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検証の実際〜その6

現地検証の実際、5回目。
ようやく、クロージングミーティングに辿り着きます。

前回まではこちら


算定担当の方と発見事項をお互いに確認する作業に入ります。ここはしっかり合意しておく必要があります。「発見事項確認書」などの書面に、サインを頂くことが多いです。

まぁ、一緒に廻っていますので、意見が食い違うことはあまりありませんが、契約に従って実施していますので、必要な手続きです。

午前中に依頼したエビデンスがここで用意できていれば、ラッキーですね。修正事項については、後日ということが多いです。

当日対応できないものは、日限を切って後日での対応を依頼します。
エビデンスであればその写しの送付、修正事項であれば、修正された文書の提出です。

ここで「写し」、現在では「PDF化した電子データ」である場合が多いのですが、この証憑能力を疑問視される方がいらっしゃるかもしれません。

ですが、検証計画は、事前に提出して頂いている請求書や届出書の写し等の「電子データ」に基づいて作成しています。

能力云々を議論するのであれば、この検証業務自体の前提が崩れてしまいます。

検証期間は、本業務の遂行に当たり、顧客にどのようなリスクがあるのかを評価します。先のnoteでご案内した検証プロセスの「リスク評価」です。

ですので、検証に移ることができない程度のリスクが存在する場合には、そもそも、受託しません。そう、虚偽のデータや虚偽の計画書を提出する疑いが全くない、という確信を得て受託している業務ですから、提出してもらった帳票類は「正しい」ものと推測することに、疑念はないことになります。

ぶっちゃけ、不正を働いて、検証機関を欺いて、「無限定適正意見」を得ようとする事業者に対しては、無力だと思います。(これは、会計事務所でも同じですよね)

検証機関としては、そのようなリスクにも留意しつつ、「性善説」
で検証を行わざるを得ないというのが実情です。

いずれにせよ、不正が露呈した場合は、検証機関だけで無く、お客様自身の信用も失墜させてしまいます。会計の虚偽報告のような、法上の罰則はありませんが、それ以上の信義則上のペナルティーを覚悟する必要があるかもしれません。

CDPの回答やSBTi申請もそうですが、体裁を不正に取り繕っても、良いことは一つもありません。「見える化」は、現在位置を正確に把握して、将来の目標に向かって適切な計画を立てる、ロードマップを描くために行うもの。

例えは悪いかもしれませんが、何もせずに太っていたほうが、ダイエット効果は大きく、喜びもひとしおかと思います。

正直に算定して、正直に検証を受けて、あるべき姿を実現したいですね。

検証に限らず、広く皆さんのご質問、お待ちしています。
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