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AIの時代におけるクリエイティブリーダーの思考法

私は長年、クリエイターとして働いてきました。
そして今、私たちは大きな変革の波に直面しています。
生成AIツールが市場に溢れ、
インターネット黎明期以来の勢いで私たちの働き方を変えつつあるのです。

この変化の中で、私は自問自答を繰り返してきました。
「どうすれば最新のトレンドに追いつけるのか?」「チームにどう新しいプロセスを取り入れてもらうか?」「会社全体でこの学びをサポートするにはどうすればいいのか?」

この1年間、効率性と感性を高めながら、
新しいAIツールを仕事のプロセスに統合してきました。
その経験から得た知見を、ここで共有したいと思います。
まだまだ試行錯誤の段階ですので、これからも少しずつ更新していきたいと思います。

個人レベルでの取り組み

1日の中で15分ぐらい、私は決まった時間を設けて、
生成AIツールと向き合います。
持続性を考えて、
15分ぐらいの隙間時間で自分をアップデートをしています。
すでに使い慣れたものも、
新しく登場したものも問わず触りまくってますw。

業界のトレンドを把握するため、
STYLUSEvolving AIといったAIについて最新情報を欠かさず読んでいます。LinkedInで影響力のある人々やAIクリエイターの投稿もチェックしてます。
わざわざ確認しに行かないと出来ないのかって方はAI関連のニュースレターをおすすめします。
または、Google Alertで「AI」などのタグでつけておければ、直接Inboxに最新情報を届けてくれます。(多い時は大変なことになりますが、、)

面白いヒントやツールを見つけたら、チーム全体、
そして会社全体の知識レベルを底上げできるように社内の生成AI専用Slackチャンネルで共有したりしています。
チームメンバーたちも、
自分が興味を持ったことや取り組んでいることを共有してくれるので、
この相互作用が、思わぬ化学反応を生み出すこともあります。

Made with Midjourney

現在の生成AIは、
インターンや頭脳パートナーのようなものだと考えるのが最適です。
明確な指示を与え、タスクの手伝いを依頼するが、
最終的な成果物は期待できるものが毎回出てくるわけではありません。
テキストベースの出力は必ず事実確認をし、
テキストや画像にフィードバックを与えて洗練させていきます。
時には生成された画像をPhotoshopなどのツールに取り込んで、
望む形に仕上げることも多々あります。

チームレベルでの取り組み

個人的な使用経験を積んだ後は、そのノウハウをチームと共有します。
個々のツールの使い方よりも、なぜこれらのツールを使うべきなのか、
どのようにアプローチするべきか、既存のプロセスや成果物にどんな影響を与えるのかという、より高次元の視点を共有することが重要です。
私自身が先に学び、実験する姿を見せることで、
デザイナーたちも同じように成長のマインドセットを持つよう促すことができると思っています。
常により良い方法を模索し、クオリティーの高い仕事を提供することを目指しています。

Made with Midjourney

会社レベルでの取り組み

会社では、全社員がAIツールを試験的に使用できる環境と動機づけが整っています。 これらのツールはデザイナーだけのものではありません。
人事、マーケティング、事業開発など、必要とするすべての部門の社員が利用できるのです。
私の同僚が「AI入門セッション」を企画し、
私のチームは常にこのセッションをサポートしています。
これにより、社員のスキルアップを図り、主要な生成AIツールに慣れるための入り口を作っています。
セッションでは単にAIツールを紹介するだけでなく、
AIを率先して使っている私たちのチームがみんなに実践的なコツも紹介しています。最初のセッションでは、テキスト生成、画像生成など、様々なツールとその出力を紹介しました。最近では動画生成にも挑戦しています。

最新の学習セッションでは、Flux.1を試し、その品質をMidjourneyと比較しました。英語のプロンプトの方が精度が高いため、参加者の中にはChatGPTを使って欲しい画像のプロンプトを生成する人もいれば、DeepLで自分のプロンプトを翻訳する人もいました。

このセッションをファシリしてくれた同僚が明確な焦点を提供してくれたおかげで、参加者は温かい環境で「初めての使用」のハードルを乗り越えることができました。その結果、「ツナ缶の中で眠る猫」といった、面白い出力も生まれました。

"A yellow cat happily sleeping amidst a stack of canned tuna"
しかし日本語でプロンプト入れるとこうなってしまった…
こちらにも投稿しています:https://www.instagram.com/evokesociety/

これらのプロセスは最初は遅く感じ、
時間の無駄のように思えるかもしれません。
しかし、初期の学習曲線を乗り越えれば、
各個人とそのプロセスがより効率的になり、より面白いな創作が可能になるのです。

クライアントへの価値提供

クリエイティブリーダーとしての役割は、会社内のチームを指揮し、
クライアントに価値を提供することです。
生成AIの新しいツールを受け入れ、
自分自身や同僚が実験し活用する場を作ることで、
アイデア創出のスピードが向上し、プレゼンテーションのビジュアルがより印象的になり、ストーリーテリングをより意味のある形でサポートできるようになりました。
その効果を最大化するため、
私は日々学び続けることをモデルとして示し、
チームや会社全体にも同じことを奨励しています。

Made with Midjourney

具体的には、
AIをプロジェクトで活用して短時間で複数のコンセプトアートを生成し、クライアントとのブレインストーミングセッションを活性化、また、プレゼンテーション資料の作成では、AIが生成した図表やイラストを基に、デザイナーがさらに洗練させることで、説得力のあるビジュアルを効率的に作成しています。
このようなAIとヒトの協働により、
クライアントへの提案の質と量が飛躍的に向上しました。
同時に、チームメンバーはより創造的な作業に時間を割くことができるようになり、結果としてクライアントの満足度も高まっています。
AIツールの導入は、
私たちの働き方を根本から変えつつあります。
しかし、これはあくまでも私たちクリエイターの創造性を拡張するためのものであり、置き換えるものではありません。
むしろ、AIと共に歩むこの新しい時代は、
私たちの創造性をさらに引き出し、
より革新的なアイデアを生み出す機会を提供してくれているのです。

一クリエイターとして、私はこの変化を恐れるのではなく、
積極的に受け入れ、チームと共に成長していきたいと考えています。

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