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デザイナーと言語化

言語化することが苦手だ。

私は15年以上グラフィックからWEBまで様々なデザインに携わっていて、それなりに経験はあるんだけど、デザイナーとして自信のない期間が人より長かったと思う。

それは言語化することを軽んじていたことにも原因があると思うので、今回はなぜデザイナーとして言語化が重要なのかを経験を踏まえて考察してみた。

できるデザイナーは言語化が得意

クリエイティブは右脳と思われがちだが、できるデザイナーは左脳派が多いように思う。少なくとも私の周りでは。

恐らく誰しもスタートラインでのセンスや経験値はそこまで変わらないだろう。
しかしデザインの手法や考え方を自分の言語で体系化できる人と、感覚で作り続ける人との間では、積み重ねていける経験値の量が全く変わってくる。

体系化するためには、対象を深く理解する必要がある。理解し、自分の言葉で言語化するということは知識の定着のみならず、どのような角度からの質問にも説得力が生まれる。
その説得力を積み重ねることが、デザイナーのキャリアを歩むための自信となるのだ。
デザイナーとしてセンスに自信のない人は、説得力の武器を増やすことをお勧めしたい。

デザインには言語化が不可欠

そもそもデザインは感覚で作るものではないことは周知の事実だ。
WEBの場合だと戦略策定、企画立案、ビジュアルコンセプトを経てデザインに入る。
デザインは目的を達成するため(例えばサイトからの販売数を増やすなど)のフェーズの一つに過ぎないのだ。

だからデザインの成功は完成度ではなく、サイトのゴールを達成したかどうかにかかっている。
目的を達成するためには、WEBではチームプレイが不可欠である。ディレクター、デザイナー、コーダー(時にライター、フォトグラファー、プロジェクトマネージャー、エンジニア等)多くの関わる人が、同じベクトルで作業しなければならない。
それを可能とさせるのが「サイトコンセプト」という共通言語なのである。
プロジェクトをスムーズに進めるためにはタスク管理だけではなく、サイトをゴールへ導くための道標を、誰もが迷わない言葉で示す必要があるのだ。

結局はプレゼン

この年になってようやく分かったけど、デザインはイケてる、イケてないが重要ではない。よりよい提案(プレゼン)をし、クライアントを納得させることが重要なのである。
デザインの良し悪しなんていう感覚的なものは、人によって解釈が違うので不確定なものなのだ。

いいデザイン=クライアントの満足度の高さだとするならば、デザインをよくするものはプレゼンの説得力、いわばコンセプトをいかに相手に響くように言語化するかなのである。

まとめ

大きな括りにはなったけど、デザイナーにとっての言語化の重要性が伝わったでしょうか。

対象をより深く理解し、言語化することが、キャリアを歩む上でも、よりよいデザイン(プレゼン)をするためにも不可欠なものだと思います。