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高品質なカーボン・クレジットを求めて

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誤解されやすい、カーボン・クレジット。適切に使用すれば、1.5℃目標も夢じゃない!正しい理解をお手伝いします。
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2023年7月の記事一覧

Jブルークレジットのスゝメ(2)

前回は、「Jブルークレジット®」制度の現状と、取り組む意義についてご案内したところで終わってしまっていました。 今回は、具体的なモニタリング方法について見ていきたいと思います。 基本的には、スキームオーナーが発行している「Jブルークレジット®認証申請の手引き- ブルーカーボンを活用した気候変動対策 -Ver.2.2.1」にしたがって説明していきます。 まず、そもそもブルーカーボンは何を算定しているのか、つまり、どこに蓄えられた炭素量を認証するのかを理解してください。

Jブルークレジットのスゝメ(1)

何度もご案内してきたブルーカーボンですが、お陰様でご関心を持って頂ける方もボチボチと現れ始め、技術的な内容を尋ねられる機会も出始めました。 ですので、ざっくりとその流れをご紹介したいと思います。 「興味がある」→「やってみる」のインセンティブになれば幸いです。 今回は、令和2年度から試行事業として実施されている、「Jブルークレジット」を創生することを前提に、説明していきます。 「Jブルークレジット®」制度は、パリ協定の発効に伴い、いわゆるブルーカーボン生態系のCO2吸収

排出権/クレジット価格の相場観

クレジットの認知度が高まるにつれ、「どんなクレジットがあるのか」「どこで買えるのか」「何に使えるのか」「いくらなのか」と聞かれることも増えました。 ということで、今回は「いくらなのか」についてご案内したいと思います。 なお、カーボンプライシングとしては、その他に炭素税ありますが、あちらは法律によって金額(率)が決められており、市場メカニズムで変動しないので、今回は扱いません。 さて、まず、法的拘束力を持つか否かによって異なります。 ご想像通り、法的拘束力を持つ方が、高い

F1とクレジットの類似性

極めて個人的な話で恐縮ですが、F1が大好きです。 「FIAフォーミュラ1世界選手権シリーズ」という4輪における世界最高峰の自動車レースで、世界各地を転戦、今年は23戦予定されています。(第6戦 エミリア・ロマーニャGPが豪雨でキャンセルとなったので、以降全戦行われても最大22戦とはなりますが) で、その第10戦 、7月2日に決勝が行われたオーストリアGPで、物議を醸した事案がありました。 多数のドライバーが、「トラックリミット違反」をとられ、ペナルティを受けたのです。ひ