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「角上魚類」視察レポート②_顧客都合最優先で繁盛_vol.2

角上魚類は関東を中心に22店舗ある
大型鮮魚専門店です。

当社は「日本一の魚屋」を目指しています。

今回は、前回の記事にも取り上げた「全面的個別対応」の具体事例について書きます。


【実際に行ってみて、肌で感じた3つの事例】

角上魚類のすごさが書かれたブログやTVなどのメディアの紹介は多々ありますが、
僕自身が感じたことで、これが一番の強さなんだと感じた事例を3つご紹介します。

①僕が買った平目(ヒラメ)の話

上の写真にあるお魚は、
無料でいかようにも捌いてくれます。

僕が「この平目を刺身でお願いします!」
と言うと、

「はいよ!ごめんね、20分かかります!」

”20分”という待ち時間に驚きながらも、
せっかく大阪から来たので
待ってみることにしました。

20分後、捌いてくれたお刺身をいただくと、
スライスされていなかったのです。

てっきり、スライスされて出てくるもんだと
思っていた自分に反省しつつ、

どうにかスライスしてもらえないか
お願いしてみたところ、
快く受け入れてくださいました。

「スライスがいいの?了解!じゃあ、少し待ってね!」

親しみやすい話し方にも救われた気がしました。


②同じように魚を捌いてもらっていた別のお客さんの話

そうこうして待っている間に、
同じようなプチトラブルが発生しました。

夫婦:「あれ、これ皮がついているね。刺身用って言ったよね?」
夫婦どうしが確認しあっています。

それに気付いた店員さん。

店員:「皮無しね!すみません、ちょっとお待ちください!」
店員:「ところで頭と骨はどうしますか?」

このお店では、魚を捌いてくれるときに、必ず頭と骨についても確認します。
アラを使って出汁を取ったりできるからです。

それにしても、皮と身だけになって
パックされた状態にもかかわらず、
頭と骨について確認することに驚きました。


普通は面倒くさくて、忙しい時に
自分の仕事を増やすなんて考えらません。

だいたい、
仮に「お願いします」と言われた場合、
その魚のアラをどうやって探すのでしょう。

そこまでやり切る店員さんに感動しました。


③お寿司コーナーのファミリー客の話

同店舗のお寿司コーナーでのお話。

客 :「このお寿司、全部わさびありですよね?抜いてもらえますか?」

店員:「すみません、全てわさびが入っているのですが、魚を捌いてお寿司にさせていただきます。少しお待ちいただくのですがよろしいですか。」

これを聞いて僕は、とても申し訳なさそうにそう言う店員さんに感動しました。

たかだか(と言っては失礼ですが)
10貫ほどのお寿司。

売り上げが少ない割に、
わさび抜きにするとなると手間がかかります。

子どもが食べるお寿司のために、
1日に最大で1万人以上が来店する
超繁盛店がそんな個別対応をするのか?!

案の定、お客さんは「よかったね」と
笑顔になっていました。


上記3点から学べるポイント

上の話は、僕が店舗に視察に行った、
ほんの少しの時間にあった出来事です。


聞いてみれば、「当たり前だろう」と
感じられるかもしれませんが、

いざ自分が、今の仕事の中でできているかと思うと考えさせられます。


時間がかかっても個別対応を全てのお客様にする。
(=全面的個別対応)

これは、「売上を上げよう」が起点のお店にはない発想だと思います。

「うちで買ってくれたお客様全員に喜んでもらおう」が起点のお店。

だからそれが当たり前レベルで全従業員さんができるのです。


このお店に行って気が付いたこと。

それは社員さんが、
「どうやってお客様に喜んでもらうか」を
常に考えていることがひしひしと伝わるのです。

これを聞くと、「えっ?!」と思われる方もいるかもしれません。

「お金を払ってくれるお客様に申し訳ない。」
「お客様にお願いして”買ってもらう”でしょ?」
「お客様はお金を払うのだから、それはマイナスなんじゃないか?」

と考えてしまう日本人独特の
根深くて強い感情があるからです。

でも、よく考えてみたら
買いに来てくれるのはお客様です。
お金を払ってくださるのもお客様です。

一番お客様が悲しい思いをするのは、
買ったあとに後悔することです。

だからそのまま魚を美味しく食べられれば、
期待が美味しいという喜びに変わり、
満足や感動につながります。

「買った後で後悔してほしくない」

という強い思いが、現場スタッフの
全面的個別対応を促進するのです。

店の効率よりお客様の都合を優先する点がスゴイ!



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