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劇場型居酒屋はどうやって教育しているのだろう?【後編】

昨日の記事の続き。
昨日の記事はこちら↓

店員さんがフレンドリーな接し方でお客様をもてなす、店内一体化して盛り上げる、そんな居酒屋の話。

イケメン社長とどういう教育をするとこのようなお店が出来てくるのかという禅問答開始。
例えば刺身を持ってきてくれた体格が良い女性店員。
刺身の説明はしゃべっている内容は一筋の台本のようなものはあるものの、それを自分の言葉に少しずつ変換し自分の言語としてお客様へ伝えている、そんな感じがした。
これ、凄く簡単に書いているがなかなか浸透できることではない。
出来ないからこのようなお店が流行るのだと思う。
「お店の開店前の朝礼とかでビジョン読み合わせとかを大声でやったりしているんじゃない?」
「店長が店員の一つ一つの行動に対してすぐに承認し、お店として望ましい行動促進をしているんじゃない?」

などの意見交換。
「これはどういう教育しているか確認しないとね」

そんなことを2人で話していると後方から注文したビールを持って新たな女性店員さんが話しかけてくる。
「お話し中申し訳ありません、ビールお待たせしましたー」
「ありがとう、この店、活気があるね」
「ありがとうございます、お兄さんたちもお酒たくさん飲まれて楽しそうですね」
「ありがとうございます」で会話が終わってしまうのが普通だと思う。
そこからボールを相手に投げ返す、この一言がなかなか出てこないと思う。

「お姉さんも一緒に飲んでくれたらもっと楽しいのに」
イケメン社長、お酒が進みすぎですよ笑 
そういうお店じゃないですよ笑 
こんな酔っ払いの会話も嫌な顔せずさらっとかわす。
「私も飲めるともっと楽しいと思いますけど今日は2人だけの大切な時間だと思いますのでまた今度笑」

上手いぜ上手すぎるぜ。
デレデレしているイケメン社長。

我々の目の前では大きなサバが焼かれている。
適宜、藁をたしながら焼く男性、年齢が明らかにまわりのスタッフより上。
私と同じくらいなのではないか。
その男性の動きや目線がチラチラと見える。
サバを焼きながらもフロア全体、各スタッフを見渡している目線。

鋭い。

この男性が店長もしくはマネジャーだ。
イケメン社長と先ほどの女性スタッフとの会話の時、特に目線が鋭かったような気がする。
しかし、その男性がスタッフに適宜指示を出している雰囲気は全くない。

しかし見ている、全てを見ている。

サバがきたので日本酒へ変更。
サバは脂が乗ってジューシー、でも皮はパリパリ。
職人としても一流だぞ、この男性。

さらに日本酒が進む。
鯛めし、豚汁が出る。
鯛めしはふかふか、豚汁は具沢山。

いい気分。

お会計をする。
「ありがとうございました、またお待ちしております!」

店を出る。
何か忘れている気がする…、そうだ、この店の教育体制がどうなのかを確かめてみるつもりだったんだ。
しまった忘れていた。

でも良い。

またこの店に行けばよいのだ。
自分なりの理由をつけてお気に入りのお店にまた行く私、これもまたお店の戦略かもしれません。

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