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【詩】圧縮された花束とワルキューレ

少しだけ
寂しさに傾いた太陽が
静かな風に
何かを忍ばせやってくる
沈黙で満たされたガラスの小瓶を
白夜に解くと
小さなガラスの端々に
黒い膠が滲み出す
大きなナナフシが闊歩する夜
右手の薬指が縮む
やがて訪れる
あなたの世界に祝福を
今ある警告は
本能とは切り離せない
無期限に彷徨う圧縮された花束を
私は信仰と名づける
曲線に沿う感情を束ねながら
多様な色をたずさえた砂時計
風の外に待つべきものがある
雲は空から堕ちつつある
ワルキューレは辿り着けたのだろうか?

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