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算定と検証の実際

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躓きやすい算定ルールや検証の現場の話を紹介します。
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#検証機関

審査?検証?どうちがうの?

審査(Audit)と検証(Verification)に違いを認識して使い分けている人は、どれくらいいるのでしょうか。ISOの方が歴史がないため「審査」の方が馴染みがあり、GHG排出量においても、同じように使っている人が大半だと思います。 質問されることも多くなってきましたので、簡単に説明しておきますね。 最初に、ISOは「審査」であり、GHG排出量は「検証」と称呼することを抑えておいて下さい。 区別・整理の仕方は様々ですが、個人的には以下のように考えています。 ちがい 

第三者検証〜はじめの一歩(10)

温室効果ガス排出量算定結果の第三者検証を受審するに当たって、躓きやすいポイントをご案内していく「はじめの一歩」10回目。 9回目からは、現地検証、オンサイトレビューの説明に入っています。 以下の流れで進めており、会議室で実施するステップまで終わりました。 続いてはようやく、オンサイトレビューの核心、「現地確認」です。 報告書にある「排出源」「モニタリングポイント」が実際に存在するのか、記載漏れがないか、説明されたような手順が現場で運用されているのか、裏付けを取る作業にな

第三者検証〜はじめの一歩(9)

温室効果ガス排出量算定結果の第三者検証を受審するに当たって、躓きやすいポイントをご案内していく「はじめの一歩」9回目。 8回目では、リスクアプローチ及び戦略分析から、計画書を作成しデスクレビューを行うところまで紹介しました。 9回目は、ようやく、現地検証、オンサイトレビューに入っていきます。 流れはこのようになります。 「オープニングミーティング」では、検証チームの紹介や検証業務の概要説明、スケジュール確認、その他注意事項等の確認を行います。 現地検証は複数箇所で行う

第三者検証〜はじめの一歩(8)

温室効果ガス排出量算定結果の第三者検証を受審するに当たって、躓きやすいポイントをご案内していく「はじめの一歩」8回目。 7回目では、契約を交わした検証機関が実際行う作業についてご案内しました。具体的には、現地検証に至るまでに、「事前調査」と「デスクレビュー」を行うのでした。 最初のステップでは、検証に必要な資料を受審する企業から提出頂くのですが、それに当たっては、繰り返しご案内している、下記原則をに留意しつつ準備をして下さいね、とお話ししました。 さて、ここに来てようや

第三者検証〜はじめの一歩(7)

温室効果ガス排出量算定結果の第三者検証を受審するに当たって、躓きやすいポイントをご案内していく「はじめの一歩」7回目。 6回目では、検証を受けるに当たって、受審企業が準備をしておく必要があることについてご説明しました。 「ISO14065」の認定を受けた検証機関についてご案内しました。ISO9001(QMS)やISO14001(EMS)のようなマネジメントシステムの審査機関と同様に、JABの認定を受けて「検証業務」を行う機関のことでした。 お待たせしました。 今回は、

第三者検証〜はじめの一歩(6)

温室効果ガス排出量算定結果の第三者検証を受審するに当たって、躓きやすいポイントをご案内していく「はじめの一歩」6回目。 5回目では、検証を受けるに当たって、受審企業が準備をしておく必要があることについてご説明しました。 具体的には、上記のa)〜g)の作業を行うのでした。 今回は、契約を交わした検証機関が行う作業についてです。 受審企業の皆様としても気になるところでしょう。 でもその前に、4回目に頭出しだけした「ISO14065」の認定を受けた検証機関について説明させて

第三者検証〜はじめの一歩(3)

温室効果ガス排出量算定結果の第三者検証を受審するに当たって、躓きやすいポイントをご案内していく「はじめの一歩」3回目。 2回目では、とにかく、覚えておいてもらいたい要諦をお伝えしました。 言葉にしてみると簡単で、当たり前のように思えますよね。 ただ「当たり前を当たり前に」がどれほど難しいか。 後になって気づくよりも、先に気づいておきましょう。 さて、3回目は、算定の「基本5原則」です。 検証業務は、「二重責任の原則」の下、事業者と検証機関の共同作業と、前回お伝えしまし

検証の実際〜その6

現地検証の実際、5回目。 ようやく、クロージングミーティングに辿り着きます。 前回まではこちら 算定担当の方と発見事項をお互いに確認する作業に入ります。ここはしっかり合意しておく必要があります。「発見事項確認書」などの書面に、サインを頂くことが多いです。 まぁ、一緒に廻っていますので、意見が食い違うことはあまりありませんが、契約に従って実施していますので、必要な手続きです。 午前中に依頼したエビデンスがここで用意できていれば、ラッキーですね。修正事項については、後日と