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忘れ物市

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電車内に忘れられた様々な物達が売られている「忘れ物市」に並んでいたウェディングドレスに想いを馳せた人間達の物語。 心の片隅に、忘れていた思いがありませんか。 -恋愛オムニバス小説…
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#痛い失恋

月子と太一7

月子と太一7

 意思薄弱ってこういう事かな。

乾いた喉を潤すためにビールを一気飲みすると、月子はそんな事を思いながら、いくら弁当をかき込むカズシを見下ろした。

「うまいね、コレ。」

月子と目が合うと、ニッと笑ってカズシは言った。

真昼間のラブホテルの、偽物の夜の中で、力無く月子も笑ってみせる。

 いったいどうやってこの男の誘いを断れるっていんだろう。

ここへ入る前に言い訳みたいに思った事を、月子はも

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月子と太一4

月子と太一4

 太一と付き合う前に、月子は痛い失恋をした。

誰にでも一生に一度はあるような、平凡な失恋に過ぎなかったが、月子にとっては、それはそれは痛い失恋だった。

 月子より2つ年下のその男は、無邪気を身に纏い、いとも簡単に月子の心に棲みついてきた。

中性的な顔立ちをし、時々年上の月子に男らしさを振り撒き、そうかと思えば捨て犬みたいに月子の胸の中で甘えた。

 正社員として働いていた月子の会社に、短期ア

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