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企業アルムナイの設立目的・3パターン

企業のアルムナイ(卒業生)ネットワークの設立と運営について考える際、その目的が何であるかを明確にすることは非常に重要です。

私は、ソニーの有志アルムナイを立ち上げる際のリサーチや、企業アルムナイ運営者のネットワークを立ち上げ、運営者たちと直接やりとりする中で、日本における企業アルムナイ立ち上げの主な目的は、以下の3つになると考えました(細かなものや副次的なものは捨象しています)。

  1. 会社にとっての取引先や協業先になる

  2. 出戻り採用や、卒業生によるリファレンス採用

  3. 卒業生同士の相互利益

この記事では、各目的について説明し、具体例なども紹介します。

これから企業公式のアルムナイを立ち上げる企業の担当者や、これから卒業生による自主的なアルムナイを立ち上げる人々が、アルムナイ設立の成功確率を高めるためのヒントを提供できれば幸いです。

1. 会社にとっての取引先や協業先になる

このパターンは、卒業した人々が企業の取引先やパートナー企業の意思決定者に転職するケースを指します。ここでの受益者は主に企業自体で、卒業生が新たな商業的なチャンスをもたらす可能性があります。これは、アルムナイの存在が企業にとって明確で直接的なベネフィットを生み出す一例です。

具体的な例として、コンサルティングファームの卒業生が大手事業会社のマネジメントに転職し、コンサルティングの仕事を外注する立場になるケースが挙げられます。また、人材紹介の出身者が様々な業界の人事・採用担当となり、人材紹介会社に仕事を出すこともあります。

特に、コンサルティングファームでは企業が直接運営しているケースが多く、各国にアルムナイ担当パートナー(役員)が配置されています。一例として、ある大手戦略コンサルティングファームでは、全世界の拠点で毎年同じ日にリユニオン(同窓会パーティー)が開催され、アルムナイならどの国のパーティーでも参加資格があります。これは、アルムナイネットワークが全世界に広がり、卒業生同士のつながりを深める良い機会となっています。

個人的な経験では、私は2000年にSI業界に新卒で入ったのですが、その頃に日本に進出していた外資系パッケージベンダーのカントリーマネージャーはかなりの割合が日本IBMの営業出身で、共に案件発掘、事例創出、市場開拓を進めるなど、相互補完的な関係を築いていました。

このパターンの成功の指標としては、新たな取引の成約件数や取引金額が挙げられます。アルムナイが企業にとって取引先や協業先になるという目的が果たされた場合、これらの指標が向上すると考えられます。

以上のように、このパターンは、卒業生が企業にとって新たなビジネスチャンスをもたらす可能性を示しています。アルムナイが企業の取引先や協業先になる可能性を具体的に認識し、それを目指すことで、アルムナイ運営の成功確率を上げることができます。

2. 出戻り採用や、卒業生によるリファレンス採用

このパターンは、一度卒業した人々が再び元の企業に戻る流れをつくること、または、企業の事業やカルチャーを深く理解している卒業生からの人材紹介(リファレンス採用)を促進することを目指しています。

特に、エンジニアやデジタルマーケティングのように、技能の汎用性が高く人材流動性が高い業界では、このパターンが有効となることが多いです。これらの領域では、採用や育成に高いコストがかかる上、個々の能力によって成果に大きな差が出るため、人材の見極めが非常に重要となります。卒業生の中には、企業の文化や価値観を理解している人材が多く、またその人脈から優れた人材を紹介してもらえる可能性があります。

その他のパターンとしては、ホテルなどのサービスや、小売などのブランドの現場で、文化や価値観の理解やロイヤルティが重要となる事業の出戻り採用ニーズもあるようです。

成功の指標としては、出戻り採用やリファレンス採用の件数、そしてその人材の質が挙げられます。出戻り採用が増え、リファレンス採用によって優秀な人材が集まることで、このパターンの目的が達成されたと言えるでしょう。

以上のように、このパターンは、卒業生を通じて新たな人材を確保し、それによって企業の人材資源を強化することを目指しています。これを具体的に理解し、目指すことで、アルムナイの立ち上げと運営の成功確率を高めることが可能です。

3. 卒業生同士の相互利益

このパターンでは、アルムナイが卒業生自身に利益をもたらす形をとります。特に多様な分野で活躍している人材を輩出している「人材輩出企業」や、広告、人材、コンサルティング、システム開発など、横の取引や協業が多い企業でこのパターンが見られます。

この設立目的は、同じ企業から卒業した人間同士の信頼関係を基盤に、ビジネスやキャリアにおいて相互に利益を享受する機会を生むことを目指しています。例えば、同じ組織の出身であることが一定のスキルレベルを保証し、ビジネスの取引や協業の際の信用リスクを軽減します。この場合、企業側主導というより、卒業生が自主的・主体的に始め、リードするパターンが多い印象です。

具体的な例としては、ソニーやYahooなどがこのパターンに該当します。卒業生主導の運営が主体となるケースが多いです。また、Googleのような企業はグローバルで一つのアルムナイを形成し、アルムナイだけに投資するファンドまで存在します。日本においては、DeNAがGoogleに近い状況を示しています。様々な分野で活躍する人材を輩出し、その人材をPR支援、投資、取引や事業提携でバックアップしています。

成功の指標としては、卒業生間での取引や協業の件数、金額、そしてその質が挙げられます。また、卒業生に対する投資なども評価の対象となります。

以上のように、このパターンは、卒業生自身の利益を重視し、卒業生同士の相互利益を目指します。これを理解し、具体化することで、アルムナイの立ち上げと運営の成功確率を高めることが可能です。

その他の目的

副次的な目的として、「採用ブランディング」や「業界を横断した非公式なネットワークの創出」があります。

「採用ブランディング」は、企業が卒業生を引き続き応援している姿勢を示すことで、新卒採用や経験者採用における企業のブランド力を強化します。企業の卒業生が活躍している姿を見せることで、新たな採用候補者に対する企業の魅力を高めます。ただし、これはアルムナイ設立の主要な目的ではなく、一つの副次的な効果と考えることが適切です。

一方、「業界を横断した非公式なネットワークの創出」は、アルムナイを通じて多様な業界の情報や新たなビジネスチャンスを得ることを目指します。これは間接的な事業創出や成長の機会を生む可能性があります。

目的や目指す成果を具体化することが大事

アルムナイを設立し運営するにあたり、成功を確実にするためには、具体的な目的を明確にすることが不可欠です。まずは、自分たちが追求している具体的な目的は何かを特定することから始めましょう。次に、その目的が達成されたとき、どのような状況が生まれているのかを描き出すことが重要です。

ただし、一つのアルムナイが一つの目的のみで設立されるわけではありません。実際には、複数の目的が重なり合っており、それらの目的の優先度や割合が異なります。

目的や成果を定義することで、アルムナイの運営に必要な戦略やアクションプランを具体化しやすくなります。それによって、企業アルムナイの設立と運営における成功確率を引き上げることができるでしょう。これらのポイントは、コミュニティを立ち上げる際の核心となり、その方向性を明確に示すものです。

◆アルムナイづくりのご相談は気軽にどうぞ◆

連絡先: ryu@conecuri.com

※この記事はChatGPTで生成したものに少し手を加えたものです


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