか。
職場や学校で必要最低限の会話をすることはできるが、
他人との何気ない雑談が苦痛で、何を話せばいいのか分からない…
という人もいるかもしれない。
本書は、そんな「コミュ障(コミュニケーション障害)」を
自認する読者のための本である。

著者はニッポン放送の人気アナウンサー。
ラジオ局のアナウンサーと言えば、
コミュニケーションの「プロ」というイメージが強いかもしれない。
だが意外にも、
著者はコミュニケーションが苦手な「コミュ障」だったのだという。
相手の目を見て話すこともできなかった著者は、
試行錯誤を繰り返す中で、
コミュニケーションは「ゲーム」だと考えるようになる。
コミュニケーションにはたくさんの「型」があり、
その型を駆使することで、コミュニケーションはぐっと楽しくなる、と。

著者が20年の経験の中で培った、
そんなコミュニケーションの「技術」が、
本書では惜しみなく語り尽くされている。
もともと、動画サイトの生放送を通じて著者が視聴者に語りかけた文章を
一冊に編みなおしているので、臨場感があり、非常に読みやすい。

「最終的により優れたコミュニケーターになれるのは、
まず人見知りでうまくしゃべることができない人だとぼくは思っています」という著者の言葉を信じ、
コミュニケーションに苦手意識を持っている人こそ、
最後まで読み通してほしい。
よく知らない人と何気ない雑談をする時間が、楽しみになるかもしれない。

要点。

①最終的により優れたコミュニケーターになる可能性を持っているのは、
 生まれつきコミュニケーションが得意な人ではなく、
 コミュニケーションが苦手な人に共感することのできる
 「コミュ障」の人である。
②コミュニケーションは「ゲーム」である。
 練習して技術を身につければ、
 誰でもコミュニケーション能力を向上させることができる。
③人は、相手が自分のことに興味を持って質問し、
 話した内容に対して驚いたり笑ったりしてくれるとき
 「この人と話をすると楽になる」と感じる。


思わず、頷いてしまったところ。

こんな箇所がありました。

訓練しなければできない行為には、「障害」とは言わず、
逆に訓練しなくてもできるとされていることにだけ「障害」の言葉を使う。
では、なぜ「コミュニケーション障害=コミュ障」という言葉があるのか?それは世間が、コミュニケーションは簡単なもので、
普通にできて当然と思っているから。
歩行のように誰にでも簡単にできる、
世間的にはできて当たり前と思われているから。

確かにな…と、思わず頷きました。
コミュニケーションを当たり前にできると、無意識に思い込んでいる。

私は、話すということを仕事にしているためか、
自分自身は「苦手」と思っていても、
周りには、多分「コミュ障」だと思われたことはないと思います。

でも、自分自身は「コミュ障」だと思っているので、
この吉田さんの考え方には、すごく共感できました。

コミュニケーションは、鍛えることで上手になる。
そういう意味だとしたら、きっと、私は、鍛えられたんだと思います。
苦手なことだったけど、
場数を踏んで、いろんな経験をしてきて、人前にも立ったことがあるから、
苦手が、「少し苦手」までに鍛えられたんだろうな、と。


刺さった言葉と、学んだこと。

P11 お金というのは、その先に何かがあって初めて価値が示されるもの。お金は何かに換えないと意味がない。
行き着く先の価値が示されない限り、決して満たされることはない。
全ての前向きな努力、全ての欲というのは、
実のあるコミュニケーションがとりたいってところに行き着く。
結局、コミュニケーションの目的はコミュニケーションである。
〈コミュニケーションのメカニズム〉
①コミュニケーションの場に、
 本当に自分のことを考えてくれている人がいるかどうか
②自分大好き(自己顕示力)ではなく、
 重要なのは相手にとって興味があるかないか
P18 僕が反応したことによって、
コメントを寄せてくれた人が楽しさを感じてくれる。
お互いに持ち寄ったものが、今、ここにある。
共有と共感が連続してある。
そこにまた、言葉が生まれ、コミュニケーションが活性化する。
そこが大事。
P25 情報の伝達より先に、
話をしていて楽になる、心地よくなることの方がずっと重要。
P33 コミュニケーションに悩みを抱えている人というのは、
基本的に人見知りで、
自分がいることで相手に嫌な思いをさせたくないって気持ちが強い。
P35 最終的に、より優れたコミュニケーターになれるのは、
まず人見知りで、うまく喋ることができない人。
コミュ障であることは、
むしろ最高のコミュニケーターになれる可能性を持っている。
P39 コミュニケーションとは、気持ちよく、楽になれる営み。
意志や伝達より先に、エレベーターの気まずさを解消すること。
コミュニケーションは難しい。
そのスキルは練習して、身に付けるもの。失敗していい、
失敗しているうちに時に成功して、
その気持ち良さを積み上げることでしか、
自分の命を助けることはできない。
P59 言葉は自分のものではなく、相手のためにあるもの。
だからこそ、喋るという行為は、まず聞くことが先になる。
P77 理解は、どこまでいっても誤解の一種。
誰かを完璧に理解することなんてできない。
P80 コミュニケーションは、
自分が伝えたいと意識したことが相手に伝わるわけではない。
逆に、伝えたいことなんてなくても、
何かが伝わってしまうことが前提になっている。
P100 くだらない会話が基本にあるからこそ、
人間は逆に難しいことについて、話し合ったり、
コミュニケーションをとって考えたりする。
P151 大切なのは、話題という対象物を置くだけではなく、
そこへ向かって質問が出せるか。
〈インタビューのテクニック〉
①時系列に沿って、相手の空白部分を埋める
②話の中でズームインとズームアウト、どちらかに統一する
P172 視界が動いていることによって、
視界が行き届いている限りにおいて、初めて人間は嘘をつける。
人は口ではなく、目で嘘をつくというのは、そういうこと。
P177 一緒に話をしていて楽になれる大人というのは、
コミュニケーションの作法をしっかりとわきまえた戦略的な子供。
P180 喋るということは、その心像風景言葉でなぞり、
記録を言葉でなぞり、湧き出る感情を言葉でなぞり、
見えたり聞こえたりしたものを言葉でなぞり、といったように、
広い意味で全ては外から自分にもたらされた気持ちのスケッチ。
コミュニケーション欲求というのは、
食欲、性欲、睡眠欲と同じレベルの人間が持つ基本欲求。


結論。

Q、なぜ、この人と話をすると楽になるのか。

A、自分を許した人だから。
  許しがたい自分を見出して解放した人だから。
  自分で自分を許せない、何度も修羅場を経験して、
  いつか自分を許して、解き放した状態になれた人だから。


この言葉の意味を理解するのには、
私はもう少し、時間がかかりそうです。ちょっと、深すぎる。

でも、私も誰かと話す時、
「楽だなあ」と思ってくれるような、
居心地がいい、気持ちが落ち着く、そんな人になりたいと思います。
目指したい。

コミュニケーションの技術を鍛えて、
さらに、もっと、「話すこと」と仲良くなりたい。


おりょう☺︎


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