見出し画像

子どもに語る「作り話」と「嘘」の違い

◆なんかおもしろい話


6才息子は、寝るとき「なんか、おもしろい話して!」と言ってきます。
もちろん絵本の読み聞かせもしますが、オリジナルの即興つくり話を聞きたがるのです。

そこで、作り出した主人公が「ちっちゃいおじさん」。どのくらい小さいかというと、その時々で変わります。あるときはカタツムリの上に乗ったり、あるときは金魚といっしょに泳いだりします。この即興つくり話、かなり脳が鍛えられますので、きょうはその話を。

◆すぐ作り話を思いつきますか?


まずあなたが、知り合いに「なんか、おもしろい話して!」と言われたとします。そのときどんなことを思い描きますか? 

今までの自分の経験を振り返ってみると
・きょう一日のできごとを思い出す
・読んだ本や見た動画などを思い出してみる

のような、きのう、今日の過去の振りかえりが多いんですよね。それと同時に、自分ひとりでクスっと笑えた「自分ひとりのおもしろいできごと」と、だれかといっしょに過ごして感じた「共感したおもしろいできごと」を深堀していくんです。

以前、息子に「なんか、おもしろい話して!」とリクエストを受け、きょうのできごとを話したワケですよ。「会社のおじさんがね、はな〇そほじっていた」とか「電車で高校生がキスしていた」とか。

自分ではおもしろいと思っていても、どうも反応が薄い。ウケが悪い。だってお笑い芸人さんのようなスキルを持っていませんから。そもそも「誰かを笑わせるようなネタ」探しをしているわけではありませんからね。


◆「おもしろい」のとらえ方は人それぞれ異なる。


場や時間を共有していない人に「おもしろいこと」を伝えるのはむずかしい、と結論にいたりました。
ならば!一日のできごとから「おもしろい」を発掘するのをやめて「おもしろい」を自分で作ればいいじゃん!と発想を替えたのです。

それが「ちっちゃいおじさん」です

多分このモチーフは志村けんさんの「へんなおじさん」と、昔テレビで放送していた「スプーンおばさん」ががっちゃんこになっているのだと思っています。




◆話ながら考える


==テーマ==
<小さいおじさんがひとり、旅して、いろんな生き物に出会う話>

そのつど、即興で作るんですよ。話しながら、ストーリを展開していくんですよ。脳みそフル回転です。
・まず、主人公はどこへ旅するのか?(WHERE)
・だれと出会うのか(WHO)
・どんなハプニングがあるのか(Happening)
・結果、どうなったのか(RESULT)

話しながら起承転結を同時並行で考えます。でもところどころ、息子がよろこぶように
・〇んこ
・おしり
・はな〇そ
みたいな言葉もおりまぜ、くすくす笑わせます。

自分で話しながら自分の耳で聞く、なんとも奇妙なつくり話です。ただ、この思考を何度も続けてきますと、あることが見えてきました。それは「自分の願望」を言葉にしている。
フランスに行ってね/南極でオーロラを見た/飛行機に乗った
なんと自分の願望・妄想・潜在意識を言語化していたんですね。
これは大発見でした。


◆自分のあったらいいな、を言語化する訓練になる


だれかをよろこばせつつも、自分の想像の世界を言語化しているわけで、無意識に自分の中に眠っている想像力がかき立てられます。そうすると、「思考は現実化する」じゃないですけれど、”こんなことできるかも”とか”あそこに行ってみたい”と思えてくるんですよね。

たぶん絵本の読み聞かせだけでは、この思考に絶対気づけませんでしたね。

ただし、気をつけたいことが一つあります。つくり話は、ウソをつくことではありませんからね。自分を正当化する、だれかをだます、だれかを傷つけるのは避けたほうがよいです。あくまでも、ある程度現実に基づきつつ、夢のある話がたのしいです。

もし興味があれば、お子さんに話してみてください。
恥ずかしければ、自分で自分話してみてもいいかも!

では、また!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?