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【分析をもっと身近に】第2回フレームワーク解説~PEST分析【5分で読めます】

あなたは自分の事業を取り巻く環境を把握していますか?

インターネットが普及した現代において、事業を行う際に「周りの様子を見てから判断したい」「確実性のある事業だけしていきたい」といった考え方は危ないらしいです!というか危ないです。

そりゃー「昨日までの技術が、今日になったら古くなっている」なんて言葉が出てくるような時代なので、走りながら考えないといけないですよね。

ソフトバンクグループ会長である、孫正義さんは投資をする際に

「5割の確率でやるのは愚か。9割の成功率が見込めるようなものはもう手遅れだ。7割の成功率が予見できれば投資すべきだ」

と言っているように、3割のリスクは孕んでいるけど、7割の成功率があるならチャレンジするべきだと思います。7割で走り出して、10割に使づけるように改善を続けていく感じです。

そんな時、まず考えるべきは【現在の自社を取り巻く環境】と【将来の自社を取り巻く環境】についてです。

そこで力を発揮するのが、PEST分析!

▼PEST分析とは?

 PEST分析とはざっくり言うと、

企業経営を取り巻くマクロ環境を分析し、間接的に影響を与える要因を把握する分析手法

となります。

フィリップ・コトラーが提唱したことで有名になったPEST分析ですが、その背景として、PEST分析をすることで広い視野で外部環境をとらえ、正しく「市場の再定義」をすることにつながるからだと言っています。

外部環境を構成する4つの象限は下の通りです。

政治(Politics)
 4つの象限の一つ目は、政治(Politics)です。
政権交代による国の方針の変化や規制緩和/規制強化、司法の判例、税制の変化や政府・関係団体の動向など、事業をメインで行う国のルールや法律に関する部分となります。
経済(Economics) 
次の指標は、経済(Economics)です。
国内の景気の動向に起因するお客様の購買能力や金利・為替の動向、原材料の物価の動向などのマクロな視点での金銭的要素がこの部分になります。
社会(Social)
 3つ目の指標は、社会(Social)です。
少子高齢化などの人口動態、お客様の買い物や勤務体系などのライフスタイルの変化、教育水準や価値観などの人の行動や気持ちに起因する要素を考える指標になります。
技術(Technology)
 最後の指標が、技術(Technology)です。
スマホやPCなどの最新技術、製品の生産にかかわる技術の革新、新しく登場する代替技術などの技術的な要素がここに入ります。

▼PEST分析でわかる事

 あなたの事業に間接的・直接的にかかわる膨大な要素を、政治・経済・社会・技術の4つの象限に分けると、以下のようなことがわかります。

・現在の世の中を正しく把握できる
・正しい認識を基に、これからどうすればいいのかの示唆を得られる

 新しいことにチャレンジすることはとても良い事ですが、今の状態を正しく把握し戦略的に考えて行動することで、事前に予測できた要因による撤退を防いだり、これから先の未来がどうなっていくのかを見通したうえで、事業を進めることができます。

▼PEST分析のやり方

①4つの象限に含まれる要素を書き出しましょう
 自分の今の事業やこれからやろうとしている事業を取り巻く要素を思いつく限り書き出します。ヌケ・モレ・ダブリが無いように進める必要があるので、複数人で進めることがおすすめです。
また、トレンドや話題のキーワードが含まれているかどうか、書き出した情報は正しい情報なのかも検討する必要があります。

②書き出した要素が”機会”なのか”脅威”なのかを把握しましょう
 ①で書き出した要素は業界によっては膨大な数になることもあります。ここではさらに”機会”と”脅威”の2軸で分けることでより深く把握することができます。

③時間軸を加えて分析しましょう
 ②で”機会”と”脅威”で分解した要素を、短期的・長期的の軸でさらに分解します。短期的な脅威なのか?長期的な脅威?によって採るべき施策のスケジュールが見えるようになります。

▼PEST分析の事例(飲食店)

まずは、4つの象限に含まれる要素を書き出してみます。
この時、行政の出している統計情報や各社が行っているアンケート調査を基に作成すると、説得力が増します。

PEST分析①

次に、4つの象限で挙げた要素を機会と脅威に分けてみます。

PEST分析②

最後に、機会と脅威の要素を短期間な要素と長期間な素に分けてみます。

PEST分析③

ここまでのPEST分析を行い、私は次のような示唆を得ることができました。

◆飲食業界は行政に働きかける活動(ロビー活動)が他業界に比べて弱いので、今後も政治的な支援を得られない可能性が高い
◆短期的にはテイクアウトの需要などが伸びているが、これを定着させるためには長期的にテイクアウトで選ばれる商品が必要になりそう
◆長期的にも短期的にもITやウェブサービスの技術がどんどん発達していくので、新しい技術をどんどん取り入れ、それと組み合わせた事業を展開する

ここで得られた示唆を基に、市場や競合の状態、自社のリソースを考えながら、現状を打開する策を練ったり、新規事業を始めることをおすすめします。

▼まとめ

ここまでPEST分析を見てきましたが、上で挙げた事例も必ず当てはまるとは限りません。皆さんの事業によって書き出す要素も変わりますし、切り口を変えると同じ事業でも要素は変わってきます。

大事なのは、”情報を集め、考える事”です!
そして、”どれだけ短期間で、正しく考えられるか”が重要です!

フレームワークはそういった”考える事”を助けてくれますので、
ぜひ使ってみてください♪

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平石 俊介 
Shunsuke Hiraishi
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