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上場企業の営業マンのはなし

東京出張が終わった。
今回の出張も出会いが多かった。
初日の夜は名古屋で2か月前ほどに飲んだ私を含めて3人の異業種の会社役員たち。
3人とも東京出張があるという事なので、3人とも東京で1~2名面白い人を連れてきて懇親会をしようという事で実施。
私も2名東京の信頼できる面白い人を連れていく。
主催は私と、動画制作会社の社長、元監査法人で現在はベンチャーのCFO。
東京で面白い人1~2名だという事だったが、動画社長もベンチャーCFOも3人ずつ連れてくる、といったルールを守れない2人。

という事で総勢11人の会食スタート。
それぞれと名刺交換をさせていただいたのち、主催者の我々から他己紹介。
あまり企業名は書けないが、日本のある市で街を作っている車会社のチーフエンジニアであったり、官僚の方であったり、今をトキメク会計ソフト会社の執行役員であったり名だたる方ばかり。

会話をしていてもおもしろいね。
様々な会社の裏話も。

しばらくして、追加で1人の男性が入って来た。
見た感じ若い、体型はぽっちゃり、スーツはパリッとしているわけでもなく、ちょっとしわしわ。

誰なんだろう、と思っていたら主催者の動画社長が他己紹介。

「〇〇生命保険会社で最年少部長になったくらいスーパー営業マンの〇〇さんです」
「初めまして、今日は有給だったので社内で充実したデスクワークが出来たスーパーサラリーマン31歳〇〇です、遅れてすみませんでした、今日はよろしくお願いいたします」

今回の参加者は40歳前後の人が多い。
その有数なおじさま達を自己紹介だけで引き付ける保険の営業マン。
彼は声が大きい、4人4人3人とテーブル毎に座っているが彼が話すと隣のテーブルの会話が止まる。また、話が聞き入ってしまう面白さがある。

「入社した直後、社歌の練習というセミナーがあったんですよ、まず1回社歌を聞いて、新入社員それぞれに「覚えたな」と念を押されて、一人ひとり歌わされるんですよ。1回聞いただけで歌えるわけないじゃないですか。そこから3時間特訓。それを経て1ヶ月後、体育会系の営業マシーンと辞める社員に分かれていくわけです」

皆、話に夢中。
引き込まれる話術。

そんなこんなで2次会へ向かう。
12名の参加者のうち、7名が参加。
そこでも彼が話題の中心。
「この前訪問した会社の社長様との初めての商談の際に急にお腹がいたくなっちゃって、隣にいた奥様が気づいてくれて声をかけてくれたんですけど、いや大丈夫です、と強がったらプっとおならが出ちゃって。結局トイレに促されて。そしたら社長が何だか分からないけど契約してくれて、というようなことがありました」

この男性がルックスも服装もパリッとしていたら話に皆夢中になっただろうか。
自分の失敗談を織り込む話術はさすがであるが、服装も風貌も含めてセルフプロデュースしているのではないか。

2次会が始まって30分、
「本当にごめんなさい、取引先の社長が少しでも顔を出せないかというのでここですみません‥。」

時間は23時である。
今から顔を出すのかスーパー営業マン。

少なくとも私は彼に圧倒された。
面白い人はわんさかいるな。

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