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平野玲音 チェロ・リサイタル(2020/1/18)

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『平野玲音 チェロ・リサイタル』に伺いました。(2020/1/18@相模湖交流センター)

ベートーヴェン生誕250年を記念した相模湖交流センターの「ベートーヴェン・イヤー・シリーズ」のオープニング公演でした。ベートーヴェンの活動拠点であったウィーンに在住のチェリスト、平野玲音さんが登場しました。

平野玲音さんは9歳からチェロを山崎伸子女史に師事、中学校在学中にコンサート・デビュー。東京大学で美学芸術学を専攻し、表象文化論コース修士課程修了。2002年からウィーンに留学、ウィーン・フィルのG.イーベラー氏に師事、ウィーン国立大学で室内楽を学びました。オーストリアにて、アレグロ・ヴィーヴォ賞、アルティス賞、ジーメンス・ウィーン古典派賞受賞。ベートーヴェン作品への並々ならぬ功績に対し、ゆかりの地のバーデン市より「ベートーヴェン・メダル」を授与されました。ソロ、室内楽で、ウィーンを拠点にヨーロッパ各地で活躍中です。NHK-FMの番組への出演やCDのリリースに加えて、自身による著書も出版されており、チェロとエッセイの「二刀流」で注目を集めています。

共演したピアニストの藤本江利子さんは桐朋学園大学を経てハンガリー国立リスト音楽院にてピアノを学び、国内外のコンクールでの受賞歴があります。現在、成徳短大ピアノ非常勤講師を努め、多くの演奏家とも共演を重ねています。

相模湖交流センターは豊かな自然と澄み切った空気に囲まれた神奈川県の相模湖畔にあり、多くの音楽家から「録音の聖地」と呼ばれる稀有な音響を持つホールです。客席と同じフロアの演奏者を取り囲むサロンコンサート・スタイルで開催されました。

プログラムはベートーヴェンの3曲のチェロ・ソナタが第2番、第4番、第3番という順に演奏されました。平野さんの演奏は音楽の呼吸が自然で、香り高く艷やかな音色でよく歌います。藤本さんのピアノも美しく、緻密なアンサンブルを聴かせてくれました。
休憩後に演奏された第3番は、ベートーヴェンが交響曲の「運命」「田園」、ピアノ協奏曲「皇帝」などを作曲した「傑作の森」と言われる時期に書かれ大変充実した内容を持つ名曲です。平野さんのチェロはさらに深く雄弁に歌い、そのスケールの大きな演奏により、ベートーヴェンの偉大さが伝わってきました。

アンコールにもベートーヴェンの作品が3曲。とても珍しい曲も聴くことができました。1曲目の『《オリーヴ山上のキリスト》より イエスのアリア』はベートーヴェン唯一のオラトリオですが、現代では本場ウィーンでもほとんど知られていないそうです。歌手なしの器楽バージョンで演奏するプロジェクトに参加されたそうで、劇的な場面が見事に表現されていました。2曲目には誰もが一度は聴いたことがある「ト調のメヌエット」がゆったりと流れました。そして最後には、望みのない片思いの辛さを歌ったという『カンツォネッタ「残酷な女」』が、朗々とした平野さんのチェロでホールに響き渡りました。

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皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


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