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【詩】記述-Ω

私とあなたは背中合わせで 話してる あなたは彼女と話してる 私も彼氏と話してる 意味もないけど 貴方の背中に寄りかかり 風のうたを聴いている サヨウナラ

    • 【詩】二度とないもの

      指先に糸を縫い付け 記憶を辿る 割れた鏡のどれかに 隠れた私がいる 追いつけずに 諦めた塵の中に 私に触れるものがある わがままな虹の先に 色の濃い糸を通す 私の世界と貴方の世界に祝福を 二度とないものより

      • 【詩】拳≠G

        何かを叩いて音を出す 原初の儀礼を模倣して 私は何かに助けを願う 経験的な呪詛を担う 始まりの自我は 遠い姿を目の前に示す 終わりの見えない軋轢として 更なる儀礼を課す 幸いなる執着よ 私はここを動きはしない

        • 【詩】メトロノームの曲線

          ウランが共鳴すると月と地球が同時に鼓動を始めた 太陽系の軌道は銀河系のとある軌道に追随し やがてあるものを避けて行く   曲線に沿う感情を束ねながら 幼かった私は笑顔の意味だけを 廃棄していきました ただ、笑える様に 多様な色をたずさえた砂時計は 今も刻を落とし続けています

        【詩】記述-Ω

          【詩】支配と隷属の終わりの日に

          山肌が雪を被り 木々が白くなる 空気が透き通ると音が止まる 目の前に広がる景色に 二人で規則正しく音を紡ぐ 寝ても寝ても眠いと君は言うから 冬だからね、陽の光を浴びないからね と、僕は答える 夜だけの世界は誰も起きていない みんなが眠り続ける 磁力を見せつける誇らしげな月の 裏側にある世界 エメラルド色の冥王星の音を聞きながら またとない輝きを放つ太陽は 気になってしょうがない 支配と隷属の終わりの日に 春はやって来るのだから

          【詩】支配と隷属の終わりの日に

          【詩】追憶-β

          あなたといけないことをする チリチリと余韻が焦がれる 口びるが渇いてしまうと愛を囁くのが億劫になる あなたといけないことをする 頬を近づけてキスをする自由は許して欲しい あなたといけないことをする チリチリと余韻が焦がれる 肌をすり合わせたときの呼吸は 幾重にも重なった音がする #詩

          【詩】追憶-β

          【詩】黒々としたゲーム

          人は噛む 太陽に気高く叫ぶ勇気を持つために 風と仲良くできる優しさを欲するが故に 人は噛む とても強力な中心 存在と存在の間の空白 緩衝材としての躊躇い 寝つきの悪い余白 臆病な希望に 黒々としたゲーム アミダラの名物 とある静寂を招き入れ 必然を張り合わせて出来上がったもの 人は噛む 私は興味はないから 無心で立ち上がり 野山を駆け巡る

          【詩】黒々としたゲーム

          【詩】唄う

           終わりなきことをくちにすれば、  猶予のない寂しさが追いかけて来ます。  さしあたって、あなたには本当のことを伝えておきます。  ただ、さようなら。また会う日まで。  かすかなお別れの匂いなど、気にすることなく生きて下さい。  静かにたたずむ勇気が、かならずあなたのとなりに居ます。  早めの夕闇には、少しも恐れることはありません。  確かな思い出があなたの手を引っ張り、かたときも温かいのですから。  信じる信じないは別ですよ。  さわがしい者たちにも、優し

          【詩】唄う

          【詩】人間嫌いたち

          尋問される胸骨の裏側に あなたと同じ鼓動をみる あなたにそれが気づかれてしまったら メランコリーを希釈して 飲み続けていた事がバレてしまう 今日という他にはない祭日に すげかえる事の出来る祝祭はなく ただ安い花の匂いや ガルバニウム鳥の羽音に心を安める 執着から離れた好意は空っぽで 例え触れたとしても それは影である 狂おしくも同色しか描けない好意は 嘘だと知っている さざなみの光沢を最後にして 私は眠りにつく

          【詩】人間嫌いたち

          【詩】私とつがいのぬくもり

          貴方の視線を吸い込みすぎて 私は沈黙と共に溺れる 四百年あとの約束なのに 回遊し続ける過去は 間違いを起こしたの? これは飲み込まれた未来なの? 吐き出された未来なの? それとも思い出した未来なの? 嘘と感じる鈍さと筋張った影の味 朽ちてゆく標準形式の生命には 雲と氷とオイルの匂いが残る 私はその夜 暗闇で立っていることが できなくなってしまいました 取り返しのつかないこと なのでしょうか 大丈夫だよ きっとね 優しければいいよ 骨は痛みのないまま 皮膚となります 私は埋め

          【詩】私とつがいのぬくもり

          【詩】Hi melody.

          物語を語る その物語に無為で静かな息づかいがあれば 人は耳を澄ます ただそこにある風であったり 目に焼きついた陽の光だったり 留める事の出来ない無数の息づかいは 纏まることを嫌い そうであるから 僕らは物語に思いを馳せる 語るべき時に語れないのは嘘になる 年老いてあらゆるものが乾ききってしまうと 語るべきことが億劫になってしまう まるで渇いた口びるで愛を囁くのが億劫なように 僕がある物語を語ろうとするならば 端々のほころびを気にしてしまい まとも

          【詩】Hi melody.

          【詩】ゴールデンカムイ

          お前の魂に手は届いているのか? 自分の手で揺すれるのか? ナイフが必要ならその手で握れ 誰かの手が必要なら対価を差し出せ 涙が必要なら雲を纏え 声が届かないなら大地を叩き割れ お前は魂に手が届いているのか?

          【詩】ゴールデンカムイ

          「未来」

          これは飲み込まれた未来? 思い出した未来?

          「あの時」

          遠い昔、虹を吸い込んだ時とよく似ている。

          「あの時」

          「青空」

          青空に映えるレモン色の鞄に心を満たして。

          「頬」

          明日 陽の光が 私とあなたの右の頬を 温める。