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天然痘対策から学ぶコロナ対応

今回のテーマは、「天然痘対策から学ぶコロナ対応」です。

天然痘は、感染症であり、紀元前より、伝染力が非常に強く死に至る疫病として人々から恐れられていました。


また、治癒した場合でも顔面に醜い痕が残るため、江戸時代から忌み嫌われていたと記録にあります。現在は、天然痘自体は、根絶しており、天然痘患者の発生はいません。

感染は飛沫感染によって発生し、およそ12 日間の潜伏期間を経て、急激に発熱するので、潜伏期間といい、コロナと似てますね。
コロナと違うのは、致死率が高く、20%〜50%あったようです。たくさんの方が江戸時代にも亡くなっています。

米沢藩主だった上杉鷹山(ようざんと読みます。鷹山自身も長男を天然痘で亡くしています)によって、寛政5年(1793)に医学校を建て、医学を積極的に学び、医師を養成するなどしました。

その上杉鷹山が天然痘対策から、非常時に指導者に必要な教訓を引き出し、次の9つにまとめています。それが、これです。

教訓1 一番どこが困って悲惨か、洗い出しをやり、救いこぼしのない対策をとる
教訓2 情報提供が大切。具体的にマニュアル化した指示を出す
教訓3 最良の方法手段を取り寄せ、現場の支援にこそ予算をつける
教訓4 専門家の意見を尊重し採用する
教訓5 非常時には常時と違う人物・事業が必要。変化をおそれない
教訓6 情報・予測に基づき計画し、事前に行動する
教訓7 リーダーは前提をチェックし、危うい前提の計画を進めないようにする
教訓8 自分や自分に近い人間の都合を優先しない
教訓9 仁愛を本にして分別し決断する

一つ一つ見ていきましょう。


教訓1 一番どこが困って悲惨か、洗い出しをやり、救いこぼしのない対策をとる


どこが困っているかといえば、どこも困ってますよね、コロナで ^^;
でも、挙げるとすると、帝国データバンクのコロナ関連倒産で言えば、
今困っているのは、倒産している企業数が多い、飲食店、宿泊業、建設業ですね。
政府が飲食店に手厚い保護をしているところをみると、洗い出しはやってそうですね。
コンタクトセンターで言えば、困っているチームがどこかを洗い出し、フォローすることです。

教訓2 情報提供が大切。具体的にマニュアル化した指示を出す


情報提供大切ですね。現代で言えば、情報提供と共有が大切です。今の政府は、結局、現場任せですが、私ならこういう時こそ、感染対策のマニュアルを飲食店用、宿泊業用のように業界別に詳細に作って、指示すると思います。コンタクトセンターも同じです。

トラブル発生時などは、より具体的なマニュアルを作っておくことが大切です。

教訓3 最良の方法手段を取り寄せ、現場の支援にこそ予算をつける


最良の方法手段、これはなかなか難しいですが、私なら、まずはブレーンストーミングでたくさん意見を出してもらい解決策の優先順位を効果と実現可能性の大小で決めていくけば良いと思います。
現場の支援こそ、予算をつけろと言っているので、今で言えば、中小企業や医療現場の支援に予算を付けないといけないということですね。

教訓4 専門家の意見を尊重し採用する


専門家の意見は大事です。しかし、どの専門家を呼ぶことの方がもっと大事です。今回の政府は、当初、感染症の専門家の意見を聞きすぎ緊急事態宣言を出しました。その後、経済対策の専門家の意見を聞きすぎて、GO TO トラベルをなかなかストップしませんでした。そして、感染は拡大しました。聞くバランスを間違えるとこうなります。

センターでいえば、外部のコンサルタントの意見を聞くことを意味します。でも、どのコンサルタントを呼ぶのかがめちゃくちゃ大事です。
先日、ある企業の担当者が、以前に、コンタクトセンターのコンサルをある方にお願いして、その通りにやったら、その後、運営がめちゃくちゃになって大変だったとおっしゃってました。最初から寺下さんにお願いすれば良かったとも言われました。
専門家の意見は大事。でも、誰を呼んでくるかが実はもっと大事です。

教訓5 非常時には常時と違う人物・事業が必要。変化をおそれない


非常時こそ、事業も柔軟に対応していく必要があります。
飲食なら、宴会など大規模な集客は見込めない以上、お一人様専用の座席にして、お一人様専用の料理にする。
単にテイクアウトのメニューを作るというのでは、頭打ちです。
宿泊なら、宿泊メインではなく、リモートワーク の場所提供にするなど、色々考えればできるはずです。変化を恐れては、いけません。人、もの、金、リスクなど考えず、ゼロベースで考えることがとても大切です。
コンタクトセンターで言えば、在宅対応に切替えたりする会社も出てきました。これがいわゆる柔軟な対応です。
あなたのセンターは出来ているだろうか。

教訓6 情報・予測に基づき計画し、事前に行動する


情報・予測に基づき計画し、事前に行動することは大切ですね。現在は、コロナに関しては、googleでも新規感染者数の予測が出ていますので、予測することは可能です。インターネットで情報は収集できるので、その情報を元に行動していく
ことです。まずは、今後どうなるのかをイメージして、先々の行動を考えることです。

教訓7 リーダーは前提をチェックし、危うい前提の計画を進めないようにする

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