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気候変動も生物多様性も〜持続可能な世界を目指そう

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双子の条約と言われる、「気候変動枠組条約」と「生物多様性条約」だけど、後者はどうしても分かりにくいですね。でも、持続可能な世界の実現には、避けては通れません。どちらも一緒に学んで… もっと読む
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#ブルーカーボン

小坪ブルーカーボンPJ 着々

時折お届けしている、小坪ブルーカーボンPJの進捗状況。 前回は、生長している様子をお届けしました。 今回は、その収穫の様子を…と思っていたのですが、残念ながら、養殖場での収穫作業や収穫後の天日干し作業等々、都合がつかず参加叶わず。天候にも左右されるので、時期を合わせて九州からというのは、中々ハードルが高いことを痛感。やはり、移住すべきか?と悩むこの頃です。 前置きはこれくらいにして、今回は、ワカメの様子をお届けするのではありません。養殖は、11月末に種付けして、翌年2月

ワカメは順調に生長中

ブルーカーボン第1弾として、小坪漁協のワカメの養殖プロジェクトを行うことを、昨年お伝えしていました。 場所は、日本随一のヨットハーバー、葉山マリーナのすぐお隣。 前回訪問時はヨットも多数出ており、入り込まれのではと心配しました。 昨年は種付けしてから1週間程度だったので、数センチ程度だったところ、1か月半経つと、1m以上まで成長していました。 2月半ばから収穫が始まりますが、一気に刈り取るのではなく大きく成長したものから順に間引いていくそうです。そうすることで、周りのワ

ブルーカーボンのおさらい(3)

皆さんの関心が高まってきたことを受けて、改めてブルーカーボンについて、簡単なおさらいをしております。 1回目は、ブルーカーボンの定義についてお話ししました。 2回目は、ブルーカーボンを取り巻く情勢について。 3回目の今回は、ブルーカーボンの登録・認証スキームである「Jブルークレジット」についてご案内していきます。 「Jブルークレジット」とは、パリ協定の発効に伴い、いわゆるブルーカーボン生態系のCO2吸収源としての役割その他の沿岸域・海洋における気候変動緩和と気候変動適

2023年のVCMを振り返ってみよう(3)

cCarbonのレビューを拝借して、2023年のVCMについて振り返って見るシリーズも3回目。2回目はクレジットの多様性について説明しました。 この4年を見るだけでも、方法論やプレーヤー、使用しているクレジットスキームなど、多様になっていることが、分かってきました。 今回は、発行量の時期的な移り変わりを、一緒に見ていきましょう。 1回目に、償却量(retirement)について見たときに、季節性を考慮しても、12月が突出して多かったことをお伝えしました。他方、発行量(is

ブルーカーボンのおさらい(2)

皆さんの関心が高まってきたことを受けて、改めてブルーカーボンについて、簡単なおさらいをしています。1回目はこちらです。 2回目は、ブルーカーボンを取り巻く情勢についてご案内します。 まずは、22年11月にエジプトのシャルム・アル・シェイクで開催されたCOP27の決定文書「Sharm el-Sheikh Implementation Plan」に、海域の保護に関する文章が盛りこまれたことが、エポックメイキングでした。 今年実施された、COP28におけるGSTの決定文書「O

ブルーカーボンのおさらい(1)

ブルーカーボンについては何度もご案内してきましたが、Jブルークレジットの試行事業が始まり、企業の取り組みが始まり、環境省・国交省(港湾局)・農水省(水産庁)及び自治体が推進し、それに伴いメディアでの露出も高まり、改めて問い合わせも多く受けるようになりました。 Jブルークレジットのエバンジェリスト(?!)として全国行脚している私としては嬉しい限りですが、だからこそ、これまた繰り返しご案内している「カーボン・クレジット」と同様、ウォッシュ批判されることのない「高品質なブルーカー

本日より、COPが始まりますね〜

1年に一度のお祭り(?)COP28が11月30日より、UAEのドバイで始まります。 12月12日の最終日に向け、1日のレストを挟んで、2週間の日程。 非国家アクターのプレゼンスも高まっており、サイドイベントも大盛況。 年々入手困難となるパスをゲットできなくても、行く価値はありそうです。 エジプトのシャルム・アル・シェイクで開催されたCOP27に引き続き、COP28のパスもゲットできなくて残念ですが、リモートでも極力参戦しようとスケジュールを確認していたところ、例年と若干異な

頼もしい、佐賀の仲間~SAGA COLLECTIVE

佐賀を拠点に環境のコンサルティング、とりわけクレジットの利活用を通じた地域活性化に注力してきました。2009年の国内クレジット立ち上げ当初から関わり、県のクレジット創生も支援しましたし、J-VERの販売協力や、県内企業の脱炭素のお手伝いも行ってきました。 名刺も「多良岳・有明海の海」間伐促進プロジェクトのクレジットでオフセットするなど地域密着で活動していたつもりですが、灯台もと暗し。 佐賀に根ざした事業活動を行っている、11の事業者が「SAGA COLLECTIVE」とい

大村湾ブルーカーボンPJ始動

かねてよりご案内している、ブルーカーボン。 先日、支援しているサイトを訪問、視察及び関係者の方々と意見交換、情報共有をして参りました。「Jブルークレジットのスゝメ(2)」でご案内した、「事前相談」を受けて行ったものです。(本来であれば申請後にはなりますが、スケジュール上、申請前に行った形です) 場所は長崎県大村市、プロジェクト実施場所は長崎空港のすぐ南に位置する、松山町の海岸です。お隣には「ガラスの砂浜」という廃ガラス再生砂を用いて造成した浅場あり、インスタスポットとして

Jブルークレジットのスゝメ(10)

Jブルークレジットの申請説明シリーズ10回目。 前回までで、算定方法についての説明は終了していました。 最終回は、申請書の作成方法について見ていきましょう。 何よりもまず、申請するJブルークレジットの量を確定させます。 これまで見てきた算定方法の中から、申請するプロジェクトに対して適切な方法(式1、式2-1、式2-2がありましたよね)を選択。必要なデータを、現地調査及び文献から把握、算定を完了させましょう。 申請量は、算定量とは異なります。 3回目、4回目、5回目で

Jブルークレジットのスゝメ(9)

Jブルークレジットの申請説明シリーズ9回目。 前回から、吸収係数の説明をしております。 8回目では、「単位ロープ当たりの湿重量」のお話までで終わっていましたので、今回は、「ブルーカーボン残存率」に入ってきます。 「ブルーカーボン残存率」は「式2−1」「式2−2」において登場する要素で、藻場や養殖プロジェクトにおいて、現地調査を実施する場合に用います。 さて、「ブルーカーボン残存率」はそのものズバリが文献値として存在するのではありません。「式2」を採用する場合のCO2吸

ブルーカーボン、キタ〜

21年度より、「J-ブルークレジット」の試行事業が開始され、2年目となった22年度は、1年目と比較し、件数、認証量とも急成長、にわかに注目が集まっている「ブルーカーボン」。 件数:4件→21件、認証量:64.8[tCO2]→3733.1[tCO2] 従来からの「グリーンカーボン」である森林吸収系クレジットも、J-クレジット認証委員会で、森林認証小委員会を立ち上げて、普及推進を図っていますが、ムーブメントは「ブルー」に来ていると言っていいと思います。 以前にnoteでも、

ブルーカーボンのご案内

以前、ブルーカーボンを推進している旨、お伝えしたことがありました。 「ブルーカーボンとは何ぞや?」については、こちらを参照頂くのが一番良いです。国内の第一人者、港湾研究所の桑江先生が、こちらで説明されています。 そのなかで、このようにご自身の経験を交えて紹介されています。 具体的にはどんなことをやっているのか、どのような思いで実施されているのかは、こちらのブログが分かりやすく、共感できます。 もちろん、桑江先生も寄稿されています。 さて、ここで改めてご案内するのは、

ブルーカーボンを推進しています

4月13日の報道ステーションで、持続可能な社会を目指すSDGs企画13回シリーズの第1回としてブルーカーボンが紹介されました。 ブルーカーボンとは、「海洋生物によって大気中のCO2が取り込まれ、海域で貯留された炭素」のことです。森林など陸域で貯留される炭素であるグリーカーボンと区別して、このように呼ばれます。 陸域で生育する植物により固定されるグリーカーボンと比較して、ブルーカーボンは貯留期間が長期にわたるため、炭素貯蔵庫として特に重要です。 排出量算定方法のスタンダー