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日本人が意外と知らないイタリア食文化

近年、イタリアブームが始まった1980年代からは様変わりして、すっかりイタリア料理が日本でも定着するようになりました。 本場の食材も手軽に手に入るようになり、学校給食にまでイタリア料理が出てくるようになっていますね。

1991年、伝統的かつ正しいイタリア料理とイタリアの食文化を伝えるために、欧州連合(EU)、イタリア政 府公的機関支援のもと、北イタリア「トリノ」に外国人向け、プロ養成イタリア料理研修機関 (Italian Culinary Institute for Foreiners )通称「ICIF」が設立されました。私は現在アスティ県コスティリオーレにあるICIFに2012年に留学し、現地にあるリストランテのキッチンで勤めながら1年間を過ごしました。そんな私がイタリアに行き、帰ってきてから気がついた日本人が意外と知らない現地の食文化についてお話しします。


日本人が勘違いしているイタリア人の舌
よく見る思違いをしている人を目にするのは、「イタリア料理と言えば唐辛子とニンニクを利かした辛い料理!!」というイメージ。 しかし実はイタリア人の多くは唐辛子もニンニクも苦手です。多くの料理にはそんなに使われないし、使ってもいたって少量です。 特に北部に向かうに連れその傾向が強く、南部カラブリア州は逆に唐辛子を好む傾向にあります。

 実は日本はアジア圏なので、イタリアなんかと比べたらよっぽどニンニクを好んで食べています。だってお隣の韓国が一人頭のニンニクの消費量が世 界一多く、生産高も世界第4位!よく考えてみたら当然かもしれませんね。

 イタリアではニンニクを使うとき、一欠片を半分に切ってオイルに香りをつけたら捨ててしまい、実自体は口にしないことが多いです。
イタリアでは日本と違い各地域ごとの特色が強く、地産地消で現地で取れる食材や郷土料理を好んで食べるので、日本のように当たり前のように日本中の人がラーメンやお好み焼きや干物の魚を知り、食べると言ったような傾向がありません。 北部と南部、州や地域が変わると全然言葉も料理も食べる食材も変わったりするのです。日本では山間部でも多く魚を食べられますが、イタリアの山間部ではそれほど消費しません。多くは缶詰や塩蔵品などの保存食です。これは日本ほど魚介の需要がないのも要因だと思います。 山間部の人たちは食べ慣れた肉類を中心に食します。
日本人と比べると大昔から肉を食べているだけあって、肉料理の幅も広く、多くの種類の鳥獣が食され、その部位も上から下まで余すことなく 全て食べます。 食肉用の生き物も幅広く、鳥だけでも鳩やウズラ、キジ、ほろほろ鳥、鶏、鴨、アヒルなどが食べられます。羊、山羊、うさぎなども日常的に食べ られるポピュラーな食材です。


イタリアといったら麺類のパスタとピッツァとリゾットといったイメージがありますが、米を生産しているのはイタリア北部で、リゾットなどの米 料理を多く食べるのも北イタリアから中部に集中しています。米料理もさまざま。日本でせんべいやおはぎやお団子があるように、イタリアでは 米を使ったケーキやクッキー、パンにサラダなどがあります。 南イタリアは気温も湿度も高いですが、北イタリアは乾燥していて気温も低いです。そのため北イタリアでは卵を使って作る生パスタが多く作られ、 生パスタ専門店も多くあります。この生パスタにはそば粉を使ったパスタもあり、大昔からイタリアでもそばを生産し食べています。逆に南では水と小麦粉だけで作った乾麺が多く生産され消費されています。日本で良く見る乾麺はこの南イタリアのグラニャーノと言う地域発祥の料理ですね。
主食として食べられるものには、小麦粉を使った麺以外にパン、トウモロコシ粉をお粥のように練って作るポレンタ、それからクスクスやお米、ジャガイモとジャガイモを使って作るニョッキなどがあります。クスクスはシチリア島で大昔に北アフリカから持ち込まれたと言われいます。 チュニジアの端っことシチリアとはわずか100キロ程度で、サルデーニャ島やシチリア島ではクスクスが郷土料理として多く食されています。
麦を多く消費するイタリアでは近年麦アレルギーの患者が増えており、問題化しつつあります。私が働いていたリストランテの従業員にも麦アレルギー の人がいましたし、お店に来るお客さんにもしょっちゅういました。そのためお店ではグルテンフリーのパスタが用意してありました。 スーパーに行くと小麦粉を使っていないパンやベトナムやタイで一般的なビーフンやフォーが置いてあり、アレルギー患者の人が買います。豆腐な ども置いてありこう言った方々やベジタリアンの人、健康意識の高い人が買ったりします。

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