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BIMからBPOへ。建設業界の人手不足を解消する。

フォトラクション社はこの度、5.7億円の資金を調達しました。

サービス提供から2年半が経過して、会社としては最大の調達金額となります。

資金調達自体は当社からのリリースに詳しく書かれていますのでぜひご覧ください!

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000033069.html

リリースの中でも記載していますが今回調達した資金は、Photoructionの開発やサポート体制の強化に加えて、建設BPOという新しいサービスに使っていきます。

今回はこの建設BPOサービスについて、提供することになった背景や想いを建設業界のみなさま、そして多くの人に知って欲しいということでnoteを書くことにしました。

※BPO:Business Process Outsourcingの略。企業活動における業務プロセスの一部を一括して外部委託すること。

建設BPOって何?

一言で表現するならクラウドとAIで建設業の皆様が行っているデスクワークや雑務を代行するサービスです。

建設業で働いている方であれば、以下のような「作業(あえて作業と表現します)」に、多大な労力が掛かっていて悩まされた経験あるのではないでしょうか。

・図面からの数量拾い
・黒板を使った工事写真の整理
・現場で書いたメモの書類化
・配筋検査野帳の作成
・工程表の進捗確認
etc....

建設BPOはこれらの作業をPhotoructionにデータをアップロードするだけで代わりに実施します。

もう少し具体的に書くと、例えば「図面からの数量拾い」。

これは建物の見積を出す時に行う作業なのですが、例えばその建物で壁紙がどのぐらい必要で、金額としていくら掛かるかを算出する際に、図面に色を塗って壁の面積を計算したりします(図面から数を拾う)。

拾う内容によっては作業ボリュームが多く、対応できない場合は外注したりしています。

建設BPOでは、図面をPhotoructionにアップロードするだけで、この作業を当社のオペレーターが代行して実施します。

つまり、Photoructionにデータをアップロードするだけで、作業が終わるという画期的なサービスとなっています。

通常のBPOと大きく異なるのは、建設特化型のBPOで社内に技術を持った人間を有しているのと、当社独自の建設業特化のAIエンジンを活用している2点です。

建設特化のため最初に、作業の内容などをやりとりするコストも低く(実際に初期費用は0円で提供します!)、さらにAIが蓄積した個社毎のデータを学習して自動化される事で、作業の精度や速度が向上していきます。

サービスの内容が気になる方は、Photoructionのホームページで案内させていただくので以下のページをご覧ください。
(これを書いてる時はまだリリース前なため、詳細知りたい場合はフォームよりお問い合わせください)

なぜ建設IT屋がBPOなのか。

フォトラクション社は「建設の世界を限りなくスマートにする」というミッションを掲げた建設IT企業です。

建設業界では何をやっている会社なのか、わかりやすく〇〇屋さん(ボード屋さんとか防水屋さんとか)と呼ぶ文化がありますが、それにならうと当社は建設IT屋です。

BPOは労働力の提供と言うこともあり、ITサービスを提供する事とは真逆のビジネスとなります。

ではなぜ建設IT屋がBPOを始めるのか。

それは建設BPOこそ、建設業の人手不足を根本的に解決できる可能性があるサービスだからです。

Photoructionを開発した理由

建設BPOに至った経緯を説明すると私の大学時代まで遡ります。(出来るだけ手短に....)

当時、芝浦工業大学の建築学生だった私は、建築そのものには正直あまり興味を持つことができずに、ただただ遊び惚けるだけの学生でした。

そこで出会ったのがBIM(Building Information Modeling)と言う考え方です。

今でこそ、BIMと言うと建設業界では知らない人がいないぐらいのものですが、当時は一部の人しか知らないものでした。

BIMについての詳しい説明はWikipediaさんに任せますが、一言で言うと建物の3次元データベースです。

建物を3次元上で再現して、そこに材料や値段など様々な属性情報を付加する事で建物のデータベースが出来上がります。

構築したデータベースを活用して全自動でコストを算出したり、施工シミュレーションをしたりとまさに、今で言うデジタルツインを実現する代物です。

建設業は生産プロセスがアナログな部分も多く、データを活用した生産性向上が非常に難しい面があったからこそ、建物のデータベースであるBIMの考えに非常に惹かれました。

そこからは大学院でBIMの研究を行い、ゼネコンに入社して新規でBIM関連部署の立ち上げを経験したりとBIMを専門としたキャリアを積んできました(当時としてはBIMが専門というのは非常に珍しく、本当に貴重な経験を色々とさせて頂きました)。


しかし一方で、建物のデータベースを作ると言うのは簡単ではありません。

2009年に業界内ではBIM元年と言われて10年が経ちましたが、データベース構築のコストは非常に高く、なかなか理想が現実に追いついていないのが現状です。

特に工事現場ではBIMは扱いにくい代物であり、業務をする人間がデータ入力する工数と、BIMを活用するメリットが見合わないこともあり、ほとんど浸透していない状況でした。

そこで、まずは目の前の業務を効率化するツールを提供し、工事現場の生産プロセスで活用してもらえば、結果的に建物のデータベースが構築されのではないか。

データベースが構築されれば、あとはデータを活用して爆発的な生産性向上を目指せるのではないか。

その結果、100万人を超える人手不足が予測されてる建設業界において、根本的に課題解決できるソリューションになるのではないか。

そんな発想で開発を始めたのがPhotoructionでした。

BIM(データベース)だけでは限界が見えた

PhotoructionはBIMの「3次元」という部分は大きく否定していますが、目的は建物のデータベース構築です。

工事写真の整理や図面を用いた検査、工程表作成など現場で煩雑になりがちな業務を効率化する機能を提供する事で、使用するほど建物を建てるためのデータが蓄積していく仕組みです。

まだ理想には程遠いものの、Photoructionを提供してから2年半以上が経過し、今では50,000を超える建設プロジェクトで活用されるまでになりました。

しかし、順調にユーザーが増えていく中で、単なるデータベースの構築と活用だけでは人手不足の解消は到底難しいと考えていました。

いくら一人あたりの生産性を上げる事が出来ても限界がありますし、働く人が減っていく中で労働力が増えるぐらいのインパクトを与えるサービスが必要だとずっと考えていました。

そこで、2018年末にはPhotoructionに蓄積したデータを活用した業務の自動化を目指し、独自のAIエンジン「aoz cloud(アオズクラウド)の開発にも着手しました。

多くのPoCを重ねる中で、データがあればAIは建設業界において十分な労働力として機能するという確信が持てました。

しかし一方で、AIを業務フローに落とし込むには問題も数多くある事がわかりました。

特に精度の問題は大きく、90%を超える精度のAIを開発できたとしても、業務では100%のものが求めらます。

そのため、人間のチェックが必要となってくるのですが、既存の業務フローを変えてAIを業務に組み込むのは、データベース構築と同様、余計に工数がかかってしまい難しい点が多々ありました。

さらには、AIが出力した結果をどこまで信じるかという感情的な視点も出てきます。

AIを用いて建設業の仕事を自動化するには、開発の面でも業務フローへの落とし込みの面でも、非常に長い時間が掛かるかつ難易度があまりにも高かったわけです。

データをいくら集めたところで、その先に何もないのではと考えてしまった事もありました(個人的にも今後の方向性にめちゃくちゃ悩んでいた時期)。

自動化へのラストワンマイルをヒトで埋める

そこで思いついたのは自社内であれば容易く、業務フローに落とし込む事ができるのではないかという事です。

つまり、データベースをAIが解析してヒトが判断するという業務フローを自社であればコントロールできるため可能なのではと考えました。

建設特化のAIであるaoz cloud、そこにヒトが加わり結果的に業務の自動化をBPOサービスとして提供する。

こうして生まれたのが建設BPOサービスです。

労働力の提供になるため、使う側から見たら即効性のある生産性向上施策になるのに加えて、データも蓄積して自社のAIが成長していく事で、仕事の精度や速度も早くなっていきます。

データベースとAI、ヒトが全て組み合わさっているからこそ実現できたサービスであり、産業への労働力を提供することを可能にしました。

産業の労働力を最大化させ、人手不足の解消を目指す

建設業は需給の波が大きく、自社で請負きれない業務は外注 (BPO)を活用して成長してきました。

一方で需給の予測が難しく、仕事がなくても外注先を抱え込んだり、抱え込んだ外注先をいざというときは手放す必要があります。

つまり、産業にある労働力を最大化することが極めて難しい状況となっていました。

建設データベースとなるPhotoructionと、本当に必要な時かつ必要な時間分だけ、確実に労働力を提供することが出来る建設BPOの組み合わせは、産業の労働力を最大化し人手不足を根本的に解決するソリューションになると信じています。

今後も、建設産業を盛り上げていくべく、お客様や応援してくださる皆様と共に、より良いサービス開発やサポート体制の構築を進めてまいります。

建設の世界を限りなくスマートにする仲間を募集しています!

フォトラクション社では建設業出身の方を積極採用しています!

もちろん建設BPO含めてサービス開発していくエンジニアもです!

最近では調達したお金を効率よく使っていくため、経営メンバーを大大大募集しています!

つまり、ほぼ全方面で採用していますので、ご興味ある方は以下のページからお問い合わせください!

一緒に建設業のスマート化に挑戦しましょう!

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芝浦工大→竹中工務店→起業 / 建設業向けクラウド「Photoruction」と「建設BPO」をつくってます。大学の博士課程で建設産業とテクノロジーについても研究中。建設DX、建設テックといった文脈でConstruction × Technologyについて色々書いていきます。