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生きる意味とは

初投稿なので、思い切ったタイトルにしてみました。
この問いは、中学生くらいの時からずっと考えてきました。今思うと、誰かに言ったら変な子と思われそうで、誰にも言えなかったです。

当時は色んな本を読んでみて、どこかに正解がないか探していました。引き寄せの法則は何度も読んだし、SNSでポジティブな言葉を発している大人に生きる意味について聞いたりしていました(笑)

そんな誰にも言えないこと、教科書にも答えがなくて誰も答えを知らないことは私を苦しめていました。一度考え始めたら答えを見つけるまで止まらない性格で、答えが出るまでひたすら考え続けました。一度納得できる言葉に出会えても、時間が経ったら「あれ?あんまりしっくりこないな。」なんてことはザラにありました。

それでも学生生活は勉強に部活に忙しくて、そんなことを考えているのは少し余裕ができたときでした。暇になると考えてしまうので、できるだけ予定を詰め込んでいました。
今思うと、忙しいのが好きで予定を詰め込みがちなのは、充実していると感じられること以外にも、余計なことを考えたくないというのもあったと思います。

そんな私が大学4年生になり、谷川俊太郎さんの詩に出逢いました。私は小学校の校歌が谷川さん作詞だったので、名前はもちろん知っていましたがそこまで詩を読んだことはありませんでした。
深く心に残った詩、わたしにとって生きる意味とはと考え続けていたことに終わりを迎えることになった詩を今日はご紹介します。



『宝だから』谷川俊太郎

ほんとに大事なものはあるだけでいい
ほんとに大事なヒトはいるだけでいい
何でも誰でもあることいることで始まっている

朝  空がある  曇っていても晴れていても
昼  友達がいる  気が合っても合わなくても
夜  働く人がいる  君が夢を見ている間に

たまには人間やめてみてもいいんじゃないか
キノコになって森にいてみる
クラゲになって海にいてみる

コトバになって意味やめてみる
声になってアンナプルナを呼んでみる
自分にもどってぼんやりしてみる

生きてれば毎日毎時が宝だから
目も耳も口も鼻も手足も忙しい
シニカルな大爆笑も宝石みたいに輝いて


NHK ベーシック国語 第26回「文学史 ~谷川俊太郎~」より



この詩を読んで、意味よりもここに存在していることが大事なんだと感じました。


NHK ETV特集 ('22.2.12) でも、谷川さんは以下のように述べられています。

「意味よりも大事なものは、
何か存在するってことなんですよ。
何かがあるってことね。
存在っていうことを、言葉を介さないで
感じ取るってことが、すごく大事だと僕は思ってんのね。」

生きる意味より、生きていることそのもの、その人の存在が大事であると、そしてそれは揺らぎのない真実だと思いました。

わたしはこの言葉に救われました。

人は意味を探しがちだと思うんです。
谷川さんも仰られていましたが、今は意味偏重の時代。〜だから〜だ、と言われると安心するし、生きている意味は〜だ。と言われるとなんとなく納得できる気もします。
だからこそ人は、無秩序の中で秩序を求め、混沌の中に意味を求めてきたのだと思います。

そんな時代に生まれたわたしは、生きてる意味を自然と探していましたが、この谷川さんの詩に出会ってからふっと心が軽くなって、もっと大事なことに気づくことができました。

わたしが生まれたことの意味ではなく
わたしが生きていることそのもの
今ここにわたしがいること
それがいちばん大事なこと

あなたと出逢った意味ではなく
あなたと出逢ったことそのもの
今そばにあなたがいること
それがいちばん大事なこと

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