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【#46 ワイン体験記】牛久シャトー(茨城県)

7月のワイナリー訪問は茨城県牛久市の牛久シャトーへ。
牛久シャトーは、1903年に神谷傳兵衛によって設立された日本初の本格的なワイン醸造場。フランス・ボルドー技術を用いて、葡萄の栽培からワインの醸造・瓶詰めまでを一貫して行って大規模なワイン施設としての特徴を持つ。
今回は牛久シャトーの訪問記をシェア🖌️


アクセス

牛久シャトーは茨城県牛久市に位置し、JR常磐線「牛久駅」から徒歩で10分ほどのところにあり、交通のアクセスがいいところにある。
真夏の酷暑の中での訪問になったため、なるべく早い時間に行こうと思い、午前10時過ぎに牛久シャトーに着くように向かった。
都心からは1時間半ほどで行くことができるため、朝8時半過ぎに家を出た。
※牛久市を訪れた日が「うしくかっぱ祭り」の開催日で街は祭りの準備を行う人でかなり賑やかだった。

基本情報

牛久シャトーは、神谷傳兵衛(実業家)の存在が重要である。

神谷傳兵衛(引用:牛久シャトーホームページ,https://www.oenon.jp/ushiku-chateau/history/chateaukamiya/)

牛久シャトーの話の前に神谷傳兵衛の紹介を少しだけ。
神谷傳兵衛は現在の愛知県出身で、幼いことから家業として商いを行なっていた。
神谷傳兵衛が横浜で働いていた頃、体調を崩した時に当時の葡萄酒を飲み体調が良くなったことから、ワインの滋養強化に感化され、ワインに興味を持ったのが今回の物語の始まり。
神谷傳兵衛は非常に商いのセンスが良く、一般的なワインは日本人が好んで飲まないだろうとのことでハチミツを混ぜた甘口ワインを作ったり、滋養強壮の飲み物としてワインを売り出したり、商売上手な人だったとのこと。
その他にもいくつかの会社の立ち上げや立て直しなどを担い、実業家としてもすごい人だ。

話は戻るが、牛久シャトーはそんな神谷傳兵衛が日本にワインを広めるために自分たちでぶどうからワインを作ろうとのことで始めた施設であり、歴史はかなり古く1901年まで遡る。
ワイン醸造地として最適な土地がないかを探したときに牛久市の広原と出会い、この地で開業することに決めたとのこと。
1903年に設立し、100年以上の歴史がある醸造施設である。
今では想像できないが、最盛期には牛久市駅の東側には一面のぶどう畑が広がり、ぶどう畑の中に醸造所がドーンと構えているTHE・ワイン生産地のような風景だったとのこと。
そこから戦後の土地開発などで、ぶどう畑が宅地になり、ぶどう畑の趣はないが、醸造場は現存しており、醸造場を楽しむシャトーだ。

ツアー情報

見学ツアーはないが、2020年に日本遺産に認定されたこともあり、ガイドなしで十分に楽しめる施設になっている。(観光庁や文化庁の補助金で整備されたようで観光地化されている)
昔のワイン醸造で使った機械の展示だけではなく、映像などで牛久シャトーを知れるコンテンツもあり、ワイナリーにしてはかなり充実している。
(レトロ感は満載だ!!)
45分~1時間程度で全体を回れるくらいの規模感である。
注意点として、階段の上り下りがあり、高齢者や車椅子の方は回ることが難しいと思う。
入園料などはなく、自由に出入りできる。

展示場の全体の様子
映像を通して牛久シャトーの歴史を知ることができる
ワイン作りに使った機器
地下の貯蔵スペース(ナイトモードで撮ったので明るく見えるが実際は真っ暗だ)

ショップ情報

ショップは観光地のお土産さんのように広く、自社で醸造しているワイン以外にも輸入ワインや茨城県のお土産など幅広く販売している。
レジは現金以外にもクレジットカードが対応している。

ショップの一部
ショップではテイスティング含め様々なドリンクを買うことができる

栽培品種

現在栽培しているものの紹介はなかったので、何を栽培しているかわからなかったが、ショップ情報からは「メルロー・マスカットベーリーA・甲州」の3種は自社畑で栽培している模様。
栽培している品種をご存知の方はコメントで教えて欲しい。

試飲

テイスティングは1回500円で120mlとかなりの量を注いでくれる。
自分が訪れた7月末は「白:デラウェア・甲州、赤:メルロー・マスカットベリーA」の4種類をテイスティングすることができた。
グラスはプラスチックカップで交換制ではない。
スタッフの方が親切に注いでくれて、品種がわかるように付箋も貼ってくれる。
一点注意が必要なことは、店内で試飲ができず、試飲する際は屋外の中庭の席で飲む必要があること。
夏や冬、雨天時などは少し大変かもしれない。

テイスティングできるワイン
試飲したワイン

テイスティングしたワインの簡単な感想は以下の通り。

・甲州(白)

→フルーティーな味わいが印象的で、かなり豊かな印象。試飲した中では一番美味しかった。
・デラウェア(白)
→はちみつのような甘い匂いが印象的だが、味はかなりドライでギャップがあり、面白いワイン。
・メルロー(赤)
→かなりピラジンが強く、好みが別れそうな味わい。
・マスカットベリーA(赤)
→ハムのロースト感が感じられる少し複雑味があるワイン。

学んだこと

お客さんのニーズに合わせた商品開発の大切さ
日本人にワインを受け入れてもらうためには何が必要なのかをよく考えてワインを作った神谷傳兵衛の凄さ、そして一般的に美味しいワインを作るのではなく、日本人の好みに合わせた美味しいワインを作ることが商売をする上では大事だと改めて感じた。

テロワールではなく、歴史あるワイナリーとして観光地化できること
牛久シャトーはテロワールやぶどう栽培・醸造に関して触れる機会は限られており、ワイン好きには物足りない施設だと思う。
しかし、ワインを知らない人や歴史に興味ある人にとっては、どのようにワインを日本に広めたのかを学ぶことができ、史跡としての面白さがある。
また、実業家の観点でも学びがある施設であり、野心的な神谷傳兵衛の姿を学ぶことができる側面も魅力的な点と言える。
ワイナリーの楽しみ方としてその土地ならではの風景や風味などを楽しむだけではなく、歴史も楽しむことができるのは初めての体験だったので刺激的だった。

まとめ

今まで巡ったワイナリーでは初めてのタイプで「史跡的な観点で観光地としてかなり整備されている観光型ワイナリー」でした。
たまにはテロワールを感じて飲みまくるワインツーリズムではなく、歴史を学べる旅も楽しいと感じた。

参考情報

公式ホームページ:https://www.oenon.jp/ushiku-chateau/

最高な人生を!
アディオス🖕

<ワイナリー経験値>
ワイナリー訪問数 20軒
ワイナリー訪問済都道府県 1都5県

ワイナリー訪問済都道府県🍷

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