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アルムナイ調査レポート:モトヤフ(ヤフー株式会社)
活発に活動し、価値を創出している企業アルムナイの運営者に、成り立ち、活動や運営の概要、運営の工夫などを詳しく掘り下げ、他のアルムナイ運営者の参考にする取り組み。
今回は、ヤフー株式会社のアルムナイ「モトヤフ」です。
調査日:2024/2/16
基本情報
名称:モトヤフ
企業:ヤフー株式会社(Yahooの日本法人)
設立:2017年2月
発起人:宮坂 学氏(元代表取締役CEO)、喜多埜 裕明氏(元取締役COO)
代表:喜多埜 裕明氏
登録者数(概数):3,200人(Facebookグループ)
・他、Slackに約1,300人
参加資格:ヤフー株式会社に正社員として在籍していた人
目的:
・卒業生:ゆるくつながる→ビジネスマッチングなど
・会社:リファラル採用、社員の副業先発掘、優秀な委託先など
主な活動:
・モトヤフナイト:年1回の大交流会
・セミナー:4半期ごと程度(コロナ前)
・noteでの記事公開
運営タイプ:運営委任型(経営:会社/運営:卒業生)
組織成熟度:Lv.3)運営チームが自発的に役割分担し、活動を前に進める
収支:卒業生の自主採算(但し、会社から若干の補填あり)
立ち上げ
背景・経緯
2012年に宮坂さんがヤフーの代表に就任
元ヤフーの優秀な人達にカムバックしてもらったことが、「IT業界のNHK」と言われるほどのカルチャーを「爆速」に変え、V字回復する起爆剤に
それが、現役社員と卒業生の関係を維持する取り組みに注力するキッカケとなった
準備〜開始
決定:宮坂さん(元CEO)、喜多埜さん(元COO)がアルムナイ立ち上げを決定
プラットフォーム:2016年末に人事がFacebookグループを作り、卒業生に案内
キックオフ:2017年2月、人事部主催で第1回「モトヤフナイト」を実施
→講演+交流会:現役含め800人が参加したので、2日に分けて実施卒業生が累計で約2,000人いた
当初の目的や方針
目的:当初は採用に注力
リファラル採用の成果報酬を卒業生にも付与
会社の業務として実施
人事部の業績目標の対象
人事が退職者にモトヤフを案内(LINEとの合併前まで)
卒業生への提供価値:卒業生同士の関係構築→ビジネス創出
当初の活動
モトヤフナイト:年1回実施、2回目も400人くらい参加、講演+懇親会
モトヤフトーク:毎月実施、過去の役員などを呼び、裏話などを聞く→やがて頻度は減少
インタビュー記事化:2年目くらいに開始、noteのマガジン
コロナ前はオンラインイベント無し。
コロナ下はモトヤフナイトもオンラインで凌ぐ。
当初の運営体制
3月くらいに人事が事務局メンバーを公募
→5月に第1回会合を本社で実施、30人ほど参加
→月例の運営会議を本社で実施活動別にグループを分けた
ビジネス飲み会
マッチング
ランチ会、など
意識したこと
20-30前半の若い人に来てもらう:インターネット老人会にしない
立ち上がった前提要因
トップのコミット
会社(人事)の協力:予算、人員、会場、案内・PRなど
社風:人数が少なく、仲がいい
ビジネスの性質:ToCビジネス→面白がって一緒にやろうとするノリ
現在の活動
<卒業生ベネフィット>
【 】PR(会社/個人活動)
【◯】営業(売り手↔︎買い手)
【 】学び↔登壇
【 】転職、副業↔採用
【 】起業家↔共同創業
【◯】出資↔投資
【◯】スタートアップ↔支援者
1)プラットフォーム
Facebookグループ:約3,200人
参加資格:元社員
管理者:会社
内容:事務局からのお知らせ
卒業生同士の公開のやりとりは少ない
→「人数が多いので、投稿は緊張する」との声も
Slack「Yahooサテライト」:約1,300人
参加資格:元社員+業務委託や関連会社も入れる
野良でできていたのを事務局で引き取った
内容:年度などの属性別や、部活などごとにチャンネル
独自ツール:作ったが、あまり使われていない
ビジョン、参加ガイドラインなど:特に明文化されたものは無し
2)イベント
モトヤフナイト:
対面・年1回:先日は70人ほどが参加
前回は懇親会のみに振り切った
コロナ前は有名人の登壇+集客に注力
今回はネットワーキング目的の層と、有名人の話を聞く目的を分け、ネットワーキングに絞る
かつて実施していたイベント:復活も検討中
講演会
卒業生や現役役員の有名人が登壇
コロナ前は年に4回くらい実施
ビジネスマッチング・イベント
本社の広めの会議室に卒業生がブースを出して、社員が回る
3)マッチング
公開ではやっていないが、個別に引き合わせたりはしている
マッチングイベントの復活も検討中
4)コンテンツ
note「モトヤフ公式マガジン」
拡大と活性化
登録者を増やす
人事が退職者に案内(LINEとの統合前)
関係者が知り合いづてで勧誘
モトヤフナイトに参加した人のSNS投稿を見て「入りたい」と反応する
投稿の活性化
(現状はそれほどできていない)
記事掲載
参加者
年代
30代以外が多い(20代と40代以降)
属性イメージ
人数は転職組が多い(メガベンチャーや大企業)
活動に対してアクティブなのは、経営者やスタートアップ従事者
※LINEとの統合時点でヤフー株式会社に所属していた人は、全員「卒業生」という扱いにした
収支
<収支タイプ>
【 】会社が費用負担
【 】自主採算・固定収入:あり(年会費などあり)
【◯】自主採算・固定収入:なし(活動単位で収支)
→但し、一部会社からの補填あり
固定収支
収入
参加者からの年会費:なし
会社からの委託費、他:なし
費用
人件費/委託費:なし(卒業生ボランティアで運営)
ツール、設備:なし(無償ツールで運営)
スポット収支
方針:イベント単位でバランス
モトヤフナイトは若干の赤字になる
→会社(人事部・LODGE担当部署)の予算で補填
収入
イベント毎に参加費を徴収
モトヤフナイトの赤字は会社が補填
費用
人件費:ボランティアで運営
登壇謝礼:なし(ボランティアで登壇)
会場費:なし(LODGEを無償利用)
飲食代など:参加費で賄う
運営
タイプ
【 】会社主催型(経営:会社/運営:会社)
【◯】運営委任型(経営:会社/運営:卒業生)
【 】会社後援型(経営:卒業生/運営:卒業生→会社連携:あり)
【 】野良型(経営:卒業生/運営:卒業生→会社連携:なし)
役割分担
・責任主体:会社/◯ 卒業生
・意思決定:会社/◯ 卒業生
・参加承認:◯ 会社/ 卒業生
→人事DBで在籍確認&承認ボタン押すのは人事
・活動企画:会社/◯ 卒業生
・オペレーション:会社/◯ 卒業生
組織成熟度
【 】Lv.1)代表1人にほぼ依存
【 】Lv.2)運営チームはあるが、代表に依存する部分がまだ多い
【◯】Lv.3)運営チームが自発的に役割分担し、活動を前に進める
→野良の分科会はあり
【 】Lv.4)一般参加者による、分科会などの自主活動が生まれる
【 】Lv.5)代表交代が可能なレベルまで、運営がシステム化
代表
喜多埜 裕明氏(元取締役COO)
運営メンバー
社員:2名(会長室・業務)
卒業生:実働は6名程度(ボランティア)
運営全般
マガジン担当
イベント司会
※モトヤフナイトなどは、スポットでイベント運営メンバーを募る
参加スタンス
基本は「可能な範囲で」
月1回の定例はなるべく出席しよう
イベントの時などは頑張る
勧誘メッセージを手分けして1,000件送る
会議体
月1回・20時〜21時@zoom
募集
毎年8-9月にFacebookでアナウンス
イベントなどで話して興味持った人を個別勧誘
規程(任免手続、任期、定員などの定め)
明文化されたものはなし
システム
1)活動用途(対 参加者)
<コミュニケーション(フロー)>
【◯】Facebookグループ
・承認制・検索可能
・告知利用が主
【◯】Slack
・属性別や部活など
【◯】(自主開発ツール:あまり使われていない)
<情報共有(ストック)>
【◯】Googleドライブ
【 】Notion
<外部発信>
【 】HP
【◯】note →担当1名がほぼ全てを担当
【 】Youtube
【 】その他(Facebook、X、Instagramなど):なし
<イベント管理・決済>
【◯】Google form+決済(PayPay)
【 】Peatix
<その他>
【 】カレンダー(参加者用):なし
【 】オンラインイベント:Zoom
2)運営用途
・記録:Googleドキュメント
・会員リスト:なし
→イベント毎に勧誘用リスト作成
・収支:イベント単位、厳密には管理せず
・タスク管理:議事録ベース(Googleドキュメント)
・カレンダー(運営用):あり
・オンライン会議:Zoom
※リストの作成方法
・Facebookグループのメンバー一覧からURLを抜く
・それをスプレッドシートに貼り付けてリスト化(約1000件)
・運営メンバーで手分けして、勧誘メッセを個別送信
補足
管理者は基本は会長室
Facebookはモトヤフ設立前に人事が立てていた
本名登録で人事DBと照合しやすいからではないか
Slackは野良で運用されていたものを人事で引き取った
参加承認
登録資格
グループ会社:入らない(ヤフー株式会社のみ)
雇用形態:正社員のみ
在籍期間:特に問わない
その他:懲罰対象になっていないこと
手順
プラットフォーム:Facebookグループ(承認制・検索可能)
申請記載内容:氏名/生年月日/卒業年 →人事DBと照合して承認
承認者:人事メンバー
タイミング:随時
記録:別途のログは残していない
オンボードなど:特になし
会社との関係
モトヤフ自体が公式アルムナイ。
かつては人事の業績目標対象(現在はボランティア)
リファラル採用の成果報酬がアルムナイにも付与(現在は廃止)
人事から退職者にモトヤフが案内されていた(合併前まで)
<会社側の期待効果>
【◯】採用:カムバック、リファラル、ブランディング
【 】キャリア:シニアのロールモデル
【◯】育成:社員の副業先 →成長の機会(社内ではできない経験)
【 】共創:事業提携、社外の複業人材活用
【 】投資:協業先への出資
【 】取引:発注先、仕入先
【 】PR、ブランディング
【 】新たな知見や外部人材との関係
コミュニケーション
定例会議:事務局の月例に参加
担当:会長室コラボレーション推進部
支援
設備:イベント時にLODGEなど会場を無料で使わせてくれる
資金:モトヤフナイトの赤字補填程度
人員:社員(会長室)2名が業務として支援
社友会の有無と関係
社友会の有無:なし
すみ分け:なし
課題と目指す姿
コロナもあけて、LODGEも使える様になった
→コロナ前くらいに対面イベントを復活させていきたい参加の促進
参加する価値がイメージできず参加していない層がいる
→そういう人たちが参加したくなる企画を作っていきたいスタートアップ支援など、新たな取り組みも強化したい
ご案内
運営ナレッジシェアとコラボレーションによる価値向上を目的に
アルムナイ運営者コミュニテイを立ち上げました。
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