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会員インタビュー・静岡県裾野市財政課様「研究会は繋がりと本音が生まれる場」

こんにちは!
今回は4月に開催した「第2回新しい自治体財政を考える研究会」(以下、「第2回本会」とします)にご参加いただいた研究会会員の静岡県裾野市財政課の松村さんにお話を伺いました。

静岡県裾野市財政課様は第2回本会にご参加いただいたことをきっかけに、財オタの高岡市・長久さんに直接コンタクトをとり、高岡市が行った財政改革について対話されています。

今回は、長久様とお話しされようと思ったきっかけや実際にお話しされた感想、その後の変化などについてお話を伺いました。

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―第2回研究会のグループディスカッションで同じグループになったことがきっかけで、長久さんとコンタクトをとることになったと伺いました。

そうです。一緒に参加していた当市の副市長が、長久さんに直接お話を伺いたいとメールをしました。
副市長からのコンタクトがきっかけではありましたが、実は当市の財政課でも高岡市の財政課の取り組みに注目していたところで、お話を伺いたく同席することとなりました。

――注目されていたのは高岡市の「財政健全化緊急プログラム」のことですか?

そうです。
色々な手法をきっちりと書いている団体はそう多くないので、詳細に情報を出していただいている自治体の情報を参考にしていました。

――研究会に参加する前から長久さんの存在はご存知だったのでしょうか。

長久さん自身のことは知らなかったのですが、研究会に参加させてもらった時に「ああ、この方がやっていたのか!」と気づきました。

――運命的なものがあったんですね。

偶然ではあったのですが、前からお話をお聞きしたいと思っていたので良かったです。

――長久さんとはどのようなお話をされたんですか?

当市からは私、同僚、財政課長、副市長の4人で参加させていただきました。
事前に
・事業費や固定経費をどのように削減したのか
・事業の廃止をどう進めたのか
・公債費の平準化について、市民への説明も含めてどうやっていったのか
といった質問をお送りし、これらの質問に対して当日、長久さんにお答えいただきました。
また、高岡市さんは公債費抑制に挑戦されていたので、そのこともお聞きしました。
10年で起債していたものを20年に延ばすといったことを銀行と協力して行い、それによって起債の償還費が平準化されるといった話です。
借換することは単に先送りになってしまうのですが、将来世代でも使う建物のために借金しているものについては、将来世代の人が負担するのはおかしいことではないので、それを着実に実施された団体である高岡市さんに聞きたいというのが私の思いでした。

――なるほど。長久さんと話された内容を受けて、業務に変化はありましたか。

ありました。
具体的にはお話しできませんが、長久さんとのお話の場に副市長も同席し、実際に財政再建プログラムを実施した団体の話を聞けたことは大きかったと思います。

――研究会がこのようなきっかけを生む場となれ、本当にうれしいです。

この出会いがなかったら直接話を聞けなかったですからね。
また、財政再建計画が公表されていても、その後、どういう結果になったのか、本当に有効な手法だったのか、といったことは、計画を見るだけでは分からず、なかなか情報も出ていません。
このような情報を調べるには、研究会のように本音で話ができる機会がないと難しいと思います。

――お話を伺っていて、改めて、自治体職員の皆さんにとって他自治体の事例というのはとても価値のある情報なんだと感じました。

外に出ている情報だけだと分からないことが多すぎますから。
総務省も色々と頑張っていて、決算統計なども出てはいるのですが、外枠の数値でしかないので、研究会のような場で内容を掘り下げていかないと分からないんです。
例えば、自分の自治体で補助金などの費用が高いと思ったとき、補助費の比較は決算統計など総務省のデータでできるのですが、補助費の内訳で何が計上されているのか、何の補助をしているかは、聞かないと分かりません。
人口割で補助金が1人当たり何万円といったものは出ると思いますが、それが適正かどうかは決算統計などの比較だけでは全然分からないんです。
このような時に、研究会のような場で、補助費の内訳などある程度掘り下げた区分で話し合い
「うちの団体は高いけれど、高い理由がある」
「内容を比較した結果、うちは高い」
といったことを把握できると有意義ですので、今後の会の発展形としてありだと思います。

――貴重なご意見ありがとうございます。最後に研究会に期待することや、こんなことをやってほしいというご希望はありますか。

例えば総務省からの社会保障施策の要する経費に関する調査が毎年度あるのですが、その区分分けに職員が苦労しているので、このような毎年度同じことをするような仕事のやり方を共有できないか、定型化したやり方で一気に片づけられないかなと思っています。
決算統計は完全にシステム化されていると思いますが、それ以外の調査ではシステム化されていないものもあり、その都度、担当者が頑張ってやっているんです。
そういった時間を費やす調査などについて、研究会を通じ、やり方を共有するといった話をもっと展開できるといいなと思います。

――本日はありがとうございました。

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当研究会は、全国の財政課職員の皆さんが一緒に良い予算編成、ひいては良い財政運営について考える場、財政課の皆さん同士の繋がりが生まれる場でありたいと考えており、裾野市さんと長久さんの繋がりが生まれた今回の出来事を大変嬉しく感じています。
今後も、このような繋がりが生まれるような場となるよう様々な活動を行っていきます。


ありがとうございます!