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介護施設の管理者をシェアする「シェアマネジャー」通称「シェアマネ」

先週の話。
大学時代の同級生と久しぶりに食事。
彼は私と同じ作業療法士で現在はサービス付高齢者住宅の施設長をしている。

彼は大学卒業後、総合病院に就職。目に持病を抱えておりその関係で老健へ転職(だったと思う)。
そこでセラピストとして従事して数年し、リハ部門の責任者になる。

女性関係はめっきりな彼だったが、施設内の事務員さんに熱烈なアタックをし無事結婚。
そこからさらに数年後、法人がサービス付高齢者住宅を新たに開設するという事でその施設長に抜擢、今に至るという感じである。

20年前一緒に学生していた時には施設長などリーダーになっていくイメージは全くないタイプだったけれど不思議。
でも、昔から真面目でコツコツ勉強をし、成長していくのタイプだったのでよくよく思い返すと納得できる部分もあるね。

施設長にもいろいろなタイプがいるが、彼は現場の状況を見ながら部下に仕事を任せていくタイプ。
率先して現場の最前線に行き、俺についてこい、みたいなタイプではない。


話は変わるが、私は先週医療介護専門の採用支援をする求人会社を新たに創業した。
今まで、自社である求人会社と組み、業務委託で採用支援をしていたが、本格的に事業化していくという事で会社を別に創業した。

あるアンケートによると介護施設で人材に困っている会社は50%以上と言われている。
肌感覚的には介護の経営者100人に「人で困っていませんか?」と聞けば、90人くらいの経営者は「困っている」と回答するのではないか、とすら思っている。

絶対的な介護人材不足に対して、
外国の方やお年を召した方の雇用など担い手の分母を増やす施策と、
他業種からの流入や他業種への転出を防ぐために介護職員の処遇を改善し賃金を上げる施策、
さらに分母が少ないなら少ない人数で効率的に出来るようにICTを活用していこうという施策、
大きく分けてこの3軸で戦略を立てている日本。

どの施策にも大枠では異論はない。
完璧な施策などないのでトライ&エラーで進んでいくしかないですからね。

しかし現場目線でオペレーションを考えて見よう。
人が足りないということで外国籍の方を入職してもらうとする、
「来月からベトナムの実習生が就職するからよろしく頼む」
現場のマネジャーが経営者から指示を受ける。

マネジャーが人手不足の理解はしているので了承し現場に伝える。
「こんな現場が大変なのに未経験かつ外国籍の方を教育する時間なんてありません」

現場と経営者に挟まれるマネジャー。
経験のあるマネジャーであれば双方に話をし、落としどころを見つけながら進んでいくだろう。

しかし施設のマネジャー層はマネジメント経験が少なく、また望んで管理職についている人の方が少ない。
経営者と現場の間でうまく立ち回ることができず、退職もしくは休職になるというマネジャーを何人も見てきた。

マネジャーが機能している施設は海外人材やICTなどの活用のスピードが速い。
機能していない施設は旧来の仕組みから脱却することが出来ず、20年前と同じような人材とテクノロジーで現場を行っている。

格差が大きいのだ。

経営者に課題があるケースが多いが、経営者が自ら現場マネジメントをできる法人ばかりではない。

マネジャーが肝である。
その肝であるマネジャーを育成するための研修がゴロゴロある。
弊社も行っている。
複数店舗を経営している法人はそれでよい。
しかし数店舗経営だと候補者ですらいない、という社もゴロゴロある。

このような施設はどうしたら良いのだろうか。



先ほどの施設長の話に戻る。
彼の法人は積極的に施設を拡大していく方針ではない。
「スタッフで困っていない?」
「うちの施設は安定していて全然困っていないよ」
「そうなの?業績は順調?」
「ぼちぼちだけど順調だね」

安定している、いや安定しすぎている。
困難や課題がないと次なる成長が見込めない。
「新たな施設に転職して挑戦する、ってことは考えていない?」
「理事長にも恩があるし、それは無いね」
彼も40歳を過ぎ、子供も3人いる。
転職するというハードルは高いだろう。

「例えば今の法人に居ながら週1回他の法人を手伝う、という仕組みが出来たらどう?」
「それは興味があるし面白そう」

マネジメントが出来る人材を他業種からではなく、介護業界にいる中からマネジメント層をシェアしていく仕組みが出来ればな、と少し前から考えていました。

これからこのようなサービス設計に挑戦していきますし、自分の考えをもっと発信していこうと思います。

興味がある方はコメントや私のfacebookにメッセージをいただけると嬉しいです!


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