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忘れ物市

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電車内に忘れられた様々な物達が売られている「忘れ物市」に並んでいたウェディングドレスに想いを馳せた人間達の物語。 心の片隅に、忘れていた思いがありませんか。 -恋愛オムニバス小説…
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#恋愛小説

明日香と信二4

明日香と信二4

 「フォトウェディングプラン80,000円だってあーちゃん!」

 信二がフリーペーパーを片手に興奮気味に夕飯の支度をする明日香にバックハグをし、今まさにグリルから取り出そうとしていた秋刀魚が半分に折れた。

「ちょっと、危ないでしょ」

 肘で信二の腹を押し除けると、明日香は自分用の長皿に秋刀魚を移動する。

「ごめんごめん、でも、見てこれ!お得じゃない?」

 全然悪びれる様子もなく、信二は尚

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月子と太一10

月子と太一10

 母の訪問時で目が覚め、カーテンを開けると見事な日本晴れだった。

 早朝からフルパワーの月子の母は、すでに着物を着ており、のそのそと起き出す太一と月子に朝食を作っていた。

「ほら、月ちゃん、シャワー浴びてきて。太一さんは先にご飯たべて。」

 当の本人達よりもソワソワし、張り切り、アタフタと動き回る母を見て、今日は結婚式なんだと実感させられる。月子は言われるがまま浴室に向かい、太一もそれに合わ

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